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2011-10-29(Sat)

《愛情在城》

[][]《愛情在城》

鄭君熾、Fernando Eloy、歐陽永鋒、杜健康、黎若嵐、黄婷婷:監督


《百年孤寂》《June》《sofa》《蛋糕》《触電》《冰凍的世界》のマカオを舞台にした6つの短編。つなぎ役にマカオ出身デュオ、Solerが出演している。

《百年孤寂》図書館にかっこいい人がいるらしいと本を借りきた女性が、書架に『百年孤寂』(『百年の孤独』)を見つけて中学時代の淡い恋を思い出す。

《June》1人ぐらしで友人も多くなく恋愛経験もほとんどない洋服屋(仕立て屋)Juneの元に、かつてマカオに住んでいたという男性が尋ねてきて、好意を示すのだが・・・。

《sofa》少々気が強い台湾人女子とマカオ人男子のカップルが、ソファーを車の上に載せて自宅へ運ぶまでに出会う出来事。

《蛋糕》大陸からマカオにやってきた男は、美術館の警備員。ある日、彼のところにブルーベリーチーズケーキが届く。

《触電》屋上で寝起きしている自閉症ぎみの男の子の元に空から不思議な女性が降ってきた。

《冰凍的世界》自分の大切なものをみんな冷蔵庫に入れてしまう男の子が、ある夏、ある少女に出会う。

映画撮影は初めてという人の作品もあり、未熟な部分も多いが、撮りたいという意欲は分かる。中では北京で監督の勉強をしているという女性監督の作品《冰凍的世界》が、もっともよくまとまっていたし一番映画的だった。

監督たちはみなマカオ生まれマカオ育ちだということだが、よそ者の私たちが感じるマカオの風景の美しさ、裏路地の寂れ具合、あるいはカジノきらびやかさやといった風景描写はいたって脆弱で、彼らは風景にあまり興味がないのかと不思議に思う。またカジノ(やホテル)を題材にした人もおらず(ロケの関係で難しいのかもしれないが)、まるでカジノや豪華ホテルがマカオに存在していないかのようだったのも気になる。


マカオを舞台にした映画(香港映画や他国の映画)、マカオ出身の俳優や監督はいても、マカオ資本で制作された映画は実に少なく、マカオは映画産業不毛の地といっていいかもしれない。2008年非営利団体「拍板視覺藝術團」は《堂口故事》(やはり短編を繋いだもの)を制作し好評を得て、第2弾として制作されたのが《愛情在城》。今回はかつてマカオを舞台にした香港映画《b420》を撮った[登β]漢強を顧問の1人に迎えている。また廖慶松(編集)、清水宏一(音響)、關本良(撮影)らが協力。マカオは映画に関する知識や技術の集積がないため、映画制作スタッフを集めるもの大変だとか。

2011.9.29@香港亞洲電影節(The One


■□11年に見た映画一覧□■


2009-10-22(Thu)

《援交》

[][][][][]《塵垢小孩》《指望》《援交》《金魚

《塵垢小孩》

Jung Yu-mi:監督韓国

銅版画のような線のアニメーション作品。捨てても捨てても、トイレに流しても、現れてくる人形(ひとがた)。ごみとも取れるし、うがった見方をすれば捨てられない心の現われともいえるのかも。

《指望》

陳嘉強:監督(澳門

マカオを舞台に、不動産屋に務める女性家出少女出会い。不動産屋に務める女性は母が自分たちのために空けてある部屋を人に貸してしまおうとする。フィアンセには自分たちで新しい家を買えばいいのだと言う。しかしフィアンセにはそんな余力はなさそうだ。少女は家に帰りたくない、路上で夜を明かす。少女の父母は離婚しているらしい。そんな2人がマカオの路上でほんのひと時出会う。

《援交》

廖劍清:監督(香港

ネットを使って客を取っている君と欣。欣はウリはしないと決めていたが、君に諭され始めて客とラブホへ。2人はお金を貯めて北海道旅行をしようと考えていた。しかしつい衝動買いをしてしまう君。お金はなかなか貯まりそうにない。そんな時、君が妊娠してしまう。怒った欣は、君の手帳を引き破ってしまう。君の代わりにラブホへ行く欣をタクシー運転手の父が偶然見かけてしまった・・・。

前作《粤・歸・縁》(id:hkcl:20061006)がよかったので、かなり期待したのだが、いまひとつぴんとこない。たぶん脚本のせい(物語りのせい)だと思う。欣がみかけは不良っぽいが、実は真面目だという設定なのだが、この存在が面白くない。「援交」は問題だと定義するにしても、「援交」やってる子の気持ちは理解できないともっていくにしても、欣の存在の説得力がいまいち。

《金魚》

楊毅恒:監督(マレーシア日本

出演者は日本人で、歌舞伎町を舞台にメイドカフェメイド散歩)の女性と、かつて関係のあった大学の教師の再会。実験的なのか、画面がつねに二分されていた。川端康成短編「カナリヤ」にインスピレーションを受けて創られた作品。カナリヤの代わりに金魚。


2009.10.20@香港亞洲電影節(ifc)


■□09年に見た映画一覧□■


2007-09-30(Sun)

許國明(中)と曾韋廸(右)

[][]《夜了又破暁》

曾韋廸(ツァン・ワイディック)、陳羨玲(チャン・シンリン)、鄭秀歓(エリザ・チャン)、陳兆銘(ハワード・チャン) 許國明(ヴィンセント・ホイ):監督


高利貸しから金を借りカジノですってしまった男、若い彼氏に裏切られた中年女、会社でこき使われる足の不自由な男、深夜にさまよう女性らが過ごすマカオの1夜。


マカオ資本のマカオの映画という珍しさで見たのだが、まず124分もあって長い。もう少し短くして簡潔にしてくれるといいのだが。さらにカジノで金をするのはたしかにマカオならではなのかもしれないが、その他の物語はマカオでなくてもありそうな話しで、マカオである必然性が感じられない。ティーチインで「マカオの夜は昼間の勤め人は知らない世界がある」と監督は話していたが、それは繁華街ならどこでも昼の顔と夜の顔は違うわけで、マカオだけのことでない。マカオならではというなら、そこをもっと追求しないと。なら金をすった男にもっと焦点が行くように出演者についての記述を減らすなりしないと。それにせっかくのマカオは全編夜、景色はほとんど見られないとあっては、さらにマカオである必然性はどこにあるのだろうか。それにストーリーの最後は終わったように見えても、隙だらけで、すっきりしない。幻想なら幻想で、リアルならリアルでどちらかで収拾してほしい。ビデオ撮りということもあり画面もいまひとつ。今後に期待ということで。2007.9.30@百老匯電影中心「香港亞洲電影節2007」


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