とらドラ2!

とらドラ〈2!〉 (電撃文庫)

とらドラ〈2!〉 (電撃文庫)

ブサイクなのがチャームポイントで、懸命に開いたくちばしはドドメ色。ベロベロとはみ出す小さな舌は腐った牛タンの色。ちなみに白目を剥いた目は今にも昇天寸前で、人類には理解出来ない危ない鳥的興奮に目蓋がピクピク痙攣中である。

いきなり引用で始まってなんですが、今回はのっけから高須家の愛玩動物で可愛い可愛いインコちゃんの見せ場があります。どうです、可愛いでしょう?

同意を求められても困るという意見は取りあえず脇へ追いやって、「とらドラ!」2巻の感想をまとめたいと思います。

ストーリー?

今回舞台を引っ掻き回してくれるのか、新登場キャラ・川嶋亜美。超絶二重人格の美少女キャラです。えーっと、一体どの方向にこの物語が向かおうとしているのかさっぱり分からない所がありますが、逢坂大河高須竜二の間に割って入って色々やらかしてくれます。
会社とかに良くいるよねこういうタイプ。どう考えても俺の事は毛虫みたいな扱いだけど、営業部の飯田さんの前では気がきいて可愛い女になるっていう・・・なに、俺が悪いって? じゃあ相撲で決着付けようぜ!?
・・・それはともかく、川嶋亜美は意外と奥の深いキャラクターです。どうしようもない笑いネタの中のふとした行動に本当の姿を滲ませたりするのが竹宮ゆゆこ、うまいですね。ただの意地悪二面キャラに収めない辺りが腕の見せ所といった感じです。

ともかく

新キャラ登場で色々とにぎやかなのは確かです。櫛枝実乃梨は1巻の時よりもよりハッチャケつつあり、段々お笑いキャラとしての地位を確立しつつあります。でも可愛いのに笑える変な娘って実は人気あるよね。親しみやすいと言うか、なんというか・・・(遠い目)。まあそんな感じです。
そしてなにより逢坂大河、微妙な行動をとり続けて周りをかく乱し続けてます。いや、読めない。彼女の本気は一体どこにあるのか!? きっと大河本人にすらもはや分からなくなっているに違いないと私は思ったりします。
ですからいわゆるツンデレとかに収まらない得体の知れない魂のグネグネ感があります。いえ、けなしてません。褒めてます。
今回も激情を爆発させつつ周りに被害をばらまきますが、竜二、アンタよくやってるよ・・・! でもちょっと羨ましいぞ・・・! といった感じの2巻でしょうか。

うんうん

読み返してみてもこの感想をを読んだ人に、一体私は何が伝えたいのか分かりません。でも「とらドラ!」が面白いのは確かです。というかこの本に合理的な説明など必要あるのかって感じです。
大体、この年頃の女の子なんて正体不明の固まりです。最近流行った「姉ちゃんの詩集」とか読んでも「ああ〜理解出来ない」という事が分かります。そういうスタンスで楽しめば良いんじゃないでしょうかね、この作品。
今回はラストでもの凄い所で引きます。現在もう3巻は発売されてますんで(4巻もそろそろ?)、3巻までは同時に買ってみるのはありかもね。断然星5つです。このシリーズ大好きなんですねえ、私。

そういえば最後に、もう一人のお気に入りキャラ、恋ケ窪ゆり(29)の見せ場をちょっと引用

「……せんせえはっ、この休みの間にっ、最後の弾を……最後っぽい、弾をっ、撃ち損じましたぁ……っ! だから頑張らなきゃ、仕事頑張らなきゃいけない、でも、でも……いいの! 誰にもわかんなくていいの!」

気持ちは分かる・・・! 分かるぞ・・・! しかしホームルームで生徒を前にこのカミングアウトってどうなのよ! 恋ケ窪ゆり(29)に幸あれかしと祈らずにはおれません。