紅菱血(上)

《紅菱血(上)》芳艷芬、羅品超、黄千歳、盧敦、林妹妹 
唐滌生:監督 1951年、モノクロ、粤語 澤生


退役軍人の秦侯(秦侯)は病気の次男になんとか嫁を取らそうと四女の提案にしたがって蘇魯泉の娘・映雪(芳艷芬)をもらおうと考える。映雪には思いを寄せる男性・左鳳翔(羅品超)がいるが、父は二人の関係を認めず、さらに左鳳翔は働き口を探して村を出た。映雪は父が地主から家賃の催促をされていることを知り、しかたなく秦家の嫁になる。婚礼当日、秦家に招かれた左鳳翔は新婦が映雪だと知って驚く。さらに婚礼の日に初めて会った次男の病気がかなり悪いことを知り映雪は愕然とするが、次男は映雪の境遇に同情し、2人は名前だけの夫婦となる。3か月後、映雪は左鳳翔の子を身ごもったことを知る。
子供が生まれた日、次男は亡くなり、秦侯は倒れる。その後、秦侯は亡くなり、秦家は次男の嫁である映雪が取り仕切ることになる。秦侯の葬儀の日、四女は兄から聞いた映雪の子供の父親の秘密をネタに映雪の手元にある秦家の全財産を取り返そうとする。争っているうちに四女は割れたビール瓶の上に倒れ亡くなる。映雪と映雪の父親は四女を川に捨ててしまう。映雪は部屋に落ちていた四女の靴を拾い、タンスの引き出しに隠すのだった。。。。


この作品は、1950年代モノクロ映画の典型的撮影で、登場人物の感情に沿ったライティングとカメラワークで、台詞を聞かずとも画面を見ているだけで登場人物の心理状態が理解可能と言われている。上集での見所は、祝言を挙げたあと次男と映雪が部屋で対峙するシーン。2人の心理状態が手に取るように分かる役者の動きとカメラワーク。今見ても古くない。
今日は満席。皆様のお目当ては芳艷芬と羅品超だとか。ところで、1950年代の香港映画には粤劇の俳優たちが出演することが多い。この作品でも芳艷芬も羅品超も粤劇の俳優、さらに監督の唐滌生も粤劇の劇作家だ。なお羅品超は今年7月100歳で亡くなっているようだ。
2010.8.22@香港電影資料館「捕光捉影・向兩位攝影大師致敬」


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