昨天今天明天

《昨天今天明天》薛家燕(シッ・ガーイン)、羅蘭(ローラン)、胡楓(ウー・フォン)、朱江(チュウ・コン)、張英才、龍剛(ロン・ゴン)、林婉貞、曾江 
龍剛:監督 1970年 カラー 国語 無字幕 榮華


香港に疫病が発生するという話し。工場である工員が謎の病気にかかり死亡する。その後広い範囲から患者が出て、香港は病気が蔓延する場所となり、飛行機も発着を取りやめてしまう。患者は隔離されるが、看病にあたる看護婦も感染し倒れてしまう。病気で正気を失った人物は刃物を振り回し人を傷つける。最後には女医がある血清を祈るような気持ちで子供の患者に注射する。翌日、子供は危機を乗り越え、顔に出来ていた湿疹も消えてなくなっていた。血清を探し当てたのを知った娘(薛家燕)は、隔離されている病棟の患者たちに向かって嬉しい知らせを伝えて行く。


解説によると、この映画は1969年に撮影されたが、映画の内容が1967年に起きた左派の暴動を投影しており、政治的な理由で69年には上映禁止。その後編集しなおし、1970年に公開されている。
普通話(しかも音声悪し)に字幕なしで、細かいことは分からないのだが、映画としてはいまひとつ面白さに欠けているような気がした。劇中の謎の疫病(咳が止まらない)がSARSを思わせる。60年代にこいう映画が撮られていたというのはとても興味深い。
2008.8.24@香港電影資料館「活色摩登 ─ 六十年代聲色」


■□08年に見た映画一覧□■

《蕩寇》ベネチアでブーイング!?

今年のベネチア映画祭コンペティション部門に唯一ノミネートされている香港映画、余力為(ユー・リクワイ)監督の《蕩寇》は昨日試写が行われたが、反応は芳しくなかった。ある記者は鑑賞後、映画はとても抽象的で何がいいたいのかはっきりしない。加えて英語字幕にトラブルがあり、多くの記者や観客からクレームがついた。その結果、2割の観客が途中で席を立ち、上映終了後の映画館ではブーイングが起こったと話した。


黄秋生(アンソニー・ウォン)は先日インタビューを受け、「《蕩寇》は脚本が少なく、つねに自分が何を演じているのか分からなかった」と話した。
《蕩寇》は香港の俳優・黄秋生、大陸の女優・黄奕(クリスタル・ホアン/ホアン・イー)、日本のスター・オダギリジョーが主演している。《蕩寇》の出資社のひとつである驕陽電影の宣伝担当は、映画へのブーイングは字幕のトラブルに対してだと思っていると話した。「映画はポルトガル語普通話、英語が混ざっている。主催者側の規定でイタリア語の字幕は必須。英語字幕がうまく出ないシーンがたくさんあり、記者や観客ががやがやと騒ぐことになった。ブーイングは映画の内容には関係ないと信じている」。(略)by 2008.8.31「頻果日報」

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