◎23の『耀天記』は神道大系が出典になっていますが、神道の文脈においてはどのように用いられているのですか。神仏習合の側面で、仏教関係の書物も入っているのでしょうか。

誤解があるかもしれませんが、神道の歴史のなかでいえば、近代の神仏分離以降の「純粋な神道」が異常なのです。近世以前は、伊勢神宮を除き神仏習合が当たり前の状態なので、中世の神道関係の書籍などは、みな仏教的要素、儒教的要素、中国的要素が混入しています。『耀天記』は、授業でもお話ししたとおり、中世山王神道の要諦をまとめた極めて重要な書物です。