法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』横取りジャイアンをこらしめよう/あちこちひっこそう

今回は前後ともに単行本収録作からアニメ化。アレンジも抑え目で、いくつか描写を足したのみ。


「横取りジャイアンをこらしめよう」は、ジャイアンが他人の物を奪う問題と、のび太の散らかし癖を、秘密道具「位置固定スプレー」で一気に解決しようとする。
スプレーを使えば、散らかした物は勝手に最初の位置に戻るし、奪われた物も一定の距離で戻ってくる。奪われまいと抵抗するジャイアンが地面にひきずられるオマケつき。
今回のアレンジ要素は、ジャイアンがひきずられたまま持ち主のところに戻り、のび太からスプレーを奪うという新展開。そのスプレーを調子に乗って使って失敗するというかたちでジャイアンに罰がくだる。アニメオリジナルながら流れに違和感なく、良かった。
なお作画は特に良くも悪くもなし。贅沢に作画枚数を使って元に戻っていくアニメーションをすれば見せ場になったろう。そういえば『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』が魔法で似たような描写をしていたっけ。予告の22秒あたりで見られる。


「あちこちひっこそう」は、ひっこしを何度もする友人をうらやましがり、のび太も秘密道具「ひっこしセット」でひっこししようとする。
映画館の隣に住んでいるからといって、無料で映画を見せてもらえるという発端に、今となっては違和感が少々。まあ、昔の映画館なら騒音の迷惑料として鑑賞させることがあったかもしれないし、個人経営の映画館ならば近所づきあいで子供に見せてやることもあるのかな。
本編の展開も、藤子F好みの落語みたいなトボケぶり。近所づきあいで厚遇してもらうためひっこすという遠回りから、近所づきあいがポイントなのに建物の場所だけ変える秘密道具という無意味さ、当然のように起こるトラブル、何も知らないまま巻きこまれるママ……
誰もが状況を理解できていないというギャグの切れ味を落とさず、きちんとアニメ化していて、普通に良かった。