前回終盤の急転直下な和平に対して、アバンタイトルで味方側にわだかまりが残っていることを示す。それはそうだ、といったところ。
そのまま和平の席で対立劇が始まるまでは意外性もあって良かった。だが、今回もファムの台詞で場が収められてしまったところに納得がいかない。寄せ集めで対立をかかえているとはいえ、愚連隊の仲間内であればそういうこともありうると思うのだが……
いくら後半の舞踏会で一触即発の対立が残っているという説明があっても、感情の流れとして無理がある。拍手自体は和平のための演技みたいなものと納得できるが、それに対して複数人が白い目を向けている数カットを入れるだけでも印象が違ったのではないか。
主人公の立場から考えれば、発言の影響力も大きすぎる。いったん主人公の主張が退けられた反動で口撃が激しくなりすぎて、反動で場の空気が停滞した、なんて流れがあればまだ説得力が違ったかも。
作品世界内での整合性はとれているのだが、それを説得力ある映像描写で提示できていないという問題を終始感じた。
映像作品は、整合性がとれていない展開でも演出によってはそれらしく見せられるものなのだが、どうも終盤に入って尺の短さと絵作りの弱さが響きだしている。
