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2009-06-07

2009年4月の新刊おすすめ

4月ももう丸々一月以上前になるのか・・・光陰矢のごとしとはまさにこのことですね。

なんだか忙しすぎたせいか記憶が曖昧ですもんな。ブログに感想書いてなかったらどんな本を読んだのか忘れてしまっていそうです。うん、ブログやってて良かった。

5つ星

楽しみな作品がそのまま大当たりだったという感じですね。

BLACK BLOOD BROTHERS(10)

BLACK BLOOD BROTHERS10 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― (富士見ファンタジア文庫)
BLACK BLOOD BROTHERS10  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― (富士見ファンタジア文庫)あざの 耕平

富士見書房 2009-04-20
売り上げランキング : 4721

おすすめ平均 star
star楽しかった日々、しかしそれも彼女には届かない・・。
starひと月末楽しさ

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感想はこちら

圧倒的な展開で他の追随を許さない正統派現代ファンタジーノベルの10巻です。盛り上がりまくりですよ。

文学少女”見習いの、初戀。

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)
“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)野村 美月  竹岡 美穂

エンターブレイン 2009-04-30
売り上げランキング : 2872

おすすめ平均 star
star成長した井上心葉と、“文学少女”見習いの日坂菜乃の、悲劇と悲恋の物語
star次の巻も楽しみ☆
star正統派の番外編

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”文学少女”の去った後の空白期間を埋める作品です。相変わらず人の心の根っこを覗き込むような作風は健在ですね。

4つ星

もうちょっと読む本の冒険したかったなあ・・・。

MIB

MIB (電撃文庫)
MIB (電撃文庫)柏葉 空十郎

アスキーメディアワークス 2009-04-10
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おすすめ平均 star
star普通
starメイド・イン・ブラックとはね…

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宇宙人? いやメイドだ! という感じの作品ですが、なんというか裏山冒険作品みたいなローカルな雰囲気がとてもいい良作です。

ソードアート・オンライン(1)アインクラッド

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)川原 礫

アスキーメディアワークス 2009-04-10
売り上げランキング : 106

おすすめ平均 star
starすこし残念
star面白いですよ
starネトゲ好きなら買って損は無し!

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アクセル・ワールド」の作者による別シリーズですね。以前から話題になっていた作品でもあります。安定した楽しさを提供してくれると思いますよ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈3〉 (電撃文庫)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈3〉 (電撃文庫)伏見つかさ  かんざき ひろ

アスキーメディアワークス 2009-04-10
売り上げランキング : 525

おすすめ平均 star
star批判されてるなぁ…
starこの妹は可愛くない
starあまりにも苦い

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一世を風靡した例の問題作ももう3巻。テーマは妹+ケータイ小説です。個人的に主人公と気が合う(?)ので私は好きですが、ワナビの人にはちょっと辛い内容になってるかな?

カンピオーネ!(3)はじまりの物語

カンピオーネ!〈3〉はじまりの物語 (集英社スーパーダッシュ文庫)
カンピオーネ!〈3〉はじまりの物語 (集英社スーパーダッシュ文庫)丈月 城

集英社 2009-03-25
売り上げランキング : 4278

おすすめ平均 star
star7人目の「神殺し」誕生の時
starあれ?あれれ?
star今までのカンピオーネが好きな人にはお勧めします。

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やっと語られることになった始まりの物語ですね。カンピオーネこそ出てこないものの、相変わらずの「神話の蘊蓄で読者を楽しませる」という希有な楽しみを提供してくれる作品でしたね。

もふもふっ 珠枝さま!(3)

もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)
もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)内山 靖二郎

メディアファクトリー 2009-04
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感想はこちら

となりの妖怪さん、とでも言うべきご近所妖怪ノベルですが、相変わらずのクオリティで楽しませてくれます。ずっと続いて欲しいシリーズだなあ・・・。

ダン・サリエルとイドラの魔術師

神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師 (GA文庫)
神曲奏界ポリフォニカ ダン・サリエルとイドラの魔術師 (GA文庫)あざの耕平  カズアキ

ソフトバンククリエイティブ 2009-04-15
売り上げランキング : 17651

おすすめ平均 star
starプロフェッショナルということ
star面白い!

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ポリフォニカシリーズから久しぶりのおすすめ作品・・・というかシリーズですね。ポリ銀とでも言えばいいのか分かりませんけど、あのあざの耕平が楽しいシリーズを作ってくれていますよ。

うーん

4月は絶対的な読了数が少ないので、掘り出し物が無かったなあ・・・。時間が無いことにはどうしようもないわけですけど、上手いこと時間のやりくりをして、読める冊数を増やしたいものです。

2009-05-22

BLACK BLOOD BROTHERS(11)

ストーリー

終わらない物語は存在しない。

それはこの物語においても例外ではない。あらゆるものがそこに向かって駆け抜けていく――それぞれの終わりへと。願い、祈り、想い、怒り、愛、そして憎しみの全てを包含して、彼らは戦い抜けていく・・・そして、それぞれが求めたそれぞれの答えを得る時が、遂にやって来た。

一体誰が何を得て、一体誰が何を失ったのか。全ての答えがここにある――。

BLACK BLOOD BROTHERS」という、二人の吸血鬼の兄弟と一人の少女の物語の答えが、ここにある。

「もしも」

という言葉が許されるのであれば、なんども唱えたくなる程の「もしも」が言いたくなる物語の終局でした。

もしも、あの時。もしも、この時――ひょっとしたら別の未来が、あるいは別の運命が――なんて、どうしようもないことを読みながら何度も考えました。

誰もが必死に走った。必死に走り抜けた物語。でも、ああ、終わってしまった――彼らの物語は終わってしまった!

私は、後悔とも満足感とも言えない不思議な感覚に包まれるラストシーンに胸を打たれて、しばらく身動きが出来ませんでした。

予想していた通り

と言える展開だったかも知れません。

いつも脳天気な弟が、そのときばかりは真顔で言った。

自分は、太陽の下でも平気だし、十字架も怖くないし、ニンニクもへっちゃらな上、お風呂が大好きだ。彼とは何もかも正反対だ、と不思議そうに。不安そうに。

兄弟なのになんで、と尋ねるので。

兄弟だからですよ、と彼は答えた。

兄弟だからこそ互いの欠点を庇い合えるように、互いに助け合って生きていけるように、二人の闇の母が知恵を絞ってくれたのだ、と。

頼りにしてますよ――

彼はそう言って弟の頭を撫でた。

弟は彼の答えに満足そうに笑ってくれた。

おそらくはもう長くない、残りわずかな時間。

最後まで嘘を吐き通そうと、その時に決めた。



怒るのだろうな。

そう思うと、少し、おかしかった。

ありとあらゆる伏線の収斂した先にこの物語の展開はありましたが、やはり、どうしても不思議なしこりが残りました。

人そして吸血鬼、その誰も彼もが満足していたとしても、読者である私の心の中にはどうしようもないしこりがわだかまりました。それは不満ではありません。「もしも」を許して欲しいのに、物語がそれを許してくれないという、どうしようもないやるせなさとでも言うべきものでした。

誰もが

全力で走った最終巻でした。

必死でないものは一人としていませんでした。後悔など残しようがないと言うほどに全霊の力を出し切って物語を通り過ぎていきました。それは不平不満を許すようなものではありませんでした。

だからきっと私も満足なのでしょう。・・・もし一つだけどうしようもない不満があるとすれば――この素晴らしい物語がここで終わってしまったというその一点に尽きるのかも知れません。もっと、見ていたかった。彼らの生き足掻く姿を見続けていたかった。そして自分の生きる糧にしたかった。そんな不満とも言えないような不満だけが残っています。

総合

多く語る必要はないでしょう。星5つ。

ジロー、コタロウ、ミミコ、カーサ・・・いえ、どの登場人物についても言っておきたいことがあるような気がしますが、それを言葉にするのはきっと野暮ということになるような気がしています。

みんながみんな、自分の出来るだけの事を全て出し切った結果がこの結果なのですから、読者としては何も言わずに飲み込むべきなのでしょう。それは決して不味いものではないどころか、最高の美味である料理みたいなものなのですから。だから私も、今この時の満腹な読了感に包まれたまま、感想を締めくくりたいと思います。

・・・でもあざのさん、あのあとがきだけは卑怯ですよ・・・彼らの物語が読みたくなってしまうじゃないですか! ・・・ねえ? どう思います?

感想リンク

2009-04-19

BLACK BLOOD BROTHERS(10)

BLACK BLOOD BROTHERS10 —ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣— (富士見ファンタジア文庫)
BLACK BLOOD BROTHERS10  —ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣— (富士見ファンタジア文庫)あざの 耕平

富士見書房 2009-04-20
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ストーリー

あの日、あの時、1997年の香港で一体何があったのか。

遙か昔に始まった話のようでいて、つい先日始まった話のようでもある香港前夜の一幕——。そしてその述懐は、今の「特区」に確かに繋がる一幕であった。それを語るのは・・・黒蛇。過去、現在、未来と繋がる全てが収斂して一人の吸血鬼を作り上げ、そしてそこから生まれるべくして生まれた新しい血統——その謎が遂に明かされる。 

その告白に呼応するように、ミミコが、コタロウが待ち焦がれた彼が帰ってくる——! そしてそれは反撃の狼煙を上げることに他ならなかった!

濁流のように人を飲み込みながら更に加速する物語はもう誰にも止められない! 「BBB」シリーズの最新刊が堂々と登場です。

カーサ、カーサ、カーサ!

ああ、なんという希望と絶望! なんという出会いと別離! なんという愛と憎しみ!

物語前半部分で語られる「香港前夜」はまさにカーサの在り方を真っ直ぐに描き出した内容となっています。カーサ・・・ひょっとしたらこのBBBという物語は、彼女の為にあったのかも知れません。

運命、宿命、血の導き、脈動——どんな言葉で言い換えたとしても、恐らくカーサ本人にしか分からないその葛藤は、読んでいるだけで胸が苦しくなります。あの日、あの時、誰一人として望まれない者は存在しなかった・・・ただ世界が編み出した道筋が少しだけ、多分少しだけ・・・全ての者にとって優しい訳ではなかった・・・ということなのでしょう。

カーサ。黒蛇カーサ。忌み子。異端児。混血児。しかし恐るべき使い手であり、そして何処までも孤独なカーサ。成るべくして九龍の血に染まったカーサ——。私は、彼女に惹きつけられざるを得ません。言葉に出来ない五百年の想い、伝える術のない百年の想い。そして「九龍の血の秘密」——その全てがカーサを染め上げます。琥珀色のランプに照らされて揺らめく世界の中、彼女は一人何を思うのでしょうか——。

そして遂に

立ち上がるべき者が立ち上がります。

カンパニーにおいて「乙女」として多くの黒き血を持つもの達に一目置かれる存在となったミミコは、たった一人を待ち続けています。それは最早誰のことだと言う必要もないあの人ですが・・・ミミコはその時を一人待っています。沢山駆けつける援軍の中、そして世の中の動きがカンパニー側に傾き勢いづく中、それでもたった一人を待ち続けています。

その人物が、遂に愛刀を片手に立ち上がるときが来たのです。

「——我ら『賢者イヴ』の血族は、現時点をもって、『九龍の血統』に宣戦する」

待ち焦がれた我らが望月ジローの帰還です。

・・・この一文を読んだときの快感、あるいは胸の疼きのようなものは決して未読の人には伝わらないでしょう! 始まるのです。待ち焦がれた戦いが——いや、命と誇りと意地と血を賭けた大博打とでも言うべきものがこの瞬間をもって開始されたのです。

血が沸き立たないはずがありません。それは例えばミミコにとっては間違いなく人生をひっくり返すだけの価値がある一大事でしょう。彼女はジローの帰還を合図に、必死になって走り出します。「乙女」として? いいえ、ただの葛城ミミコとなって、特区へとひた走るのです——。

総合

多くを書いても仕方ありませんね・・・星5つ。

誰も彼もに感情移入してしまった結果、読んでいる最中も、読了後の今この瞬間をもってしても、私の気持ちはまるで溶けた飴のように定まりません。語られた想い出が作り出した琥珀色こそ残りはしたものの・・・そんな情景にどうこうと解釈や解説を付けるのは野暮というものでしょう。

最早私にとって、この物語において誰一人として「ただの敵」はいなくなりました。そこには生きるべく足掻く美しき生き物たちが必死に今を駆け抜けようとしている様があるばかりです。願わくば、彼らの行く末に大いなる「母なる海」の優しさがあらんことを——。

感想リンク

2008-10-23

BLACK BLOOD BROTHERS (S)(6)

BLACK BLOOD BROTHERS(S)6 —ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集— (富士見ファンタジア文庫 (あ-2-4-6))
BLACK BLOOD BROTHERS(S)6  —ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集— (富士見ファンタジア文庫 (あ-2-4-6))あざの 耕平

富士見書房 2008-10-20
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ストーリー

月が、冴え冴えと輝いていた。

その夜の女神の光は、生きとし生けるものにあまねく降り注ぐ。赤い血を持つ生き物に、そして——黒い血を持つ生き物にも。ここは特区。世界で唯一人間と吸血鬼が共に歩んでいる奇跡のような街。

この話はその特区のある日々を「愛」を合い言葉に切り取った物語。

BLACK BLOOD BROTHERS、最後の短編集です。

いやあ

正統派で来ましたね、というのが最初の感想でしたね。

この短編集で切り取られている時間は本編でいうところの6巻のちょっと前の時間ですね。ジローやコタロウはまだミミコと一緒に街で暮らしていて、九龍の一族の侵攻が本格的に始まる前の話です。

嵐の前の静けさという訳でも無いのかも知れませんが——もし、大海の大波の中に漕ぎ出した旅人が振り返ったとするならば、この日々はまるで満ち足りた波止場の優しい夜のように感じるに違いありません。

それはしかし、もちろん何事もないという事ではありません。白刃が煌めき、牙が疾る——しかし、穏やかな日々なのです。

私としても

感慨深く読んでしまいましたね。

我々は彼らに待ち受ける激動の日々を知っている訳で、これが最後の休息だと言うことも知っている訳で・・・いつまでも続けばいいのにと思う傍らで、最高潮に達しつつあるドラマの終着点を求めたりしている。貪欲ですねえ、読者は。

そうそう、この話は「S」のつく短編集扱いになっていますけど、実際の所は短編ではなくて一つの続き物の話です。特区を訪れる一人の古血(オールドブラッド)。ジローの事を知っていて、さらには「カンパニー」から離れたミミコを頼ってやってきた一人の女性。そして彼女を追うようにして現れる暗殺者たちの蠢く話でもあります。

でも、「愛」の話なんですね。どんなに血なまぐさくても、この話は愛の話なのです。

本編に

こんなセリフが出てきます。

「その通りよ。あなたはわたしを愛しているの。わたしがあなたを愛しているように」

なんだかよく分かりませんが・・・読者の作品の関係を何となく思い浮かべてしまいました。私がこの物語を愛するように、この物語にも私という読者を愛して欲しい。そんな風に思ったからです。

私は多分もうこの話に対して失望とかすることは無いのかも知れませんね。完結さえしてくれれば。愛って、きっとそういうものなんだと思ったりして・・・。

ところで

今回も例の書き下ろし短編がついているんですが、いやあ、凄いですよ今回は。

「どれ、ひと口囓ってみるか」

まあなんというかいつも通りのカーサの気まぐれというか、退屈しのぎというか、退屈だからキスでもしましょうというセカンドチルドレン的な何かの結果、まさしくその最中をアリスに目撃されてしまうという——え〜、人間で言えば愛人と一部合体中に奥さんが帰ってきたというか、そんな感じ?

「それで——」

と、あくまでも笑顔のまま視線を手元の紅茶に落とす。


「——いつからなの?」

ひっ、ひいいいいいいいいぃぃぃぃいいいいぃぃぃぃいい・・・・!

なんつっても100年分の疑惑ですからねえ・・・! 読者としてはカーサ→ジローが結構微妙な関係だと言うことを知っているので、この笑顔の質問は鬼のように怖いです。

さて、この浮気疑惑の行き着く先は一体どうなるんでしょうかね・・・って思ったら、おやおや、意外なところに・・・。

総合

星4つかな?

やっぱり本編と比べるとドラマ性という意味でどうしても見劣りしてしまうんですが、それでも十分に面白い。相変わらずというと語弊がありますが、ジロー、コタロウも、ミミコも、ケインも、セイも・・・とにかく特区の面々が実に元気よく動き回ってくれます。

上でも書いているとおり書き下ろしも読み応え抜群だし、不満らしい不満は無いと言っていいですね。

しかし・・・この話があと長編一冊で終わりかと思うと、どうしても惜しくなってしまいますね。いや、幕引きには悪くない時期だとは思うんですよ? それでも別れが惜しくなってしまいます。こういうシリーズにあとどれだけ出会えるかなあ・・・。

感想リンク