法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-15 折れた翼

〜翼がないことが特徴のガンダムにふさわしいサブタイトルなのかどうか〜
相手の消耗を強いて鹵獲する計画ゆえ、画面の高揚感は低いが、放映時間ほとんどを使ってメカ戦闘を描写しただけの満足感はあった。空対空ミサイル、爆撃、遠距離からの砲撃、ガンダム的な鹵獲専用機械と、敵側の攻撃が多彩。時間経過による変化もある。おかげで、ほぼ同一の舞台で地味な戦闘が続いたわりには飽きなかった。
アバンタイトルでグラハムが「ガンダム」と呼びかけた直後、OPのガンダムがたたずむ絵に切り替わる流れも、素直に格好良い。


しかし、ガンダム側に新兵器が投入されて危機を脱する結末は、前振りや伏線が少なすぎて感心できなかった。存在はOPで明かされているため、逆に驚くこともできない。
今回に限らないが、もう少し説明を入れるだけで余計な違和感を減らせると思う場面が多い。


メカ作画監督大塚健担当で、原画に橋本敬史、阿部宗孝、阿部邦宏。リメイク『ヤッターマン』で素晴らしい作画を披露したばかりの橋本敬史登板には驚いた。
ミサイルの爆炎や、いくつかあった格闘作画が良好。しかし万遍なくメカを見せようとして、投入された作画リソース以上に突き抜けた場面は少なかった。

『仮面ライダー電王』最終話 時をかける電王

特撮TV番組の常として、予算不足を感じさせる大味なラストバトルではあったものの、思わぬ再登場等のサービスが行き届いていて充分に楽しめた。
これまでの積み重ねがあるため、未来へレールが繋がる場面も地味な映像ながら熱さがあった。


クウガ』から再開した仮面ライダーシリーズでは、序盤から最終回まで全編高いテンションを保って完結した数少ない作品。コメディタッチなおかげで物語の幅が広く、多少の御都合主義も許せた。
どんでん返しがその場しのぎの盛り上げでなく、きちんと伏線が張られ、ドラマと密接にからんでいたのも好感度が高い。
小林靖子メイン脚本による特撮番組らしく時間移動を扱った作品だったが、並行世界、ループ、記憶と、それぞれの作品で扱い方が違っていて、その変化自体も楽しめた。

『ゲゲゲの鬼太郎』第39話 ぬらりひょん最期の日

予告のエフェクト作画で描かれた頭髪攻撃で気づいていたが、西田達三がクライマックス戦闘の原画を担当。
手が早い代わり必ずしも良い出来ではない出口としお一人原画作監に、キャラクターを似せる気が皆無な西田原画が投入され、気分は放送事故寸前。
アップとロング、FIXとPANを使い分けた空中戦、そして殺陣の緊張から指鉄砲で勝利するカタルシスは相当なもの。これぞ作画アニメといったものを堪能した。


しかし『ゲゲゲの鬼太郎』における三条陸脚本ではいつもだが、アニメやマンガからのパロディが多いのは首をひねった。小道具に使うくらいの遊びは良いのだが*1、ここまでスケールを小さくして良いのだろうか。
少年漫画や『ガイキング』では同じようなパロディ的展開でも、王道パターンを踏まえて進化させることで楽しませてくれたのだが……


あ、「?」すらつけず、しれっと嘘をついたサブタイトルもどうかと思ったよ。

*1:たとえば先々日の『ドラえもん』で、原作は普通の魔女っ子アニメだったのを、『プリキュア5』と藤子Fキャラを合わせたパロディにしていたようなのは許せる。