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法華狼の日記

2016-02-13

[][]「小説家になろう」で異世界転生が多いのは、単純に二次創作の人気ジャンルとして残っただけという可能性はないのかな

読者側や作者側の方針は指摘されているのだけれど、なぜか公開側の事情についての文章を見かけないので、念のため書いておく。

なぜなろう小説に異世界ファンタジーが多いのか - orangestarの雑記

かつての「小説家になろう」は二次創作作品も多かった。オリジナル作品ばかり掲載されているのは、運営の方針が二次創作の全面禁止にふみきったため。

ガイドライン || 二次創作の投稿に関して

ガイドラインに明記されているように「作成及びインターネット上での公開を許可されている企業様並びに作者様の関連」「著作権の保護期間が終了している作品」はもちろん禁止ではないのだが、それですら「条件にあてはまる一部の作品に関しましては、運営側で情報を確認の上、投稿を受け付ける場合がございます」と許諾には慎重な書きぶり。

そこで二次創作のみを作りたい作者は、それが許容されているサイトとして「Arcadia」「ハーメルン」等に移動していった。しかし二次創作のように既存の枠組みを利用しつつ、それが特定作品の枠組みでないジャンルは残ることができた。そうして昔からの作品群が残ったことで他より多く目立つジャンルがVRMMOであり、異世界転生であった……という側面もあるのではないか。

つまりは別の意味で「ケチがつけられない」ジャンルが残ったということ。


こう考えると、世界設定の表層においてオリジナリティが低い作品が目立つのも必然的といってもいい。借用した部分のオリジナリティが低いからこそ、二次創作の禁止規定に引っかかりにくかったし、たとえ引っかかったとしても修正しやすい。

たとえばなろう小説を1500万文字以上読む荒行の末に得た知見を共有するよ! | はげあたま.orgで「転生などはない純粋な異世界ファンタジー」として薦められている『死神を食べた少女』も、「ドラゴンクエストIII」の二次創作をオリジナルに書きなおした同作者『勇者、或いは化け物と呼ばれた少女』から、さらにスピンアウトした作品だ。絶賛されている『幻想再帰のアリュージョニスト』も、著作権に引っかからない流行を元ネタにした一種の二次創作のはず。


……と、ここまで書いて現在の流れとは異なる意見を検索したところ、約1年前にid:mizunotori氏がまとめていたエントリを見つけた。

「小説家になろう」の異世界ファンタジーと『ゼロの使い魔』について簡単な整理 - WINDBIRD

より具体的に元ネタとして流行していた作品もあげられている。その元ネタの作品も、『ゼロの使い魔』は『ハリーポッター』、『名探偵コナン』はさまざまな古典ミステリを元ネタにしていたのが興味深い。

NakanishiBNakanishiB 2016/02/14 18:46  ちゃんとコメントしようと思ってなかなかできないでいたのですが一つだけ。転生はあそこまでいい加減なんだからそういうもんだと思って笑っていたんですが、何でゲームの世界に行くんだろうと謎だったんですが(オーバーロードみたいな意味もなさそうだし)、ゲームの世界というのが今に文化での共有世界(集合無意識?)のようなものなのでしょうかね。そういう意味では安易ですが、安易でやってますというのが看板の作品ですからね、予算も尺もないのではっちゃけているのは悪くないです。

yonocoyonoco 2016/02/16 19:00 なるほど、それなら所謂チートとメアリー・スーとの共通項とかもわかりやすいですね

hokke-ookamihokke-ookami 2016/02/18 21:11 NakanishiBさんへ
>ゲームの世界というのが今に文化での共有世界(集合無意識?)のようなものなのでしょうかね。

そもそも「小説家になろう」自体がWEBサイトなわけで、異世界という設定でオンラインゲームを思いつくのは自然な発想だと思います。
そういう意味では「トラック転生」という方法が一般的になっているのが謎といえば謎。若者にとって最も身近な死が事故死ということは考えられますが、他にもっと自然なシチュエーションがありそうなのに。


yonocoさんへ
WEB小説の黎明期から人気を集めていた『SAO』だって、すでに仮想現実ゲームにとらわれる先行作品があって、主人公がβテスターとして周囲より有為なところが特色だったわけですしね。
で、そうした先行作品におけるゲーム描写が、何かひとつの作品を特定するものではなかったからこそ、二次創作という立場にはならなかった……ということなんじゃないかと。
良くも悪くも『クラインの壺』『クリス・クロス』から『.hack』まで、無数に仮想現実物があったから、そういう成立したジャンルの1作品という立場で『SAO』が存在することができた。

とれとれとれとれ 2016/02/19 22:58 かつてのにじふぁんでは「りりかるなのは」の創作も多かったですね。作品内で主人公の幼少期から描写されているからか、こちらの方が現在の異世界転生同様の生まれ直し・チート付与が多かったと思います。

「トラック転生」は、学生に身近な不慮の死であり、動物や子供をかばって…というシチュエーションによって、不憫に思った神様にチート能力付与で望みの世界へ送られるというプロットに整合性を持たせようとしたものが、色々と端折られたものが現在の多数の異世界転生ものの冒頭部なのでは。

hokke-ookamihokke-ookami 2016/03/04 15:18 「周囲より有為」は「周囲より優位」の変換ミスです。

あと、SagamiNoriaki氏の指摘については、「オリジナリティ」という言葉の選択が良くなかったのかも、ということは思いました。
https://twitter.com/SagamiNoriaki/status/699211430348718080
https://twitter.com/SagamiNoriaki/status/699211939872796672
このエントリでは二次創作しようとすれば特定作品へ紐つかざるをえないことを「オリジナリティ」と呼んだわけで、たとえば歴史上の出来事であれば作者にとっては二次創作と同じ気分で創作しても二次創作というカテゴリには入らない。


とれとれさんへ
>にじふぁんでは「りりかるなのは」の創作も多かったですね。

いわれてみれば、ゼロ年代ごろ別作品とクロスオーバーするタイプの二次創作でよく見かけました。個人的にクロスオーバー型の二次創作がそれほど好きではないので、タイトルを見かけても読みはしませんでしたが。

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