シャーマンが存在しない文化でも神話はできるのでしょうか?

他地域で創出された神話が権力をもって導入され、浸透させられるという場合はあるでしょうね。日本近代に起こった廃仏毀釈、神社合祀などはまさにそうした動きで、地域に長い時間を経て培われてきた多様な信仰が、画一的な近代神話の強制によって多く破壊されました。現在列島各地に存在する神社はそうした事件を経てきたものなので、そのまま古代に遡るものではない点、注意が必要です。それでも、強制をかいくぐって地域のシャーマニズムアニミズムが発動し、画一的神話をさらに更新してゆく事例なども、存在したと考えられます。上に挙げた天理教大本教などは、まさにそうした近世神話の読み直し、近代神話への抵抗とも解釈できるでしょう。