法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

中村隆太郎監督が亡くなられていたとのこと

中村監督は出崎統監督の薫陶を受けた演出家のひとりで、1998年のオリジナルTVアニメ『serial experiments lain』の監督として知られる。しかし寡作で、2010年に『lain』がBlu-rayソフト化した時のイベント*1にも出席しておらず、体調不良がささやかれていた。
そして先月末に膵臓癌で亡くなられたという。その訃報を1990年に初監督した映画『ちびねこトムの大冒険』の公式アカウントが伝えていた。

他にも、先述した『lain』で脚本を担当した小中千昭氏が『映画秘宝』で訃報を伝えていたそうだ。


個人的には、インターネットでつながる社会を都市伝説と重ねながら先駆的に描いた『lain』はもちろんのこと、WOWWOWノンスクランブルで放映されたTVアニメ『キノの旅』が印象深い。有料制限のかかった放映形態のおかげもあってか、原作のシニカルでブラックな描写を強調するように映像化できていた。
人物の芝居やアクションといったアニメートも素晴らしいできばえだった。丸っこいキャラクターデザインが原作の挿絵と異なる方向性だったため、残念ながら原作ファンの評価は高くないが。

*1:GIGAZINE」のレポートによると、小中氏が出崎監督からの影響を指摘しているくだりがある。http://gigazine.net/news/20101126_serial_experiments_lain_event_part2/