キャロル・グラックは、「後期近代」についての定義で、帝国主義や全体主義、全面戦争を経済成長を阻むものであるとしていますが、特需などを考えると反例になるでしょうか?

グラックの発想としては、帝国主義全体主義の闘争の結果として全面戦争に至る、この点が問題です。特需というのは、自国が平和状態に置かれ、経済的関係においてのみ戦争に参加している状態で生じる事象でしょう。全面戦争に至ったならば、特需も何も、人的資産も物的資産も消費される一方で、場合によっては領土さえ失う、国家機構自体が毛壊滅してしまう場合もある。経済成長になど、到底至りません。