法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』空とぶマンガ本/ぬれぎぬを着せよう!

原作をふくらませた前半と、アニメオリジナルの後半。それぞれ田中薫と久保園誠が作画監督していて映像は良かった。


「空とぶマンガ本」はママに漫画本を捨てられないようにと、スネ夫とともに秘密道具「無生物催眠メガホン」を活用する。
のび太スネ夫の2人組で協力するエピソードというのも珍しい。まあジャイアンの漫画本は友人から永久に借りたものばかりだし、しずちゃんが捨てられるような行為はしそうにないし、隠すべき漫画本を大量に登場させるには順当なところではあるか。
今回はママ2人組が追いかけるシークエンスが長く、そこでアニメ的な魅力を出そうとしている。しかし原作のオチはスネ夫が知恵を使おうとして策におぼれるから面白かったのであって、同じオチでも緊急避難的におこなった今回はテイストが違う。


「ぬれぎぬを着せよう!」はパクキョンスンがコンテ。さまざまな怒りをターゲットに向けさせる秘密道具「ぬれぎぬ」が登場する。機能としては「タッチてぶくろ」にそっくり*1
今回はスネ夫には復讐がかなうも、ジャイアンへの復讐はうまくいかない。“実はジャイアンがいいやつだった”というパターンを逆転し、のび太が口先三寸で利用されるところは意外性あって面白かった。
しかしジャイアンへの復讐は中途半端な上、泥棒を放置して終わるオチは消化不良。ぬれぎぬを着せることが良くないというメッセージをつたえたいのなら、もっと納得感がほしかった。投げっぱなしオチそのものは嫌いでないが、ちょっとジャイアンへの復讐がうまくいかない展開が長かったから、どこかで爽快感もほしかった。

*1:原作には何度か登場しているが、てんとう虫コミックス第40巻は「空とぶマンガ本」も収録されている。http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6159/d-40.html