新少林寺(新少林寺/SHAOLIN)

《新少林寺》
劉徳華アンディ・ラウ)、謝霆鋒(ニコラス・ツェ)、范冰冰(ファン・ピンピン)、成龍ジャッキー・チェン)、呉京ウー・ジン)、延能、余少群、熊欣欣(ホン・シャンシャン)、師小紅 
陳木勝(ベニー・チャン):監督


民國初、河南省登封の街を制した軍閥の侯杰(劉徳華)は、敵と思われる宋虎(師小紅)を落とし入れ領土すべてを自らのものにしようと考える。しかし当地の鉄道建設と銃器の交換を持ちかける外国を拒絶したことに不満を持った副官曹蠻(謝霆鋒)の罠にはまる。命からがら逃げのび、少林寺に救いを求めるが、大切な一粒種の娘は命を落とし、妻(范冰冰)は彼の元を去っていった。生きる糧を失った侯杰は、少林寺に身を寄せるうち、厨房を預かる悟道(成龍)を知る。侯杰は少林寺の暮らしの中で次第に禅の心を悟り、ついには出家する。しかし侯杰の生存を知った曹蠻は、容赦なく追っ手を少林寺に差し向けるのだった・・・。


謝霆鋒が悪役に扮するのがひとつの話題。よくやっているが、片方の肩を上げたり、ずるっとした歩き方などいかにもな悪役の造形。そんなわざとらしい姿をせずに憎たらしい悪役を演じられたらさらによい。しかしこのところ様々な役を当てられ、きちっと監督の要望に応えて演じているのは素晴らしい。1作ごとに進歩が見える。
劉徳華は《大隻佬》に続いて坊主に扮している。一度は物欲にとらわれたものが、娘の死で自らの信じるものすべてを失い仏門に入り、禅のこころを悟る。映画の根底には禅の思想があるのだが、派手な爆発で思想も吹っ飛んでしまい、表面の物語だけが印象に残るという惜しい展開。
范冰冰も力を発揮するまでには至らず。成龍は客演風だが、最後はもっていく。
全体的には前作《全城戒備》よりよいが、相変わらずあとひとつ何かがたりない。2011.1.20@旺角百老匯(優先場)


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