法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『輪廻のラグランジェ』第1話 ようこそ、鴨川へ!

タイトルはラグランジュじゃなくラグランジェか。Production I.Gが原作と制作協力をかねているが、佐藤竜雄総監督や鈴木利正監督といったメインスタッフの面子から見ても、アニメーション制作としてクレジットされているXEBEC作品と見るべきだろう。
日産自動車からデザインをつのったロボの新奇なライン、佐藤竜雄作品らしく肩透かしつつひょうひょうと展開する物語、XEBEC伝統のフェティッシュに体の線を出したパイロットスーツ、森沢晴行キャラクター原案の透明感ある絵柄、そうした下手すると空中分解しかねないキャッチーな要素を集めながら、オリジナルアニメの第1話としてよくまとまっている。
まず作品の軸となる主人公の性格や能力を印象づけつつ、物語の開始を告げるランとの間接そして直接の出会いを描き、「ロボット」の登場から勝利まできっちり見せる。テンプレートだけで物語を展開したともいえるが、どちらかといえばわかりやすい展開に乗せて設定を説明しつつビジュアルやメカバトルを並べていったと評価するべきだろう。


作画が安定していて見せ場も多く、このまま楽しんでいきたい。
ただ初回では主人公がひょうひょうとしすぎて、間近で戦闘がくりひろげられているのに感情を動かさないところだけは、やや違和感あった。今作だけでなく、佐藤竜雄作品には同様の印象があって、もっと普通に盛り上げてくれればいいのにと思うことも多い*1

*1:鈴木利正監督作品の『ヒロイック・エイジ』でも同じような印象があるが、見直してみないと断言できない。