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法華狼の日記

2011-09-16

[][]『BLOOD-C』の評判に違和感

ニコニコ動画で見ていると、主に脚本が不評で、CLAMPで物語を担当している大川七瀬が原因あつかいされている。

しかし脚本の問題として指摘されている主人公が形だけ決意しては即座に折れるカタルシスのなさは、『BLOOD+』の展開を踏襲しているだけだ。つまり大川と連名で『BLOOD-C』全話の脚本を担当し、『BLOOD+』の監督とシリーズ構成をつとめた藤咲淳一に大きな原因があるのではないかと思う。

藤咲淳一の主な仕事を並べると、シリーズ構成として『BLOOD+』『RD 潜脳調査室』『獣の奏者エリン』『もしドラ』『APPLESEED XIII』を担当、『BLOOD+』『ルー=ガルー』を監督。『ルー=ガルー』は未見だが、少なくとも他はどれも全体の構成に問題をかかえた作品だ。物語面で評判の悪い近年のProduction I.G作品において、ほとんど全てのメインライターをつとめている。『RD 潜脳調査室』と『獣の奏者エリン』は比較的に良かったものの、前者は他の脚本家による単発話の印象が良かったし、後者は原作者がアニメーション監修として参加している。

『BLOOD+』を懐かしみ比較して劣化したとするコメントを多く見るが、同様の展開でも4クールから1クールへ縮め、決意が折れること自体を謎のひとつにしただけでも、『BLOOD-C』は少し改善されている。5年以上もたてば記憶が美化されるということか、それとも自分が見て育った作品を基準としてしまうということか。


あと、ほとんどの戦闘で決着があっさりしているところは、『BLOOD+』よりも原典の中編映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を思い出す。

最高のアニメーターをそろえながら、あえて実写ホラー映画のようにリアルで動作のにぶいアクションを見せたところが独特だったが、最後の敵に対してロングショットで切りつける姿を見せるだけという演出は、いささか首をかしげたものだ。


個人的な感想としては、序盤から主人公と舞台の奇妙さを強調し続けるのは、意図的か稚拙さか理解しにくく、失敗だったと思う。最初は普通に敵を撃退する一話完結で展開し続け、折り返し地点の第6話くらいから主人公の異常さに焦点をあてるべきだった。

そもそも『ラーゼフォン』等もそうだが、いずれ謎が解かれる期待ができる本格ミステリでもないのに、視点人物となる主人公の視点が信用できない叙述トリックは、よほど自然な描写ができなければ避けるべきだろう。

名無し名無し 2011/09/17 11:09 水島努が監督の意味あるのかと疑問です 今のところ1話が唯一のコンテ演出でそれなりにアクション良かったのですが 
個人的に楽しみにしていたアニメの2期で監督から総監督になってしまったので複雑です
まあ毎回楽しく観てるので本編でOPの面子が集まる回が来るのか楽しみです
しかし独特のシュールさは脚本なのか監督の趣味なのか・・・

METHIEMETHIE 2011/09/17 18:07 そのスケジュール管理と演出管理のみで、お話には一切タッチしていないそうです。
第一話の古きものが地蔵なのはそういうのをやりたかったそうで。

hokke-ookamihokke-ookami 2011/09/17 23:14 名無しさんへ
>まあ毎回楽しく観てるので本編でOPの面子が集まる回が来るのか楽しみです

第9話で黄瀬原画が来たり、ていねいなアクションはまんべんなく見られますね。
ただ、エントリに書いたことと同じく群集に出る被害が意図的なのか稚拙なのかがわかりづらいところが難です。あと、主人公一人しか戦える人間がいない上、映画のように別の武器を使ってしのぐ工夫もしないため、あまりバラエティを感じにくいという。

>しかし独特のシュールさは脚本なのか監督の趣味なのか・・・

そう、ホラーというよりシュールですね。同じくIGやCLAMPと組んだ『XXXHOLiC』に近い空気感がある。監督の意図かはわかりませんが。
他には、映画『クレしん』シリーズにおける担当パートで、主人公達をいじめる場面を長々と見せる癖なども、『BLOOD-C』の出口のない感じと似ている気がします。

METHIEさんへ
>スケジュール管理と演出管理のみで、お話には一切タッチしていないそうです。

IG作品は全体的に脚本家が物語を主導する傾向があるよう感じますね。だからか神山監督のように演出ができる監督でも脚本作業へ回ったりしている。
水島監督も過去の仕事でいくつか脚本を手がけているのだから、もっと自分の色を出してもいいのでは、と思っています。

METHIEMETHIE 2011/09/25 07:08 最新話で明確に「小夜を登場人物全員で騙していた」ということがわかりました。
殆ど差や置き去りにばらしたこの展開に賛否両論あるようです。
ただこのネタバラシはもっと早くやればよかったのではないかというのが僕の意見です。
この手の作品は人間が怪物の力を持っている、怪物が人間のココロを持っているというのが定番なのですが、最新話を見るかぎり、怪物が無意識に人間を演じているだけという邪道のコンセプトと見ればわかりやすい。

0000 2011/09/27 12:01 脚本家の力量について言及するならば、
大川氏の構成力についても
語らないと片手落ちな気がします。

hokke-ookamihokke-ookami 2011/09/30 07:39 METHIEさんへ
>置き去りにばらした

見ました。主人公が知らないところでネタバラシしてもいいくらいですが、主人公が虚脱した状態で延々と説明台詞が続いたのは、映像として弱かったですね。古きものの登場が変化をつけるためだけなので、あまり必然性が感じられなかったところも痛い。

>ただこのネタバラシはもっと早くやればよかったのではないかというのが僕の意見です。

OVAや映画でやるか、TVでも折り返しの半クール目で見せれば、もっと評価も違っていたでしょうね。

00さんへ
うーん、アニメ脚本作業においては共同が多いので、あまり大川個人の力量は判断しかねます。やや密度が薄い傾向はあるかな、と思いますが。
マンガ作品においては、同じように全体をとおしてしかけがある場合、様々な作品ジャンルをパロディした連作短編で見せるので、ネタバラシが遅くても見やすいというところがあると思います。『BLOOD-C』でも、舞台が限定されることはしかたありませんが、各話のゲストキャラクターを掘り起すような物語で見せておけば、テンポが遅いという感覚にならなかったでしょうし、真相開示時の衝撃も増したでしょう。

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