法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『聖闘士星矢Ω』第 55 話 かけがえのないもの!目覚めよ、龍!

アイエエエエ! バンド!? バンドナンデ!?


わりと本編は手堅い作り。主人公達の合流を遅らせることで、龍峰のドラマにたっぷり尺をわりふる。その父の紫龍は喋るにとどまらず、あっさり開眼。前期との決別を示したいのだとしても、もう少しタメを作ってほしかった。
そして、本編の印象を消し去るかのように、オチと次回予告で全てを持っていく栄斗……

『ドキドキ!プリキュア』第13話 ついに発見!?王女様の手がかり!

ライバルの御嬢様が妨害工作をしかけてくるベタベタな物語だが、クライマックスの戦闘で敵から防御技しか持たないと指摘されながら身体能力で圧倒していく力技が笑えたので、今回はアリとしたい。
また、ジコチュー化の描写も、前回は改心でなく諦めだったことに対し、今回は改心というより強がっていた心が折れた描写。やはりハートが黒く染まる描写は、悪意とは別の何かを示していると考えるべきだろう。
あと、レジーナが序盤で顔出しをしていたのに、物語の本筋でからむどころか主人公達が思い出すことすらなくて残念。むしろ以前から次回予告などで煽っていなければ、ちょっと不思議なゲストキャラクターが実はメインキャラクターだったという驚きを演出できたかもしれない。


作画監督は前作で主要回をつとめた山岡直子で、よく整った作画がレディを競いあう物語に合っていた。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第4話 氷原の墓標

基本的には繋ぎ話なのだが、ていねいに作ることで、硬軟さまざまな面白味があった。


一面の氷原を舞台とすることで背景美術を節約しつつ情景を面白くし、さらに砲撃戦と陸戦と航空戦を同時に展開して多様な戦場を描く。銃撃で溶けた氷がまた凍りつく描写など、純粋にSFらしい絵作りも多い。ガニマタで移動するアンドロイド兵士にも好感が持てた。絵柄こそ違っていても、柔らかいフォルムから牧歌的な雰囲気が生まれ、松本零士の世界観を感じさせる。
話運びも地味に巧い*1。今作オリジナルをふくむ多くのキャラクターを登場させながら、筋を混乱させずにさばき、ちゃんと結末へ向けて感傷的に盛り上げた。

*1:脚本担当は大野木寛。