砂原由起子、鯖吉、山崎隆明、三枝桃子
市川準：監督
ユキは友人と秋葉原にやって来る。友人の携帯電話を借り知り合いに電話をかける。その知り合いは実は兄の友人で、兄からやってきたはがきを見せ、ひとしきり兄の話しをする。はがきに有った住所、吾妻橋を尋ねた行きユキはホームレスになっていた兄と対面する。
昨年9月に亡くなった市川準の遺作で、初めての自主制作映画。市川準の映画で見たことがあるのはたぶん《会社物語》《つぐみ》と《トニー滝谷》だと思う。一番印象に残っているのは一番最近に見た《トニー滝谷》。この《buy a suit スーツを買う》も雰囲気は《トニー滝谷》によく似ていると思う。しかし《トニー滝谷》がミニマリズム的な様式美を感じたのに対して、《buy a suit スーツを買う》は様式から解き放たれている感じ。
ホームレスの兄が話す社会への批判は、自身の考えを代弁しているのだろうか。それにしても、何故いまになって自主制作の映画を撮ったのだろうか。
2009.4.2@香港國際電影節（UA朗豪坊）
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