法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『アーチ&シパック-世界ウンコ大戦争-』予告映像の素晴らしさと、コメント欄の恥ずかしさと

文字通り「ウンコ」を新エネルギーとした世界を舞台としたアニメ映画が、7年間と3億5000万円もかけて2006年に韓国で制作された。
http://www.aanss.jp/index.html
それがついに日本へ上陸するという。

開始25秒あたりで登場するキャラクターは許されるのか、とか思ったりしつつ、映像的に楽しい内容。美麗で細密な背景美術とシンプルなキャラクターデザインが同居する異化効果や、ぐりぐり動くアニメートもなかなかいい。


第40回のシッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞*1を受けたり、わりと世界的な評価も高い。
実際、「ウンコ」を題材にしたといっても、いかにもサブカル臭な感じで、いわゆる「オサレ」な内容であろうことも見てとれる。
たとえば日本ならばスタジオ4℃あたりが制作しそうだ。個人的には、同じ方向性のキモカワイイ映像作品として、オムニバス映画『ジーニアス・パーティ』の一編『デスティック・フォー』を思い出した。


しかし、YOUTUBEの公式予告映像に対して、日本語でつけられたコメントにひどいものが多い。いや、「糞」というコメントならば映画の内容にかけているから良い。先行作品、たとえば『AKIRA』からの影響を指摘することも良いだろう*2
しかし、下記のようなコメントが並ぶ情景は、いささか恥ずかしいものを感じざるをえなかった。このようなコメントを書き込むことが、何の誰の評価を下げるのか理解できないのだろうか。
http://www.youtube.com/all_comments?v=5Nu8cD5slYU

人類で唯一

自分のウンコを食う民族に相応しい映画ニダねwww

gigigi931 1 か月前

ク○食い民族にはお似合いの映画だな

さっきキ○ガイ朝鮮人から日本人全員殺してやるってメールが来た­んだけど

本当に憐れな醜い民族だよ。トンスルでも飲んで機嫌直して欲しい­わw

colcobird 2 か月前

糞に関係する文化の存在を民族の固有性と主張するのは、幼稚な民族差別でしかない。
トンスル、その他の漢方薬関連の無知を基にした嫌韓差別都市伝説の考察 - 誰かの妄想・はてなブログ版
上記エントリで批判されているように、差別主義者の主張する相手の姿は誇張されたものであったり無知に基づいたりしているし、たいていの文化圏にそれぞれ固有の糞と関係する文化が存在する。
そして、いうまでもなくどのような文化であっても差別に持ち出されるいわれはない。

*1:過去の日本映画では『東京ゴッドファーザーズ』や『時をかける少女』が長編アニメーション部門のグランプリに輝いている。

*2:映像を見る限り、充分な独自性は出せていると思うが。