法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『革命機ヴァルヴレイヴ』第1話 革命の転校生

松尾衡監督作品だが、大河内一楼脚本から想像した以上に『コードギアス反逆のルルーシュ』を思い出させるハッタリ展開だった。初代『機動戦士ガンダム』からロボットアニメ伝統の第1話プロットを、学園を舞台にサービス満点で描いており、それなりに楽しめはした。
境界線上のホライゾン』に続いて、手描きと質感の差がほとんどない3DCGメカにも感心。


ただし、主人公の住む国が隣国からの領域侵犯や軍事的な威圧にひざまずいており、そうした平和ボケした社会の目線から導入するところは、いささか世界観が古臭すぎる。これはせいぜいペルシャ湾岸戦争くらいの世界観で、イラク戦争以降の作品群が持っている自国認識から遅れているのに*1、どうも自覚的に描いているようには見えない。あくまで初回は物語の入り口にすぎないし、何らかの裏が今後に用意されていることを期待するが。


しかしこうなると、そろそろポスト『FLAG』な作品を見たくなってくる。虚構であることに自覚的でありつつ、現代社会から目を閉ざすことなく、かといって理想を冷笑することがない。そんなロボットアニメが見たい。
たとえば、紛争地域における折衝や輸送や医療を行っているNGO狂言回しにして、1話完結で描くロボットアニメ。人道的な活動のため銃火器を持てず、不整地などを踏破するために主人公はロボットに乗る……いや、これはこれで『ブラック・ジャック』や『MASTERキートン』の主人公像をロボットアニメに置き換えただけなので、さほど新しくはないか。

*1:外国にやられっぱなしという自国認識そのものは、良くも悪くも普遍的なものではあるだろうが。