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2007-03-31

涼宮ハルヒの分裂

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

へへえ、こう来たか〜

といった感じの最新刊ですね。そろそろやるだろうとは思っていたけど、初めて「以下続刊を待て!」というオチの付き方ですね。でも多分上下巻くらいの構成じゃないかと思うので、続きが出てから読むというのも一つの手かもね。

流石に今の段階で色々書くのも何だとは思うので、珍しく続きを読むにしてみようかな・・・? しかし相変わらずキョンの独り語りは無意味にニヒリスティックだなあ・・・これが中二病という奴なのか?

正直なところ

実は今回読んでいて「やられた!」と思ったのは佐々木さんの話し方から何となく男だと思って読んでいて、

「なんか変でキモイやつだな〜」

と思っていたら実は可愛い女の子だったので、キモイと思っていたところがいきなり反転して、

「なんかけっこう萌えるかも・・・」

になってしまったところかな?これは上手いと思った。つーか俺が単純なのかな? あんまりこういった感じのミスリードを誘う書き手じゃなかったと思っていたから完全に油断していたという感じ。

それから、今までの伏線で出ていた人物がおおよそ出そろうとは思いませんでしたね。

で、後半ですが

ストーリーが完全に2本に分岐して語られます。「αルート」と「βルート」ですね。

ここでも備忘録的にまとめとこう。

日時αルートβルート
土曜日夜「あたし」と名乗る謎の人物(キョンの後輩と名乗る女性(?):向こうはキョンを知っているらしい)から電話がある。「佐々木さん」から日曜日に会えないかと連絡がある。大まかなお互いの状況と意思確認をする。
土曜日夜キョン、古泉に電話する。結論「涼宮さんがいるんですから」。キョン、古泉に電話する。結論「くれぐれもご自重ください」。
土曜日夜キョン、長門には電話をしない。キョン、長門に電話する。「九曜については調査中。しかし危険は低く『天蓋領域』と名が付いた」
日曜日とくに何事も無く過ごす。佐々木さん含める上記の第二SOS団の面々と会ってお互いの立場の確認をする。その他には「九曜」と「喜緑さん」との遭遇がある。
月曜日:朝土曜日の事が気になって色々考え込む。ハルヒが1年生勧誘を諦めていない事を確認する。ハルヒにもっと頑張れとつつかれる。ハルヒは寝ている。キョンも居眠りをして昔の佐々木さんとの奇妙なやり取りを思い出す。
月曜日:昼長門と一緒にランチミーティング。「天蓋領域」の名前を知る。長門から周囲を含めて「天蓋領域」からの攻撃を防御する意思を確認する。教室で谷口、国木田の二人と昼飯。佐々木さんについての話をする。
月曜日:放課後明日の小テストについてハルヒからの協力がある。妙な違和感。ハルヒとキョン、ともにさっさと教室を出る。
月曜日:放課後SOS団におよそ10人の入団希望者が現れる。キョンが部室に真っ先に到着。長門の姿がない。
月曜日:放課後入団希望者は11人いた。古泉によると不審な存在は混じっていないとの事。みくるがキョンに次いで現れる。未来についての話をする上で、幾つかみくるの「禁則事項」が消えている事に気がつく。
月曜日:放課後長門は相変わらず部室にいる。ハルヒと古泉が同時に現れる。
月曜日:放課後ハルヒによる入団テストを兼ねた説明会。キョン、入団希望者が一人増えている事に気がつく。女性が一人増えたような違和感。ハルヒとキョンが会話。ハルヒが1年生勧誘を諦めていない事を確認する。入団テストは適宜やるとの事。
月曜日:放課後一人の少女に会った事のあるような、見た事があるような気がする。しかし思い出せない。長門が最後まで姿を現していない事に気がつき、ハルヒが長門に電話。風邪を引いて休んでいると聞き、キョンと古泉、危機感を覚える。

取りあえず新キャラの大まかなまとめ

今回のメインの話は「現存するSOS団とその頂点に君臨する『涼宮ハルヒ』のコピー集団が現れる」という事でいいと思います。厳密な意味でコピー集団ではないのだけど。

名前対存在(推定)過去の伏線以前の登場の仕方キョンから見た特徴
佐々木さん(女)涼宮ハルヒキョンの昔に関わる。なんとなくキョンやらキョンの中学時代を知る人間によって言及済み。中学時代にそこそこ親しかったのはキョンが認める事実。しかし特に男女のお付き合いをしていた訳ではない。非常に理性的で男性のような話し方をする変人ではあるけど、その内面の良識に対してのキョンの信頼はそこそこあるようだ。
周防九曜(女)長門有希謎の雪山遭難事件の首謀者の端末。雪山遭難事件という得体の知れない事件に巻き込まれることで言及済み。奇怪な人物。長門よりも非人間的な存在として有るようで、長門からは「天蓋領域」と呼ばれる長門にもコンタクト不可能な存在。正体不明でキョンは彼女の存在自体を非常に不気味だと感じているようである。
藤原(仮)朝比奈みくる謎の未来人(男)みくるの仕事だったメモリーカードネタで接触済み。以前の接触からキョンにとっての心証は非常によろしくないが、SOS団にとっての古泉と異なり、他の第二SOS団メンバーに対して協調しようという姿勢があまりないように見える。
橘京子古泉一樹古泉と異なる機関の存在(女)朝比奈さん誘拐未遂事件で接触済み。以前の接触からキョンにとっての心証は非常によろしくないが、比較的話が通じる存在ではある。古泉と同じように「佐々木さんの作り出す」閉鎖空間内に侵入する能力をもっており、現在「涼宮ハルヒ」の持つ力は、本来は「佐々木さん」が持つべきものだったと考えていて、同時にそうすべきだとも思っている。

とはいえほとんど新キャラ登場と言って良い展開でしょうかね。

で、ここで問題

  1. この一連のトラブルがハルヒによって起こされたという事が既にキョンによって言及されている事。
  2. 第二SOS団には「キョン」に対応する人物がとりあえず明確には出現していない
  3. 「わたし」を名乗る謎の存在からの電話によって、αルートとβルートが分岐している事。
  4. 長門<情報統合思念体>に対する攻撃のαルート(無)βルート(有)の違い。
  5. キョンが「見た事があるような気がする」新入生が一体何者なのか。

いやあ

とにかく謎解きは別にして、非常に楽しめたのが事実ですね。星4、もう少しで5つつあげちゃうかな。

やっぱりというかなんというか、キョンの語り口に「なんか変な感じ!」という印象をおぢさんは持ってしまうのだけど、それを含めても十分面白かったかな。構成が今のところ見事です。十分に続きに期待出来る感じ。

・・・しかし、谷川流は悲惨だなあ。人気が出たばっかりに私のブログですらここまでまとめたりしてしまうのだから、もっとファンになっている他ではもっとスゴい事になりそうですね。いや、作家冥利に尽きるのかな?

いずれにしても次が早く読みたいものです。

感想リンク

Alles ist im Wandel  booklines.net  今日もだらだら、読書日記。  ライトノベル名言図書館  ラノベ365日

古泉のアレっぽいところに「今日もだらだら、読書日記。」のうららさんの心のアンテナがきっちりと反応している模様。流石だ・・・。

y_arimy_arim 2007/03/31 14:47 はい、ミスリーディングにまんまと引っかかりました。ザ・スニーカーの先行掲載がまた絶妙なところで区切られているものだから、釣られた人は多いでしょう。やるな角川。
第二SOS団にキョンにあたる人物が見当たらないとのことですが、これはSOS団と第二SOS団がキョンを焦点として点対称の関係にあるからだと考えます。つまりキョンは双方にとって同じポジション。ハルヒを選ぶか佐々木たんを選ぶかキョンに委ねるという書き方もなされていますしね。
あとキョンの語りが必ずしも彼の心中を正確に表しているわけではないのがこの作品なので、さてキョンと佐々木たんは、ええ、憤死してきます。

hobo_kinghobo_king 2007/03/31 15:02 >はい、ミスリーディングにまんまと引っかかりました。

へへへ、全くです。

>これはSOS団と第二SOS団がキョンを焦点として点対称の関係にあるからだと考えます。つまりキョンは双方にとって同じポジション。ハルヒを選ぶか佐々木たんを選ぶかキョンに委ねるという書き方もなされていますしね。

これはまさしくそんな感じがしますね。そうすると新入生はどのポジションに来るんでしょうかね? 興味津々というかんじです。
なんか「キョン妹」がモデルになっているような気がするんですけどね・・・なんかちょこちょこ登場の機会もあった事だし・・・。それすらも何かの仕掛けかも、と思ったりも出来ますけど、完全にニューな可能性もありますし。

>あとキョンの語りが必ずしも彼の心中を正確に表しているわけではない

それはそうなんですよね。なのでそこら辺も加味しつつ先を予測していく楽しみがあるというか・・・。
キョンの主観こそがこの作品における最大のミスリードの元、正確な展開を推測し辛くする「ジャマー」ですからね。はてさて「キョン」というノイズ越しに読者は一体どんな「ハルヒ」を見いだすのか? というのが楽しさの秘密でしょうかね。

マキシマキシ 2007/03/31 20:33 私も読んでる限り、眼鏡掛けた理屈先行の男か〜と思ってたら引っくり返されましたよ。
武士言葉を操る女性キャラとか好きなんで佐々木さんの登場は嬉しいです。
今後は同人誌などで佐々木さんの出番も増えてきそうですねw

電話と新入生、2人の謎の少女とかルート分裂(?)も気になりますが
ルートによって違う、ページの上下余白が読んでる間気になりました。

かえるの子はかえるかえるの子はかえる 2007/03/31 21:21 「佐々木さんは小泉くんとキャラがかぶるな〜…」って思ってたんですけど、実は女だとは、僕もまんまとひっかかりました。笑

hobo_kingさんがαルートとβルートの違いを明確にしてくれて、助かりましたw
なんだか読んでる内にややこしくって、何度も読み返しながら読んでしまってたので。。。汗

今回の「分裂」では謎や伏線(2つのルートの存在・電話の少女・新入生の少女)が多いので、次の「驚愕」が本当に楽しみですww

hobo_kinghobo_king 2007/03/31 21:47 マキシさん

>武士言葉を操る女性キャラとか好きなんで佐々木さんの登場は嬉しいです。

キャラ的に好きなんですけど、イラストが正直今イチかなあって気もする・・・動きがあんまりないイラストが好きではないので
そういう意味ではハルヒのイラストはちょっと好みではないんですよね・・・個人的には。
でも「佐々木さん→キョン」のフラグがあるのかないのか判りませんが、その辺りを明確にしないで、安易な三角関係とかに持っていかなかったのは「良く我慢した!」とか思ってしまいましたね。この辺りは不満のある人もいそうですけど、個人的には評価してます。

>ページの上下余白が読んでる間気になりました。

ただ判りやすさのためにやったのか、それとも意味でもあるのか・・・って、流石にそれはないですか。

かえるの子はかえるさん
久しぶりです!コメントありがとうございます(もちろんマキシさんもコメントどうもです!)

>hobo_kingさんがαルートとβルートの違いを明確にしてくれて、助かりましたw

そう言ってもらえると嬉しいんですが、自分が忘れそうだったので・・・(苦笑)
忘れている事が原因で次の巻で「してやられた!」ってなったら悔しいじゃないですかw
それでもなんか裏をかかれそうな気がするんですけどね。

>次の「驚愕」が本当に楽しみです

楽しみですね。
正直、今回の作品をリリースするにあたって谷川流にはそうとうなプレッシャーがかかったんじゃないかと思うんですよね。
だからひょっとして大コケもあるかな・・・って思っていたんですけど、予想を裏切る面白さでした。

たろーたろー 2007/03/31 22:26 今回の作品はなんだか「学校へ行こう」を思い出しました。
あんまり似てはいないんですが。
今回も普通にSFとして面白いですよね。

ちなみにhoboさんが「学校に行こう」が未読なことを百も承知で言っています。
コメントを返しにくいようにする嫌がらせです。

hobo_kinghobo_king 2007/03/31 23:35 ぬう、ロリスキー!コメント返すゼ!

>今回も普通にSFとして面白いですよね。

あんまりサイエンス・フィクションという感じではなくて、ミステリかな?とか思います。
いえ・・・超常的でも現実的かつ科学理論の背景がないから、多分ハルヒシリーズをSFと思って読む人はいないかなとか思ってます。

えーとなんだったかな?

・現時点で超常的ではあっても科学的かつ理論的な裏付けと結論がでるのがSF
・現在の世界において十分実現可能な論理的な裏付けと結論がでるのがミステリ
・そのどちらにも当てはまらず、論理的な結論が存在しないのがホラー

って分類した人がいましたけど・・・。

単純に読み物として見た場合、超常的なハルヒや長門などが存在はするのですが決して論理的な説明はされず、「そうした事ができる」「そういうモノである」という認識が読者の側にあるだけで、「なんでできるのか」「なんでそうしたものが存在するのか」が不明なままですから、強いて言えば「ホラー(恐怖こそないけど正体不明であるという意味においてですが)要素を現実世界の論理になんとか落とし込もうと知恵を絞る人々が出てくるミステリ作品」ではないでしょうか?

・・・シリアスにとらえた場合、「無自覚に世界を改変する事が可能な『超越存在』が理由も判らず存在する」という状況は完全にホラーの領域です。「100万人のジェイソン大乱舞」とか、「クトゥルー神話の『旧支配者』や『旧神』の存在」とかと「ハルヒ」は描写の濃さが違うだけで何も変わりません。「謎の」怪物、「謎の」おぞましい神々と「謎の」可愛い女の子・・・後半が違うだけで、「謎」で説明不可能という意味では完全に同じです。つまりどこまで言っても「謎」がつきまとう限りいつでも不条理な状態に落ち込む可能性がある訳ですよね。

ハルヒの「謎」=「望めばなんでも叶う謎」または「彼女は何者かという存在に関する謎」という「謎状態」を「作品の前提」として受け入れた時点で、この作品はSFではないと思います。そこに「サイエンス」が立ち入る余地が少なくとも既刊の作品に存在しない事は確かだと思います。今後理論的な説明がされる可能性はありますが、少なくともまだホラーです。
なので、雪山の遭難話みたいな、ホラー/ミステリテイストの話と相性が良かったり、するのかな〜なんて思ってみたりして・・・。

結局のところ「涼宮ハルヒとは一体何者なのか」がはっきりした時にこの話が終わるのは間違いないでしょうし・・・。
あるいは別の視点では、ハルヒが便宜的に「神」でありキョン(読者)が「伝道師」の役割を負ったメタ的な「神話創造」ともいえますね・・・。どうでしょうか?

意外に真面目にコメントしてみちゃった・・・。

通りすがり通りすがり 2007/04/04 18:08 グレッグ・イーガンの「宇宙消失」なんかを読むと、ハルヒがどういう存在なのかはおおよそ見当が付いてしまうんですが、ハルヒをハルヒとして純粋に楽しみたいなら読まない方が良いです(笑)

hobo_kinghobo_king 2007/04/04 19:05 >ハルヒがどういう存在なのかはおおよそ見当が付いてしまうんですが、

断固読みたくなってきました!購入がたった今おおよそ決定です。
情報ありがとうございます!

sparkspark 2007/04/06 22:12 ようやく読んだので参戦。
「第二」SOS団と言う言い方はイマイチと思う。
「裏」とか、「逆」ではないかと。
また、地の文は状況説明とキョンの言葉と想いがゴッチャになっているのでわかりにくいね。
どこかで言及したが、特にアニメ版で強く思うのだが、
「うる星やつら」でのメガネ。(もっと言うなら押井監督作品での千葉さん)のモノローグに似ている。

もっと注目すべきは九曜のキョンに対する台詞
コレによってキョンの重要度が増した。

hobo_kinghobo_king 2007/04/07 00:02 y_arimさんも同じような指摘をされていますね。そう言えば。
裏モノですか、へへへへ。

>「うる星やつら」でのメガネ。(もっと言うなら押井監督作品での千葉さん)のモノローグに似ている。

こらまた懐かしい名前を・・・。

うららうらら 2007/04/07 11:21 いつのまにか心のアンテナの捕捉っぷりを捕捉されてしまいましたw

今更ですがルートのまとめ、感想書く時に参考にさせてもらいました。これは何らかの形でまとめないと結構混乱しますね。わかりやすい図表をありがとうございます〜。

hobo_kinghobo_king 2007/04/07 14:42 やー、うららさん、コメントありがとう〜!これでまた一日生きて行けます。

>これは何らかの形でまとめないと結構混乱しますね。わかりやすい図表をありがとうございます〜。

本当に後半を予想するならキーマンの発言をピックアップしておく必要位はありそうですね。sparkさんが上で言っているように九曜の発言集とか、そこら辺ですかね。

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