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法華狼の日記

2009-04-04 あなた、最低です

[][][]ある作品描写が差別だと糾弾された時、ある映画監督がとった行動

以下、映画『氷の微笑*1ネタバレを一部ふくんだ話。


町山智浩柳下毅一郎『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判3』より*2

ウェイン ゲイといえば『氷の微笑』(92年)の続編がやっと出たね、1作目は公開当時、バイセクシャルを殺人鬼として描いてる、とゲイの人たちが反対運動を起こした。

ガース あの映画を観て「バイセクシャルは怖い」なんて思う人がいるわけないのにね。

ウェイン でも、脚本書いたジョー・エスターハスはゲイ運動家の抗議に負けて「バイセクシャル描写をカットする」って言ったんだよ。そしたら横に座ってたポール・ヴァーホーヴェン監督が「抗議に簡単に負けるな! この裏切り者が! 殺すー!」って暴れだして、抗議に来た人たちも「どうどう」って監督をなだめたという(笑)。

ガース ヴァーホーヴェンは暴れ馬かい!

ウェイン それくらい狂った監督じゃないとなあ。『氷の微笑2』は地味でさあ。血も出ないし、セックス・シーンも地味。あの有名なノーパン脚組み替えもない。

抗議の時期や細かい内容は不明確だが、それをさておいてもヴァーホーヴェン監督の暴れている光景がまざまざと目の前に思い浮かんで苦笑してしまう。さすがというべきか何というべきか。

自分の作品を大切にしていると呼べるかもしれないし、ただの性格というべきかもしれない。抗議者、脚本家、それぞれの事情や思想や主張に妥当性はあるかもしれないが、個人的に最も共感できたのは自作品を守ろうとする監督の態度だ。作品が人々を傷つける可能性に思いめぐらせることと、抗議を怖れて表現を捨てることは違う。


もっとも、すぐ後に二人は以下のようなシャロン・ストーンをめぐるスキャンダルを紹介していた*3

ウェイン でも、ジョー・エスターハスによるとイイ人らしいよ。エスターハスは今までいろんな女優にシナリオを提供してきたけど、やらせてくれたのはシャロン・ストーンだけだって。

ガース ヤらせりゃなんでもいいのか。

ウェイン でも、シャロン・ストーンはノーパン脚組み替えをやらせたヴァーホーヴェンにはヤらせなかった。だからヴァーホーヴェンはシャロン・ストーンが大嫌い。

ガース ヤらせないと怒るのか。

ウェイン 『ショーガール』(95年)のときは逆に主役のエリザベスバークレイはヴァーホーヴェンにヤらせてエスターハスにヤらせなかった。だからエスターハスは彼女を売女だのスベタだの言ってる。

ガース あんたら最低だよ!

こういうことを話している人も、ネットで紹介している人も。

町山氏のことだから、実際に米国のゴシップ誌等で流れている情報に基づいた逸話だろうとは思うが……


あと、最近の邦画をろくに見てなく、そう自ら宣言もしている町山氏はどうかと思う。いや、確かに映画『どろろ』などは観るだけ時間の無駄とは思うが、一方が聞き役になっていて対談本と呼べるのか。

*1:全くの私事だが、映画も小説も目を通したことがあるが、調べなおすまで内容を失念していた。よって表現細部の妥当性については語れないことを断っておく。

*2:281〜282頁。町山がウェイン、ガースが柳下。

*3:284〜285頁。

TomoMachiTomoMachi 2009/04/05 08:14 町山ですが、すべてジョー・エスタハスの自伝「ハリウッド・アニマル」、およびヴァーホーヴェン監督自身の「氷の微笑」DVDの副音声解説で本人たちが言っていることに基づいています。
どちらもアマゾンで入手できますからご自分で検証されてはいかがですか。
どちらも英語ですが。

なまえなまえ 2009/04/05 08:55 >一方が聞き役になっていて対談本と呼べるのか。
何が問題なのか分からない。むしろ対談してよかった、おもしろい話を仕入れられた、って事が在っては許されないの? なぜ?
目上の人や、自分より博識な人、自分の知らない分野でマニアックな人とは対談してはならないって事? じゃあどうやってその知識量とかを計って比べるの? それこそ対談してみなきゃ分かんないじゃん。
対談して初めて気付く新しい考え方や、知らない事があってもいい。

わすれないぞ!わすれないぞ! 2009/04/05 17:16 町山は、自分に批判的な記事を書いたライターに暴力を振る差別主義者

hokke-ookamihokke-ookami 2009/04/07 00:57 TomoMachiさんへ
>町山ですが、すべてジョー・エスタハスの自伝「ハリウッド・アニマル」、およびヴァーホーヴェン監督自身の「氷の微笑」DVDの副音声解説で本人たちが言っていることに基づいています。

何というべきか、色々な意味ですみません。
ソースが明示されずとも何らかの資料に基づいた指摘だろうとは思っていましたが、作品オーディオコメンタリーなどで語られているとは想像できていませんでした。

>どちらもアマゾンで入手できますからご自分で検証されてはいかがですか。
>どちらも英語ですが。

DVDの副音声というところでピンと来て検索してみると、日本版DVDにも副音声が収録されているそうです。楽天サイト等で明記されていました。たぶん翻訳字幕つきでしょう。
http://item.rakuten.co.jp/book/3948375/
以下、余談気味になります。
個人的に驚いたのですが、「[1]監督と撮影監督による音声解説1」だけでなく、「カミーラ・パーリア(フェミニスト評論家)による音声解説2」も収録されているようですね。
実は、今回エントリで紹介させてもらった逸話は別映画話への前振りでしたが、『氷の微笑』単独の周辺状況も個人的に興味がわいてきました。DVDも機会を見て目を通させてもらおうかと思います。

なまえさん、できるだけ捨てハンなりに固有性ある名前を入力してください。
>何が問題なのか分からない。

少なくとも、ベタに批難し、問題視する意図はありません。最近の邦画に町山氏が目を通していないことは、実際に対談本でも言及されていることです。
引用した対談の内容から、ニュアンスをくんでください。それでも気分を害されたなら謝ります。

わすれないぞ!さんへ
少なくとも、町山氏本人がコメント欄を見ていることが明らかな状況で、断りなく敬称を略すことは感心しません。

TomoMachiTomoMachi 2009/04/07 02:49 ていねいなお返事ありがとうございます。
エスタハスの伝記では彼とシャロン・ストーンの関係、
およびヴァーホーヴェンとエリザベス・バークレーの関係について書かれており、
氷の微笑のDVDの副音声や付録には当時の糾弾運動についていろいろな情報があります。

TomoMachiTomoMachi 2009/04/07 02:55 あと、対談については柳下くんは、アメリカ在住の僕が見ることのできない日本映画の情報を、ぼくはアメリカに住んでいなければわからないアメリカの情報を出し合うという役割分担がされているのです。
脳生理学者と作家の対談では脳について作家は聞き手に回り、聞いた話に文学者としての解釈を加えたり、質問していくものです。
対談の両者が同じ領域をカバーしている必要はないのでないでしょうか。

hokke-ookamihokke-ookami 2009/04/10 01:15 こちらこそ、重ね重ねありがとうございます。

そしてエントリ最後の段落について、見返すと確かにベタな批判のように見え、その点もすみません。
最近の邦画についても評してほしかった、というくらいの気持ちだと思ってください(『どろろ』があの内容で世界に売り出すつもりだったとか、あの特撮レベルでも一度一般向けの試写を経て手直ししたものだったとか……)

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