2010-11-22
■[ネット]自衛隊を暴力装置と呼ぶことが失礼だとして、警察は暴力装置と呼んでいいの?
先日のエントリ*1では評価を保留しておいた石破茂氏だが、今回の釈明を見る限り駄目だとしか思えない。
「自衛隊という暴力装置」という仙谷長官の発言が問題となっています。
一部報道にもありますとおり、私自身、昨年三月の朝日新聞でのシンポジウムで「国家の定義というのは警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の一つの定義(原文のまま)」と述べております。
原典はマックス・ウエーバーの「職業としての政治」なのですが、外国語による著作を引用するときは、原文にあたらないと、訳語のニュアンスで誤解を招きかねないので、これからもっと私も注意しなくてはなりません(ウエーバーの著作には他にも「装置」という訳語が多く出てきます)。
私の発言はあくまで政治学上の定義を引用したうえで、「何故北朝鮮で、あのようなテロ行為が起こるのか」を論じたものであり、国会において、自衛隊を、名指ししたものではありません。
しかし、政治の側が、「ことに臨んでは身の危険を顧みず」国を守る責務を黙々と果たす方々に対する敬意を示しつつ、わが国における「自衛隊とは何か」を正面から論じてこなかったこと自体が、大きな問題なのだと思っています。
建前として自衛隊は軍隊ではないのかもしれない。しかし、警察は日本にも存在している。ついでに自衛隊の前身も「警察予備隊」だ。タイトルにも書いたが、自衛隊に対して失礼で警察に対して失礼でないという論理を構築できないと、釈明として形式的にすら成り立たないよ。
それに、国会の答弁で政治学上の言葉を使ってはならないとでもいいたげな論調も何なのだろう。国会は政治の場ではなかったのか。いや、政治学上の難解な言葉をことさら用いるべきではないという考えもあっていいとは思うが、国会で使ってはならないのならどこで使えるのだろうか*2。
あと、「国を守る責務を黙々と果たす」という評価は、地味に現実を直視できていない発言だよね。自衛隊やその関係者から政治に対する発言が折りにふれて飛び出してきた経緯があり、そのことへの対応がまさに仙谷長官の「失言」を引き出したわけなのだから。
また、私は原典を確認していないのだが、書籍においては明確に自衛隊も暴力装置と呼んでいた例があるという。
Armored Fighting Vehicle Maniac» AFV maniac
国家という存在は、国の独立や社会の秩序を守るために、暴力装置を合法的に独占・所有しています。それが国家のひとつの定義だろうと。暴力装置というのは、すなわち軍隊と警察です。日本では自衛隊と警察、それに海上保安庁も含まれます。
この引用文が事実か捏造か、ついでに明言してほしかった。
*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20101118/1290097225
*2:石破氏とは関係ないが、左翼や革命勢力が国会で答弁してならないということは、つまるところ日本共産党は少なくとも政権をとってはならないってことになるのではないか。