借新娘

《借新娘》
張活游、紫羅蓮、李清、容小意 
呉回:監督 1958年 モノクロ 粤語 無字幕


瀬戸物屋で働くきまじめな阿福(張活游)と、お金持ちの家の娘・阿英(紫羅蓮)は結婚を意識する仲。阿福は阿英を嫁にもらおうとするが、阿英の父母は結納の品書きをよこす。阿福が貯めたのは100元ほどだが、結納の品はそれ以上。伯父に掛け合ってもらいなんとか半分にし、数日後に結納品を届けると約束する。阿福は、瀬戸物屋から一気に給金を出してもらおうと考える。
そんな折、地主の趙家の主人が村に戻ってくる。阿英の父は、地主にお近づきになりたいと尋ねていく。主人は少々愚鈍な息子の阿勝(李清)に嫁を取らそうと考えていた。阿英の父は地主と親戚になれば、自分たちの行く末も息子の将来も安泰と考え、阿英を嫁にやろうと考える。そこで、阿福が結納品を購入できないようにと、瀬戸物屋と悪巧み。阿福が高価な花瓶を割ったことにして店を解雇するように仕向ける。まんまと策略に引っかかった阿福だったが、村人の協力で結納の品を納めてしまった。そこで今度は、阿福と伯父の畑に火を放ち、収穫できないようにしてしまった。困り果てた阿福は、嫁取りの日を先延ばしにしてもらうよう阿英の父に頼むが、父は聞く耳をもたず、阿英は嫁にやらないと突っぱねる。そして阿福は地主の家に奉公に行くことになる。
奉公先の地主の息子・阿勝は、父の代わりの土代徴収の折、阿福に出会っており、多いに彼を気に入る。そして、実は自分には、かつて地代徴収の時に出会った好きな娘がいて、その娘に畑の耕し方を教わるのだと話す。朝早く家を出て、娘のところに向かう阿勝は、娘・阿玉(容小意)親子に畑の耕し方を習い、精気を取り戻し次第に自信をつけていく。
そこへ地主が阿勝に嫁を取らそうとする。相手はなんと阿英。いやがる阿英に阿玉は思わぬ提案をするのだった・・・。


メディチックに2組のカップルの愛の行くへを追っていく。その大元には封建的社会(もしくは封建的家庭)への反発、狡猾な富めるものと善良な貧しきものの対比、貧しきものの団結という、中聯ならではの構図が見える。最後には「愛は何者にも勝る」。
しかし面白いのは、純粋で少々愚鈍な男たち(張活游と李清)に比べ、女性たち特に容小意の意志の強さや力強さ(実際の力も)が際だっていることか・・・。
2011.4.16@香港電影資料館「人人為我,我為人人:中聯電影」


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