アイデアのちから

「知の呪縛」というまとめかたがとても新鮮で納得度も大きかった。
p31「知の呪縛」−いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、うまく想像できなくなる。知識に「呪い」をかけられるのだ。そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。聴き手の気持ちがわからないからだ。
p341からのまとめ
記憶に焼きつくアイデアとは?
臓器狩り、ハロウィンのお菓子、映画のポップコーン
記憶に焼きつく=理解できる、記憶に残る、考え方や行動を変える効果がある
六つの原則:SUCCESs 単純明快さ、意外性、具体性、信頼性、感情、物語
犯人:「知の呪縛」叩き手の役目は難しい
創造性の第1歩は型。SUCCESsチェックリストで呪縛を解く
1.単純明快である
核となる部分を見出す
司令官の意図。最も重要なものを見極める。「最格安航空会社」逆ピラミッド:リードを埋もれさせるな。判断停止の辛さ。絶え間ない優先づけで判断の停止を克服する「経済なんだよ、馬鹿」アイデアクリニック「日光浴」「人名、人名、とにかく人名」
核となる部分を伝える
単純明快であること=核となる部分+簡潔さ。ことわざ:深い意味を持つインパクトの強いフレーズ。目に見える比喩:パーム・パイロットの木片。簡潔なコミュニケーションに大きな効果を持たせるには(1)既にあるものを利用する:既存のイメージの利用。ザボン。(2)明確なコンセプトの企画:「バスを舞台にしたダイ・ハード」(3)創造的類推の利用:ディズニーの「キャスト」
2.意外性がある
関心をつかむ:驚き
安全に関する機内放送。パターンを打ち破る。聴き手の(核となる問題に関する)推測機械を打ち壊す。驚きの眉:情報収集のための小休止。受け狙いの驚きを避ける:「後から理解できる」ようにする。「・・・したノーディー」「木曜日は休校」アイデアクリニック{米国の対外援助は多すぎる?」
関心をつなぎとめる:興味
謎を生み出す:土製の輪は何でできているか?映画の脚本に見る好奇心の生み出し方。好奇心の隙間理論:知識の隙間を浮き彫りにする。次の放送への期待を煽るコマーシャル:「製氷機に細菌が入っていた地元のレストランはどこ?」アイデア・クリニック「資金調達」隙間を生み出す:ルーニーはどうやって大学フットボール番組をファン層以外にも楽しめるものにしたか。長期にわたり興味をつなぎとめる:「ポケットに入るラジオ」と「人類の月面着陸」
3.具体的である
理解と記憶を促す
寓話のような具体性をもたせる(酸っぱいブドウ)抽象的なものに具体性をもたせる:自然管理委員会が生んだ環境保護界の「セレブ」具体的な文脈を与える:アジアの教師の数学教授法。相手を物語に参加させる:ドラマ形式で教える会計の授業。記憶のマジックテープ理論:アイデアにフックが多いほど良い。茶色い目、青い目:人種差別意識を「直した」シミュレーション
協調を促す
エンジニアと製造チーム:双方の理解度が同じになる共通の立脚点を見出す。具体的な共通目標を定める:4−22番滑走路に着陸できる旅客機の開発。現実味を持たせる:フェラーリ一家、ディズニーワールドを楽しむ。具体性が役立つ理由:「白い物」と「冷蔵庫の中の白い物」。相手が知識を発揮できる場を生み出す:ベンチャーキャピタルへの売り込みと茶色いカバン。アイデア・クリニック「経口補水塩療法」データではなく人に焦点を当てる:ハンバーガー・ヘルパーの訪問調査と「サドルバック・サム」
4.信頼性がある
信じてもらう 誰も信じなかったノーベル賞受賞の潰瘍研究。肉食性細菌に汚染されたバナナ
外部からの信頼性 権威者と反権威者。パム・ラフィンの反喫煙広告
内在的信頼性 説得力のある細部の利用。陪審員とダースベイダーの歯ブラシ。73歳のダンサー。統計に実感をわかせる。核弾頭になったBB弾、人間的尺度の原則、職場をサッカーチームに例えたスティーブン・コヴィー。アイデアクリニック:サメに対するヒステリックな恐怖 シナトラテストに合格する事例を見出す。「ここでうまくいけば、どこへ行ってもうまくいくさ」インドの映画フィルム配送:「当社は『ハリー・ポッター』と弟さんの答案を運びました」環境保護者と工場用水を浄化して食べられる布をつくった繊維工場 検証可能な信頼性を用いる。「買う前に試す」肉はどこ?スナップルはKKK団を支援している?スポーツ指導者:褒めるよりけなす方が楽。感情タンクを満タンに。NBAの新人研修「HIV感染の女性たち」
5.感情に訴える
心にかけてもらう
マザーテレサの法則:個人を見たときに私は行動する。アフリカの大勢の人々よりもロキアに寄付が集まる。反喫煙の「真実」キャンペーン:若者が心にかけるのは健康ではなく企業への反発
県連づけの効果を利用する
意味拡張と戦う必要性:薄まってしまった「相対性理論」の意味と「ユニーク」がユニークでなくなった理由「スポーツマン精神」から「試合の尊重」へ
自己利益に訴える(自己利益の底辺部だけに訴えない)
通販広告:「私がピアノの前に座ったら皆笑った・・・」「あなたにこんなメリットがありますよ」テンペのケーブルテレビ:メリットを想像させる。マズローのピラミッド底辺部を避ける:他人は自分より下にいるという誤った思い込み。フロイド・リーとイラクの食堂:「士気を高める責任者」
アイデンティティに訴える
ポップコーン機を断った消防士。アイデンティティに基づく意思決定を理解する(「自分は何者か」「自分はどういった状況にいるのか」「自分と同じような人々はこういう状況でどうするのか」)アイデアクリニック「台数を勉強する理由」テキサスを怒らすな:テキサス人はポイ捨てしない。「知の呪縛」を忘れないこと:ピアノ二重奏財団のように「他人も自分と同じくらい心にかけている」という思い込みを捨てる
6.物語性
行動させる
シミュレーションとしての物語(行動のしかたを教える)
心臓モニターの嘘:看護師はどんな行動をとったか。ゼロックスの職場の話:修理員はどんな行動をとったか。過去の経緯を思い起こす:問題を想像再現して解決する。飛行シミュレーションとしての物語。アイデアクリニック「問題のある学生への対応」
励ましとしての物語(行動を起こすエネルギーを与える)
ファストフードで90キロ減量したジャレド。人を励ます物語の発見法。三つの筋書きを探す:「挑戦」(障害の克服)「絆」(仲良くする、絆の回復)「創造性」(新しい発想)跳躍台となる物語:既存の物語が今後どう変わっていくかを示す物語。世界銀行のスティーブ・デニング・ザンビアの医療従事者。物語から教訓を引き出すことはできるが、教訓から物語を引き出すことはできない。発表内容を物語で要約したら発表者はなぜ怒ったか



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