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法華狼の日記

2013-12-07

[][]陰謀論を認めさせたい人たち

大屋雄裕教授*1が、特定秘密保護法案を強行採決した動きについて、具体性も根拠もない背景を想像していた。大丈夫なのか。

何らかの陰謀の可能性を考慮にいれるべきという考えだけならば、一理はあるかもしれない。たしかに歴史をふりかえれば陰謀が実在した例も複数ある。しかし、権力へ全権委任するような方向性で陰謀論をたくましくしている人物が、権力を監視しつづけることができるとは期待できない。

それに陰謀論をたくましくして擁護した対象が、国家の情報を秘匿する法案なのは、いったい何の冗談だろう。陰謀などないと示すためにこそ、情報は可能な限り公開されるべきだし、公開が難しい資料でも保存されなければならないのではないのか。

だいたい陰謀論を展開した直後に、下記のツイートを投下しているというのは、大丈夫なのか。


一方、私のエントリに対する直接の返答として、ブログエントリが書かれていたのだが。

認められない人たち - おおやにき

しかし、「政治主導とやらが少数派の意見や権利を守るという観点から見た場合に極めて大きな危険性を秘めていることについてはそろそろ理解していただきたい」という大屋教授の一年半前の主張について、説明している部分が見当らない。それが説明されなければ、多数決が民主制だというような主張だけくりかえされても、私の疑問に対する回答とはならない。

最初に言及したエントリではタイトルにも引用していたのに、読み落としているのだろうか。

「少数派の意見や権利を守る」「少数派に意見表明の機会を与えたら淡々と採決すればいい」どっちだよ - 法華狼の日記

附則(後) - おおやにき*2

ところで私としては、こないだの著作権法改正案(ダウンロード犯罪化部分)にせよ今回の案件にせよ議員提出法案であることに注意を促したいわけであって、なにも官僚内閣制の方が優れていたと認めろとまで言うつもりはないが政治主導とやらが少数派の意見や権利を守るという観点から見た場合に極めて大きな危険性を秘めていることについてはそろそろ理解していただきたいとは思っている。法的な適切性について立法府より行政府の人々のほうがまともな感覚を持っているというあたりに、日本における民主政のなにやらが透けて見えるようではあるのだが。

上記は2012年の夏、民主党政権時のブログエントリ。

引用したとおり、大屋教授自身も太字強調して書いているのに、それも読み落としているのだろうか。

さらに石破幹事長発言に対する主張にいたっては、本気なのか疑わざるをえない。

仮に「デモ」に集まった人々が議会の物理的な封鎖によって議決を不可能にすることを目的にしていたり、あるいは多数派議員に暴力を振るうことで恐怖状態に陥れ・少数派の実力行使に抵抗できない状態を実現しようとしているのであれば、それは少なくともデモクラシーに反する行為であるし、後者に至ってはテロルそのものだということになろう。その意味で、説得や意見表明を離れたデモにテロに似たところがあるという石破幹事長発言には一定の正当性があるということになる。

実際の文章を読めばわかるはずだが、石破茂幹事長の主観においてすら「単なる絶叫戦術」としか書いていなかった。否定する根拠は「多くの人々の静穏を妨げる」といった音量の感想のみ。

お探しのコンテンツは見つかりませんでした:朝日新聞デジタル

 自民党の石破茂幹事長が、自身のブログで特定秘密保護法案への反対デモを批判した部分は次の通り。

 今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。

 主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。

「ひたすら己の主張を絶叫」しているのに、どうすれば「説得や意見表明を離れた」という解釈になるのだろうか。大屋教授にとって、「主張」は「意見」ではないのだろうか。

それとも、この石破幹事長の主張すらも「理由があったのかもしれません」などと認めてあげなければならないのだろうか。

NakanishiBNakanishiB 2013/12/08 03:02  このツイートはすさまじかったですね、週刊誌やスポーツ新聞で「匿名の関係者」が語るレベルのものですね。司法や公的制度の信頼性の維持に(理論的理由もあって)ことのほかご執心の大屋教授は法学者の自分が公開されているツイート上でこのようなことを書くことによって何がおこるか考えなかったのでしょうか、法学は現実の司法と学者の間がかなり近いですから。むしろ司法より、政治に属する話ですが、特定秘密保護法の元となった有識者懐疑には専門の近い長谷部恭男教授が参加していますが、このような風説を公開の場で身分を明らかにしてばら撒いていたら、(現実には山のように疑問点があるとはいえ)法案の成立過程の当初に余計なに不安を持たれかねません。まあ、そういう公的制度に関わる場には参加しない覚悟があるのかもしれませんが、そもそも法曹の信頼性が既存されることを別に気にしていないなのか、そうでないなら自らの理論をまるで信じていないということも可能性としてはありそうです。

http://bunten.cocolog-nifty.com/bunten/2007/10/post_d6e8.html
 まあ以前から指摘されていることを繰り返しただけですすいません

Gl17Gl17 2013/12/08 11:18 世論の支持もない法案が通ること自体、弱者のデモ派にばかりぶつけられる「正当性のない少数(政権)に多数(国民)抵抗できない」状態の最も悪いケースですわな。
そこが分かっているからこそ、論理アクロバットを繰り返して実態のない立場の反転をぶつけたり、無根拠で『余程の理由』を捏ねあげたりするのでしょう。

そもそも反対派の支持が世論的に落ちているといった事実もなく、サヨクの態度が悪いから嫌われてる、とか言い出す筋もそうだろうし。(態度が悪いとか嫌われたとか言うなら、政権や推進側の態度、官房長官や幹事長のソレが国民的非難に晒されたのは一体どうなるのか)

Gl17Gl17 2013/12/08 11:54 大体デモのやり方が本当に暴力的ならすぐ逮捕されちゃうわけで。それを知らないのか、或いは知ってても知らないフリをして言ってるのか。
その気になったら逮捕排除できる相手に、多数(だと想定)でしかも支持がある(と想定)勢力が『抵抗できなくなる』って一体どういう情勢なのか。
多分誰もソレは具体的に言えない。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/12/09 00:19 生活保護法案が同時に通ったりしたのを見ると、間違いは多いほど追求する側の労苦が増えるというのを感じますね。


NakanishiBさんへ
>このツイートはすさまじかったですね、週刊誌やスポーツ新聞で「匿名の関係者」が語るレベルのものですね。

信頼性という意味では大差ありませんが、大屋教授の場合は自身が根拠を持ちあわせていないことを自覚しているはずなので、正体が明かされる可能性がゼロではない「匿名の関係者」の方がマシかもしれません。
“そうとでも解釈しないと理解できないくらいひどい”という逆説的な皮肉表現ならば良かったのですが、前後を見ても素直に解釈すれば陰謀論といわざるをえませんね。

まあ、今回のエントリでも、大屋教授の文章を引用しながら疑問をのべた私に対して、私がいっていないことを読み取りながらアドホックな反論をする(より正確には、自分が書いた言葉をなかったことにしている)大屋教授……という構図です。もともと大屋教授は陰謀論と親和性があったのでしょう。

>司法や公的制度の信頼性の維持に(理論的理由もあって)ことのほかご執心の大屋教授

もっとも、その信頼性の根拠が経験的な「確率」ですからね。その経験則が正しいとしても、より良い確率を目指すことを却下する根拠にはならんでしょう。
何度もいうように、ひとつの傍証というくらいなら認めてあげないこともありませんけどね……ちゃんと大屋教授が自身の主張を撤回訂正した後ならば、ですが。


Gl17さんへ
>世論の支持もない法案が通ること自体、弱者のデモ派にばかりぶつけられる「正当性のない少数(政権)に多数(国民)抵抗できない」状態の最も悪いケースですわな。

さらに、たとえ特定秘密保護法案にデモという手段で反対しているのが少数派であったとしても、少数なりに反対したという意思を表明する権利が人間にはありますからね。
国政を変えられないデモが全て無駄だという価値観は、まあ大屋教授の自由ではあります。しかしその価値観を根拠にして、少数派のデモが無駄にならないためには暴力行為が必ずおこなわれるかのような主張をするのは、「論理的な帰結」などとはとうていいえません。

もちろん国政に対する直接的な意思表明でなく、メディアや他の市民や諸外国へうったえる手段としてもデモは存在する。
また、日本の住人でも特別永住者などは選挙権を持っておらず、デモなどでないと国政に意見をとどけることができないという論点もありますね。
デモの目的ってひとつやふたつじゃない。テロと本質的に同じだという主張を擁護するために、そういう義務教育レベルの公民すら忘却してしまう大学教授というのも残念です。

>大体デモのやり方が本当に暴力的ならすぐ逮捕されちゃうわけで。それを知らないのか、或いは知ってても知らないフリをして言ってるのか。

それどころか、暴力的でなくても、転び公防や別件逮捕という問題がありますしね。
そこで、国家権力が社会運動を抑圧することについて大屋教授がどう考えているかというと、治安維持法に対して下記ツイートのように論評していました。

https://twitter.com/takehiroohya/status/409332410128408576
https://twitter.com/takehiroohya/status/409333194454876161
>20年で7千人なら年間平均350人なので、現代における殺人の半分。結構レアでは。 RT @SagamiNoriaki 治安維持法は二十年の間に七万人が国内で検挙されたというひどさだが、起訴されたのはその十分の一だったという。案外と少ないなあと思ったが、七千人は普通に多いな…
>もちろん時期による変動が大きいだろうけど。なお年間400件程度というと、公務執行妨害、売春防止法違反、銃刀法違反というあたりの件数。だから構わないとか言うつもりはないけど、インパクトは社会内部で片寄っていたということではあろう。

少数派に対する物の見方が、実に旗幟鮮明。
もうこれは学者や論者より前に、人間としてどうかと思う域ですよ……言葉が通じないわけです。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/12/09 01:07 ブコメに返答。


id:oktnzmさんへ
>haarpネタとかならともかく野党関係や支持率を犠牲にしてまで今国会で成立させる合理性は表にはなさそうだから裏でなんかあるんだろうねというのが普通の推論だと思うが。 2013/12/08

政党が常に合理性がある行動をとるという前提が間違いですよ。
さらに大屋教授の場合は、その「普通の推論」を自民党以外の政党や組織には向けないだろうな、という疑惑があります。事実、大屋教授はデモ組織に対して「普通の推論」を想定していませんよね?


id:weakrefさんへ
>絶叫してたら対話にならんだろw 2013/12/08

大屋教授ですら「対話」が必要といったことは書いておらず、「説得や意見表明」というレベルにとどめていますよ。
対立側が耳をふさげば、どれだけ説得や意見に妥当性があっても「対話」にはなりません。しょせん今回の「絶叫デモ」は石破幹事長の主観でしかありません。


id:allezvousさんへ
>「一年半前の主張」は、議員提出法案が違憲性を容易に帯びかねない危険性を一般に有するということであって

だとするなら、「政治主導とやらが少数派の意見や権利を守るという観点から見た場合に極めて大きな危険性を秘めていることについてはそろそろ理解していただきたい」と太字強調した文章は表現に誤りがあったと考えるべきでしょう。
私の立場からすると、少なくとも「政治主導」という表現はとりさげて「議員提出法案」へ訂正し、さらに「混同」の責任を私へ転嫁することへの謝罪くらいはほしいものです。

NakanishiBNakanishiB 2013/12/09 01:59 >生活保護法案が同時に通ったりしたのを見ると、間違いは多いほど追求する側の労苦が増えるというのを感じますね
 それ自体を現政権への反対派への批判に利用する人がうじゃうじゃいますからね。その点、歴史修正主義者や人種差別主義者を相手にし、このエントリーも書いたりする、法華狼さんやApemanさんには正直大変だなーと驚きます(感謝しますが)。

>信頼性という意味では大差ありませんが、大屋教授の場合は自身が根拠を持ちあわせていないことを自覚しているはずなので、正体が明かされる可能性がゼロではない「匿名の関係者」の方がマシかもしれません
 「匿名の関係者」の存在とその主張内容自体が記者のでっち上げであったりしない限りはそのとおりだと思います(^_^;)

>>20年で7千人なら年間平均350人なので、現代における殺人の半分。結構レアでは。 RT @SagamiNoriaki 治安維持法は二十年の間に七万人が国内で検挙されたというひどさだが、起訴されたのはその十分の一だったという。案外と少ないなあと思ったが、七千人は普通に多いな…
 ツイートしましたが、小林多喜二は虐殺されたときにそのときの逮捕容疑で起訴されたんでしょうかね。まあここまで来るとまともに受け取っている人はさすがにほとんどいないようですが。では、とりいそぎすいません。

Gl17Gl17 2013/12/09 12:48 一国の社会全体に於ける総殺人数と比較するっていう発想がもうね。逆に言うと当時の強権をもってすら1割しか起訴できないのに10倍も逮捕されてたわけで。どんだけ容易に引っ張られるんだよ、拷問アリやでしかも。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/12/10 00:28 NakanishiBさんへ
>それ自体を現政権への反対派への批判に利用する人がうじゃうじゃいますからね。

新しいエントリで言及した大屋教授の生活保護法がらみのツイートは典型でしたね。
そのツイートについては、秘密保護法案にデモで反対しているのが左翼だけという把握からして間違いだと思っていますけども。

>「匿名の関係者」の存在とその主張内容自体が記者のでっち上げ

もちろんその可能性も考えた上で、可能性はゼロではないということです(笑)。まあ実名の関係者の発言ですら、歪曲されたりすることがしばしばですけども。

>小林多喜二は虐殺されたときにそのときの逮捕容疑で起訴されたんでしょうかね。

こんな逸話がありますね。
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/takiji.html
>非合法組織の同志と会うために都内の路上にいた所を、スパイの通報によって逮捕される。この時、逃げようと走り出した多喜二に向かって、特高は「泥棒!」と叫び、周囲の人間が正義感から彼を取り押さえたという。

>まあここまで来るとまともに受け取っている人はさすがにほとんどいないようですが。

でも、大屋教授のブログを読んだ人は、そのツイートを見ても信頼性に留保をつけたりはしないようですね。


Gl17さんへ
>一国の社会全体に於ける総殺人数と比較するっていう発想がもうね。

個々人が多くの場合は衝動的に起こす殺人と、国家機関の法律下で組織的におこなわれたことが、法哲学の世界では同列に比較できるらしいですね。どこの世界の法哲学でしょうか。

NakanishiBNakanishiB 2013/12/11 05:07


>新しいエントリで言及した大屋教授の生活保護法がらみのツイートは典型でしたね。
そのツイートについては、秘密保護法案にデモで反対しているのが左翼だけという把握からして間違いだと思っていますけども。
 そうですね、似たような例としてこういうのがあります
https://twitter.com/yuuraku/status/407521957022666754
https://twitter.com/yuuraku/status/409971430042767360
 どうも、自分は自民党が通した特定秘密保護法は反対だということのようです。これに比べればそれを許容可能であることはっきりさせている大屋氏は誠実というべきでしょうね。

>非合法組織の同志と会うために都内の路上にいた所を、スパイの通報によって逮捕される。この時、逃げようと走り出した多喜二に向かって、特高は「泥棒!」と叫び、周囲の人間が正義感から彼を取り押さえたという。
 これは聞いたことがあります。なんともも皮肉で悲惨ですが、反対するやつらが嫌いだからという悪意の言説がまかり通る現在は戦前より「劣化した」ということになるのでしょうか(T_T)。では、こちらへのご返事を忘れていたので余計ですがすいませんでした。

hokke-ookamihokke-ookami 2013/12/13 00:25 >そうですね、似たような例としてこういうのがあります

あー、これはひどいですね。選挙権だけが「普通」の権利で、デモは行使するだけで色眼鏡を使える権利と主張。

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