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法華狼の日記

2008-06-26 科学や歴史でジェンガを遊ぶな

[][][]語るに落ちた漫画家と、被害者を無視する人々と

先のエントリ*1に対するはてなブックマークで、色々と歴史修正主義疑似科学の同質性を過小評価するようなコメントが見られたので、簡単に返信。

はてなブックマーク - 人類月着陸の事実さえ「今でも議論の最中にある」 - 法華狼の日記

2008年06月25日 nichijo_1 お花畑 「南京大虐殺は議論の最中である」は,「南京大虐殺がなかったと言った」に変換されるらしいよ.歴史修正主義と親和性があるお花畑の事を言うなあ.

カギカッコを使うなら、要約ではなく正確な引用にしてほしい。「南京大虐殺がなかったと言った」などと誰が書いているだろうか。

なぜ「議論の最中にある」という発言が疑似科学を半分信じていることになるかはエントリで説明し、D_Amon氏の「天動説地動説は今でも議論の最中にある」という比喩で端的に説明されているのでくりかえさない。

そもそもnichijo_1氏は「南京大虐殺は議論の最中である」という主張が妥当だとでも思っているのだろうか。もしそうだとすれば現実認識能力がないことを示し、さらには戦争犯罪被害者を傷つける行為に他ならない。

「歴史修正主義と親和性があるお花畑の事を言うなあ.」にいたっては全く意味が取れない。

D_Amon氏の比喩に対する否定意見も出ているが……

2008年06月25日 khwarizmi 社会 ↓天動説と地動説は現代だと記述の問題でしかないので,「南京大虐殺」がそういう止揚される部類の問題だと思うのでなければ例としてあげるのは不適切だと思うよ

2008年06月25日 torin 揉め事 例え話地獄の香りがしたんで飛んできました!/↓天動説は誤りだとさらっと言ってしまう人が多いよなあ。宇宙に絶対座標があると信じてるのかしらん>地動説が正しく天動説が誤りという明白な事実

疑似科学を批判する文脈において、地動説は太陽が中心という考えではないはずだ。地動説が正しいとされていった過程から考えると、コペルニクス惑星の軌道計算が簡易化できると地動説を提示して天動説は否定しなかったし、ガリレオ木星衛星を発見したことも全ての星が地球の周囲を回っているという天動説への反証となった。つまり地動説とは、地球を中心として考える天動説への批判だ。

もちろん相対的に考えれば、地球が太陽の周りを回っていることと太陽が地球の周りを回っていることは両方とも正しい認識だ。しかし、だからといって天動説と地動説の両方が正しいということにはならない。むしろ「宇宙に絶対座標がある」という信仰への批判こそが、地動説の根幹といえるだろう。

2008年06月26日 guldeen media, マスコミ 見出しに付いて言えば、すでに『月震計』は設置されている事実を知ればそれでFA。毎日のWaiWaiが閉鎖に至ったのは本文指摘の一点だけが原因ではなく、多くの「書き飛ばしゴシップ」をウラ取り無しに掲載したから。

月震計の設置一つで月着陸否定論者が引き下がるという認識が甘い。機材の類いが月面に残されていても、送られてくる信号が捏造だとか、設置は無人でも可能だとか月着陸否定論者は反論する。南京事件でも日本側の資料だけで虐殺の存在が示されるのだが、歴史修正主義者はあきらめず中国米国の捏造と主張する。終了した論点を工夫もなく蒸し返すからこそ、疑似科学であり歴史修正主義なのだ。

また、閉鎖という対応を過剰と考えた理由は、南京大虐殺の一点に限定してなく、他報道機関との比較が主だ。

2008年06月26日 bunoum 「六本木富裕層レストランでメス豚を獣姦してから食べる弁護士」「成績を上げるために息子と性的な関係を持つ母親」の話の信憑性は「今でも議論の最中にある」と言ったら歴史修正主義になっちゃうのかしら。

関係がありそうでない話を始めるという、代表的な詭弁の手法としか見えないのだが……でこくーる氏の主張が歴史修正主義に与するものであるという指摘に対し、反論できないと考えてよろしいだろうか。


比較のため、でこくーる氏ブログのはてなブックマークを見ると、驚くほど賛意ばかりが並んでいる。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://decocool.seesaa.net/article/101450939.html

2008年06月26日 guldeen これはひどい, マスコミ, media 偏見報道のとばっちりを受けた話をブログに書いたら当の新聞社から「ブログに書くな」と圧力を受けたでござる、の巻/サイゾー側も「引用されたような文言は、こっちの記事には載せてない」とか言ってきてるし。

いささか結果論だが、「偏見報道」ではなかったようだ。

2008年06月26日 bunoum マスコミ 「○○にどんな迷惑がかかったのか?ブログに書くな」これは使える/これからは「HENTAIニュース新聞としては日本最大最古の毎日新聞」「社長がHENTAIニュース担当部署出身の毎日新聞」とか長い形容詞でもつけるか

他の問題となっている記述に対しても「今でも議論の最中にある」という仮定が成り立つなら、その長い形容をつける意味がわからない。


もちろん、事実誤認や圧力を批判するのは間違ってないと考える。誤読の多い批評や感想に対して閉鎖以上の対応を求めることは難しいと思うが、作者や読者からすれば自然な気持ちだろう。しかし、でこくーる氏自身は誤読に対して「ついでに言うと」と補足口調で語り、必ずしも本題ではないように見える。

やはり本題は「防衛省や弘済会に対する公的な謝罪は無いんですか?」と、削除以上の対応を要求した部分ではないか。その謝罪要求した根拠が「今でも議論の最中にあるような内容に関する、扇情的な表現を殊更選択使用するのはいかがなものかと思います」なのだから、自分から「パールハーバーと南京大虐殺の後継」と告白しているようなものだ*2「後継」という表現を拒否したいなら、でこくーる氏は戦争犯罪を歴史的事実と認め、旧日本軍を批判するべき立場だった。

*1http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080624/1214352762

*2:解説マンガという形式からして、依頼側と漫画家は一定の共同責任があると考える。

Sonae-GuySonae-Guy 2008/06/27 15:58
はじめまして。いつもサイトを興味深く閲覧させて頂いております。
一連の記事に目を通しましたが、どうにも拙速な印象を受けます。
まず先にでこくーる氏に真意を問い合わせた方が早いのではないでしょうか。
というのも、まだ解釈に曖昧な部分が残っているように思えるからです。

>>全部『サイゾー』さんからの引用ということにしている「パールハーバーと
>>南京大虐殺の後継である政府省庁」という表現ですが、私はこの表現は今回
>>初めて目にしましたし、個人ブログから各マスコミ媒体までを通観しても、
>>仮にも「新聞社」の名前でこうした今でも議論の最中にあるような内容に関
>>する、扇情的な表現を殊更選択使用するのはいかがなものかと思います。
>>防衛省さんに正式に謝罪があってもいい表現だと思います。しかも海外に向
>>けて発信しちゃったわけだし。

でこくーる氏のブログ中のこの記述にある「議論の最中にあるような内容に関
する、扇情的な表現」が、「パールハーバーと南京大虐殺の後継である政府省
庁」であることは確かですが、「議論の最中にあるような内容に関する」が
『南京大虐殺』に掛かっているかどうかは確実ではないように思えます。自分
は、「パールハーバーと南京大虐殺の『後継である』」という部分において議
論がある、ということだと認識していました。自衛隊が戦前の日本軍の文化・
価値観・行動規範をそのまま継承しているかどうかについてはかなり意見が割
れる・・・という主張だと解釈したわけです。(といいますか、防衛省の解説
マンガを描かれるような立場の方が、南京大虐殺について「議論が分かれる」
という主張をウェブ上で行うことはあるまい、という信頼ですね。まあ、この
信頼自体が非常に情緒的なものではあるのですが)

法華狼氏が受け取ったような読み方も可能かとは思います。しかし、上記で引
用した文章のみでこれを断定することは、却って相手側の主張を印象操作しよ
うとしている、と受け取られてしまいかねませんし、その後の議論を見る目そ
のものが一種の反日フィルタを通したものに変質してしまう危険性を孕んでい
ると考えます。法華狼氏の危惧そのものは理解できるのですが、あと一歩引い
た立場から言及を行うべきだったのではないでしょうか。

また、一連のエントリでの論点からはズレますが、毎日新聞がでこくーる氏に
口止めを依頼したが如き対応については、やはり非難の対象となることはやむ
を得ないと思いますし、そうした対応について公開がされたことは妥当と思い
ます。

※もちろん、でこくーる氏の主張だけで、毎日新聞が一方的に悪いかの如く扱
 われることに違和感もあるのですが・・・。ただ、毎日側が対応に失敗した
 ことは事実と思えます。自分たちが「報道」されることについてあまりにも
 無頓着と言わざるを得ません。


とはいえ、

>>あくまで一部署の作っていたサイトであり、たとえば性風俗の記述に関して
>>はポータルサイトiza!で未成年アイドルの水着オーディションを行ったりホ
>>スト情報を話題にする産経新聞*1という例もあり、特別に批判するべきか疑
>>問がある。批判も閉鎖も過剰反応ではないだろうか。

この主張に関しては法華狼氏に頷ける部分もあります。恐らく、今回の防衛省に
関わるニュースがなければむしろ「どこの東スポだよ」程度のツッコミで終わっ
ていたのでは・・・と思いますし。(まあ、それでも貶められている、と感じた
人は噛み付くのかもしれませんが)ただ、メディアや政治全体が「反日」という
フィルタによって疑惑の目を向けられる昨今の情勢下でこうした記事を見つけら
れれば、こうした対応を取らざるを得ないのも仕方が無いのかもしれません。
(少なくとも、放置することは出来ないでしょう)

hokke-ookamihokke-ookami 2008/06/30 23:45 Sonae-Guyさん、はじめまして。
>まず先にでこくーる氏に真意を問い合わせた方が早いのではないでしょうか。

コメント欄がコメントであふれかえっているためか、でこくーる氏はほとんど反応を返しておりません。トラックバックを送らせてもらっていますし、それで明確な反論がないのに取り下げるべきほど解釈が難しい問題ではないと思います。
でこくーる氏の文章を受けて、安易に南京大虐殺否定論へくみする反応が出ている今となっては、あちらのコメント欄でも書いておくべきだったとは思いますが。

>自分は、「パールハーバーと南京大虐殺の『後継である』」という部分において議論がある、ということだと認識していました。

「私はこの表現は今回初めて目にしましたし、」という部分から見ると、「表現」は「後継である政府省庁」にかかっていると考えるべきではないでしょうか? パールハーバーや南京大虐殺という言葉を初めて目にしたと考える方が不自然です。
また、前エントリで朝雲新聞の例を引いたように、危惧する理由は示しています。一般人と比べて表現で誤解を生まないよう気を使うべき立場なのも確かです。
そもそも「後継」であることを否定するには、「後継」である現状をいったん受け入れなくてはならないと思います。ドイツの戦後処理は、自国の罪に向き合うことでなされました。ナチスに罪を押し付けただけという考えは一種の都市伝説であり、ドイツの政治家は基本的に自国の罪という認識を対外的に示しています。自衛隊が国家の暴力装置である限り、同じような戦争犯罪を行わないよう過去の暴力装置がたどった歴史を直視しないとなりません。そうでなければ他国からの「後継」視はよりいっそう厳しいものになるでしょう。

>毎日新聞がでこくーる氏に口止めを依頼したが如き対応については、

それに対する考えは、エントリ本文で「もちろん、事実誤認や圧力を批判するのは間違ってないと考える」と書いた通りです。

Sonae-GuySonae-Guy 2008/07/06 18:35 丁寧な回答ありがとうございます。
一部誤解があるようなのでそこだけ簡単に。

前回のコメントで言いたかったのは、相手側の主張が断定できない内に具体的な批判を行うことで「そんなことは言っていない」と逃げられる可能性に対する危惧ということです。言質を取らない内に、留保を伴わない批判を行ってしまえば、「それは藁人形だ」という逃げ道を相手に残すことになると考えます。何らかの留保を文中に残すか、先に言質を取ってしまうことが、逃亡・相対化を抑止する上で重要だ、ということです。


>>それで明確な反論がないのに取り下げるべきほど解釈が難しい問題ではないと思います。

取り下げるべき、と主張しているわけではありません。自分も、南京事件で顕著に見られる、旧軍の行為に対する無根拠な容認は危惧しています。ただその上で、まずはでこくーる氏が本当に、「南京事件が今でも議論の最中にある」と考えているのかを問うトラックバックを送ることが望ましかったのでないか・・・と考えたということです。トラックバックを送るべきではない、とする主張とみなされたようでしたら、そこは誤解して欲しくはありません(それはでこくーる氏に発言を認めなかった毎日新聞社の態度と変わらないと思いますし)。

朝雲新聞社の事案は、以前Apeman氏かどなたかのブログで紹介されたのを見ておりますので、自分も知っております。防衛研究所でも当時の日本軍を擁護するような態度が見られるなど(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080113/p1の紹介を見ました。この話も酷い話です)、実際には「後継」と言われたとしてもやむを得ない側面がある、というのが自分の見解です。ただ、その上で、自衛隊を戦前の旧軍の文字通り「後継」としてみなすかどうかについては、今のところ、人によって見解が割れるのが事実です(少なくとも、防衛省の公的な立場から言えば、旧軍と自衛隊の連続性を率直に認めるわけにはいかないでしょう。その意味で、でこくーる氏の発言は政治性を帯びたものだとは思います)。ですから、でこくーる氏がそれを踏まえた上で「議論の最中にある」とする可能性はありえると思い、それを即南京肯定の主張として批判するのは早い、と考えました。

もちろん、そうだとしても「後継という表現には議論が分かれる」という認識は不適切、という批判は可能なわけですし、そうした批判がなされるべきだと思いますが。法華狼氏も挙げられた朝雲新聞の事案や、上述した防衛研究所の事案は、自衛隊が旧軍の行動を容認し、結果的に「旧軍の後継」と証明しているようなものだ・・・という危惧は、自分も共有するところです。

hokke-ookamihokke-ookami 2008/07/08 00:15 >相手側の主張が断定できない内に具体的な批判を行うことで「そんなことは言っていない」と逃げられる可能性に対する危惧ということです。

なるほど、おっしゃりたいことはわかりました。
ちなみに私は、今回は、でこくーる氏が“南京大虐殺はもちろん史実だ”といったコメントをしてくれれば、それでとりあえず充分と思っていました。でこくーる氏の知名度が低いことから影響力も低いと考え(失礼)、漫画家本人より先に主張おりこまれた歴史修正主義を批判にしよう、と思ったわけです。

むしろ、無反応な現状を思えば、早々にコメント欄で釘をさしておくべきだった、という感じはなくもない、といったところです。

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