法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハピネスチャージプリキュア!』第37話 やぶられたビッグバーン!まさかの強敵登場!

今回はTAPが作画の全面的な下請けで、作画監督がフランシス・カネダとジョーイ・カランギアンのふたり。かなり絵面が厳しくて、止め絵の表情もゆがみ気味。新しい敵は最後に登場するだけで戦いもしないのは、結果的に良かったかな。
物語もゆがんでいるというか、前半で描いた葛藤を放置して、後半で唐突にあらわれた敵を倒すという構成。その前半の葛藤が、イノセントな神ブルーのふるまいに、戦いに参加できない少年が疎外され鬱屈するというもので、戦闘が描かれるべき後半に自らの行動で解消しづらいという、番組フォーマットに収めにくいもの。どうするんだろうかと本気で心配している。

『烈車戦隊トッキュウジャー』第33駅 カラテ大一番

住人に怪人が注射器をセットし、一定時間後に毒が注入されることに。タワーの頂上で待ちかまえる怪人へたどりつくためには、戦いながら登っていくしかない。映画『死亡遊戯』のようなシチュエーションがスーパー戦隊で展開される。


思えば、敵が人間の絶望を糧にするという作品フォーマットがよくできている。苦しめるために命だけは奪わないこと、より苦しめるためにバラエティある手段を講じること、それらを自然に設定で説明する。怪人が一体だけなのも、苦しめる方法を同時に複数は使えないためと考えることができる。
逆に戦隊側は手段を選ぶ必要がなく、変身しての突破を試したりする。そしてそうした作戦へ怪人側も対抗しようとして、敵味方が状況を読みあう。
怪人の隠していた真実までは、なんとなく雰囲気で察することができた。しかし映像として伏線がちゃんとはられていたので納得感が高い。見返すと、ちゃんとそのように撮影され、背景や芝居も納得できるものになっている。さらに空手の師匠に手を握ってもらった思い出が、ドラマにおりこんだ伏線として機能するにいたっては、まったく予想外だった。


映像もまずまず。今回は生身で戦うということで、変身前の姿で格闘するシチュエーションが多くて新鮮。パルクール回での俳優の身体性にも驚いたが*1、今回は戦闘訓練の演武から突然の腕試し、タワーを登りながらの格闘戦まで見事な動きをみせる。
1号ライトを演じる志尊淳は格闘技経験が豊富で、4号ヒカリを演じる横浜流星極真空手で世界大会優勝の経験もあるというのは後で知ったが、なるほど動きがさまになっているわけだ。
ただ死亡遊戯的なシチュエーションが最大の見せ場のはずなのに、階段がせまいロケ地のためか、怪人のスーツが動きにくいのか、他の場面に比べると精彩を欠いていたかな。