法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法少女まどか☆マギカ』に見る、損して得とれ

QBが鹿目の願いを聞いたのが御都合主義か、それともQBに願いを聞くだけの1年以上前にコメント欄でAntiSeptic氏と論争したのを思い出したので、メモしておく。


QBは鹿目の願いを聞く必要はなかったとAntiSeptic氏が主張していたエントリに対し、私がQBには願いを聞いてえられる利益があったと下記エントリで主張した。
『魔法少女まどか☆マギカ』に見る、歴史と少女のイメージ剽窃問題 - 法華狼の日記

QBは「そんな上手い方法があるなら」、「呪いを集める方法としては余程手っ取り早い」と言ってるじゃねーかw 「キュウべぇ自身にとって歓迎されざる願いであ」ったことは間違いねえんだよwww 「それがうまくいかなかった後の世界においても相応のエネルギーを、つまり一定の利益を得ている」なんてのは単なる結果論に過ぎねえw

上記コメントに対し、私は下記コメントのように返答した。

AntiSepticさんへ

QBは「そんな上手い方法があるなら」、「呪いを集める方法としては余程手っ取り早い」と言ってる

しかし、直後に暁美が「そう簡単じゃなかったわ」と応じていますよね。新世界のキュゥべえによる「魅力的」という評は、暁美の説明で断片的に知った情報からの評価にすぎません。


ポイントは二つ。そこでのキュゥべえの感想が伝聞情報によっていること、そして依然としてキュゥべえは人間の感情を理解できないこと。
キュゥべえは人間の感情が理解できないから、魔女が生まれる世界で魔法少女との関係が険悪になるという想定ができない。想定してないからエネルギー回収だけを考慮して元世界を「魅力的」と評している。
しかし、実際の元世界では手っ取り早いどころか、魔法少女が思うように契約に応じてくれなかったりした。並行世界の一つでは、真実を知った魔法少女が狂乱してエネルギー回収前に他の魔法少女を殺す真似までしている。
思い通りに契約が進まないことを身をもって知っている元世界のキュゥべえは、エネルギー回収が不可能になるわけでもないし、鹿目の願いを聞いて今後の契約が進むなら充分なメリットがある。しかし新世界のキュゥべえはそういう元世界のキュゥべえが直面した問題が想定できなかった。理解できないことは同じだからこそ、問題に直面している者と問題が回避された後の者とで評価が異なるのは当然です。
そして、そういう人間の感情が理解できなかったからこそ、鹿目が提案した願いをキュゥべえは予想できてなかったわけです。もし、そういう願いで回収の効率自体は下がっても、人間が感情的に納得して契約が進みやすくなると想定できるなら、むしろキュゥべえから同内容の願いをすることを魔法少女に提案したかもしれません。

単なる結果論に過ぎねえw

しかし、鹿目が本当に世界の仕組みを変えてしまうほどの精神力を持っていたことも、キュゥべえにとって意外な結果論ですから。
キュゥべえにとっては想像通りの巨大な魔女が生まれれば万々歳ですし、もし鹿目の思い通りになっても上記で説明したとおり必ずしもメリットがないわけではありません。

念のため、私は「営業戦略」が正しいか否かということを論じたわけではない。また、まだ私は劇場版を見ておらず、外伝作品も全て追っているわけではない。
あくまで、TVアニメ版の描写だけでも、QBが鹿目の願いを聞き入れた展開に、整合性ある理屈づけが可能という主張である。

安倍晋三新総裁らが、アメリカ地方紙へ慰安婦問題意見広告を掲載させる

The facts」広告の失敗に学んでいないのか。おそらくは、日本国内向けの人気取りなのだろうが。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121107/plc12110712020007-n1.htm

作曲家のすぎやまこういち氏やジャーナリストの櫻井よしこ氏ら有識者でつくる「歴史事実委員会」は6日、米ニュージャージー州の地元紙「スターレッジャー」(約37万部)に4日付で慰安婦問題に関する意見広告を掲載したと発表した。

根本的なことをいうと、「作曲家」という肩書きしかないなら、歴史問題において「有識者」と呼ばれないと思う。せめて「著名人」だろう。

日本軍による強制連行を裏付ける資料はなく、発見された公文書によれば強制募集や誘拐を禁じていたと訴えている。

たとえ話をするなら、たとえサービス残業を禁じるという社則を公開しても、サービス産業をしいられたという社員の証言への充分な反証になるかというと、説得力が不足していると第三者には受け止められることだろう。
また、「発見された公文書」がいわゆる副官通牒のことなら、内地業者の選定についての通達であって、直接的に強制募集や誘拐を禁じて罰していたのとは少し違う。どちらかといえば慰安婦と軍の関係性を隠蔽することが主眼と考えられている。
日本軍の慰安所政策について

この通牒は、一方において慰安婦の募集と渡航を容認しながら、軍すなわち国家と慰安所の関係についてはそれを隠蔽することを業者に義務づけた。この公認と隠蔽のダブル・スタンダードが警保局の方針であり、日本政府の方針であった。なぜなら、自らが「醜業」と呼んではばからないことがらに軍=国家が直接手を染めるのは、いかに軍事上の必要からとはいえ、軍=国家の体面にかかわる「恥ずかしい」ことであり、大っぴらにできないことだったからだ。


また、記事中にもあるように、またしても民主党議員も参加している。自民党だけの問題でないことは明らかだ。

民主党松原仁拉致問題担当相や自民党安倍晋三総裁ら国会議員38人も賛同者として名を連ねた。

そもそも私は自民党の失策によって民主党が伸張することなど望んではいない。もちろん石破議員や谷垣議員も意見があわないこと、批判したいことは多々あった。しかし議員政治というものが相対的に良いものを選んでいくしかない現状では、せめて安倍議員を落として、別の議員が自民党総裁であってほしかったと思っている。