結論に導く話術「クローズド・クエスチョン」を使いこなす

「IDEA HACKS!」という本の中で「クローズド・クエスチョン」という面白いキーワードに出会ったので紹介します。
その言葉の意味は「話し相手に返答の幅を与えず、 Yes または No で答えさせる質問」です。そのまんまですね。では、なんのメリットがあるのでしょうか?
それは「会話のベクトルを目的の方向へ向ける効果」を生み出します。(返答の余地がないため、使いすぎると相手に不快感を与えることもあります)
プレゼンで自分の提案に賛同してもらいたい場合などは、まさにうってつけの場面と言えます。最初に結論を語っても、反感や漠然とした疑問を抱かせるだけです。まずは、説明資料などの納得させられる材料をもとにクローズド・クエスチョンを使って結論までの過程を順序立てて説明していきます。結論に至るまでのベクトルを共有できるよう会話を組み立てていくのです。ベクトルの共有が叶った先に結論を語ることで、スムーズに賛同を得る可能性を高めることができるのです。(場合によっては必要な議論さえも排除してしまう可能性があるので、意見を広く求めたい場合には多用すべきではないかもしれません)


さて、このクローズド・クエスチョンの対極にはオープン・クエスチョンというキーワードが存在します。「相手に自由に発想し、返答してもらう機会を与える質問」を意味します。これにはどんなメリットがあるのでしょうか?itoh.comさんのブログによい例がありました。
上司に「どうだ、この仕事はなかなか楽しいだろう?」なんて言われたら答えは決まってしまいますよね。まさにクローズド・クエスチョンですね。こんな時に「今やっている仕事で、君にはどんなところが面白く感じられるかな?」と言われれば、自分が考えた結果を自由に発言する機会を得ることができます。
このように、部下や目下の人の正直な意見を求める場合にオープン・クエスチョンは効果があるようです。また、プロジェクト初期段階の会議などでより広くアイディアを求める場合にも効果を発揮しそうです。さらに、オープン・クエスチョンには会話を広げる効果もあるので、営業先でお客さんと雑談するような時はこれを多用するとよいかもしれませんね。

今まで無意識に使っていた「クローズド・クエスチョン」と「オープン・クエスチョン」を意識的に使うことで会話にアクセントを付けてみてはいかがでしょうか。
夫婦喧嘩した時に「オープン・クエスチョン」で切り返せるような器の大きい人間になりたいものですね。