ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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理系の世界

 やらなくてはいけないことがあり、しかしそれは進まず、さまざまにわいてくるあれこれの関心事もそのやるべきことに圧倒されて中途半端なつまみ食いになり、結局身動きとれぬ状態のままなにもせぬ時が過ぎていく、という状況を少しでも崩すべくブログなどをはじめたわけだが、体調も下降してまたもやなにも書かぬ時間が。
 頻繁に訪れる眠れぬ夜には、まったく分野違いの読書を楽しむしかない(少しでも目下のテーマに関わるものだとよけいに眠れなくなってしまう)。たとえば、加藤文元『物語 数学の歴史』(中公新書、2009年6月)。

物語 数学の歴史―正しさへの挑戦 (中公新書)

物語 数学の歴史―正しさへの挑戦 (中公新書)

以前、同じ著者の『数学する精神』(中公新書、2007年9月)もここでメモしたことがある。
 西洋の数学、インドや中国の数学、和算などそれぞれに発達した「数学」だが、19世紀になって西洋数学が「爆発的な繁栄」を見せる。そこまでの歴史、そしてその「爆発」の過程をクリアな筆致で語っていく。とてもおもしろい。
 もちろん、数式がわからぬ者に本当の「おもしろさ」などわかるはずはないのだけれど、輪郭を優しく手を引いて触らせてくれるような数学や物理の啓蒙書がすごく好きなのである。
 そして、ああ、やっぱり19世紀がポイントなのだ。著者の言うところの西洋数学の「19世紀革命」は、たとえばフランス革命によって「数学研究がサロンを出て、ある程度大衆化した」こと、「数学者のほとんどが、19世紀には研究者であると同時に教育者ともなっていた」ことを背景とする、と著者は言う。なるほど。その時代、フランスでは「エコール・ポリテクニク」が開学し、一方でドイツでは「Lehr- und Lernfreiheit」(教示・学習の自由)の精神のもとでガウスが現れる。『世界の測量』の、あのガウス
 さて、理系の物語といえば『もやしもん』である。強引だが。7月終わりにでた8巻を読む。
もやしもん(8) (イブニングKC)

もやしもん(8) (イブニングKC)

 主人公もその能力も、もはや話の展開にほとんど登場しなくなり、うんちくマンガ化が進行している。今回は、ビールのお話。ムトーが中心となって、大学で「オクトーバーフェスト」開催・・・。ムトーはミュンヘナー・キンドル。ディルンドル姿の女の子もたくさん登場。