法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ブレイドアンドソウル』雑多な感想

復活したGONZOが制作を担当し、現在となっては珍しい、重要な場面でも平気で作画ががたつくアニメだった。制作状況に見あったキャラクターデザインでないことも問題だったか。
物語も目的や出口が見えず、生きていくことのどうしようもなさが延々と描かれるばかり。ED後のミニコーナーで解説を担当する少年が、本編では主人公と出会ってすぐ死亡し、その後のミニコーナーは頭上に光の輪がある状態でおこなうという、番組フォーマットとシリーズ構成の齟齬も多かった。


しかし、そうしてハードボイルドな主人公の心が弱くなった果てに待ち受けていた結末は、かなり納得できるものだった。
西村聡コンテによる激しいアクションの末、主人公は復讐しないことを決める。ここで大きいのが、相手が無理やり蘇生されたアンデッドで、主人公に殺されることを求めていること。それでも相手への罰ではなく、ただとりあえず生きていることを肯定する。
第八話を担当した山内重保監督や、最近では『革命機ヴァルヴレイヴ』で知られる松尾衛監督の手がけた作品に近い印象。
『ブレイドアンドソウル』第八話と、全体の雑多な感想 - 法華狼の日記
それまで主人公が出会ってきた人々を点描していく結末も、オーソドックスだが美しい。いずれにせよ俗世には遠い存在の主人公が、結末で最後に出会うのが実利のみを求める少年という対比も、主題を上滑りさせないことに成功している。


……そのような美しい結末の後、映像ソフトの特典OVAのような最終回で台無しっぽくなるダメさも、GONZOらしくて個人的には嫌いじゃないよ。