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法華狼の日記

2016-03-08

[]運命論に流れるようでは日本の原子力政策は信用できないと思うしかない

フジテレビによる班目春樹インタビューを読んで、その内容に唖然とするしかなかった。

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班目氏は「(『班目委員長は、水素爆発はないと言ったじゃないか。しかし爆発が起きたじゃないか。この辺りから、菅首相と、あるいは首相官邸と班目氏との信頼感が揺らぐというような空気になったのか)なんとなく、あの爆発の映像を見せられてから、菅総理からは、信用されなくなったなというのは、ひしひしと感じました」と語った。

重要な局面で、専門家としての役割を十分に果たせなかった班目氏の失態。

それは、結果として、のちに「暴走」とも指摘された、菅首相ら官邸主導の原発対応を招く一因となる。

班目氏は、「あんな人を総理にしたから罰が当たったのではないかと、運命論を考えるようになっている」と語った。

「運命論」と、どこか、人ごとのように5年前を振り返る班目氏。

フジサンケイらしく「官邸主導の原発対応」について批判的な表現を採用しつつ、インタビューに答えた班目氏に対しても「どこか、人ごと」と手厳しい。実際、そうせざるをえないような内容だ。

しかも映像で確認すると、「罰」ではなく「天罰」と、笑いながら語っている。いくらなんでも良い印象は持てない。

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原子力安全委員会の委員長が、自他の責任のありようを思索するのではなく、運命論に身をゆだねている。しかも、ただ責任を回避するのではなく、自身を信用しなかった首相と選んだ人々へ責任を転嫁するような内容だ。

本気で信じているわけではないにしても*1災害へ天罰論を持ちこむことは看過できない。天災であれば罰を見いだすべきではないし、人災であれば当事者が逃げだしてはならない。

念のため、インタビューでは班目氏が避難民へのもうしわけなさを語ったり、現在の原子力政策に対して「安心しきった途端に、とんでもないことになります」と答えている部分もある。元委員長個人の考えを日本の原子力政策と単純に同一視するつもりもない。

しかし、責任を回避する運命論が公言されているということは、まともに責任の所在をたしかめることも、きちんと責任を負わせることもできていないということ。無責任な政策を信用することは大変に難しいことだ。

*1:本気で信じてしまうほど心理的に追いつめられているのであれば、班目氏個人への悪印象は薄くなったかもしれない。

Gl17Gl17 2016/03/09 12:40 よく脱原発に反感抱く層が言い募る主張に「政治マターや党派性で騒ぐな」てのがありますが、そもそも原子力行政と保守政治側の主たる問題対処がこういう「政敵に責任を擦り付ける」メソッドなんですわな。安倍現総理が当時メルマガでデマ流して支持層が未だに拡散に励んでいたり。
反・反原発が言い張る「党派性非難」も結局、保守側には一切矛先が向かないのだから、形を変えた党派性の発露でしかない。

桂馬桂馬 2016/03/09 18:37 他のインタビュー記事でも感じたのですが、斑目さんは良くも悪くも「学者」なんですよね。
事象を自らの知見で分析するが手に余るもについては一歩引いた視点で観察する。
それが緊急時に対策を求められる政治家からしてみれば悠長に映ったのでしょう。

本来は様々なケースを想定して事前の対策を練る段階でこそ力を発揮するタイプなのでしょうから、あの状況下でスケープゴート扱いされてしまったのは気の毒でもあります。

「想定外」で対策を怠ったことに言い訳し、結果に対しても誰も責任を取らない、安全神話を作り出した無責任システムを変えない限り、斑目さんのような「お飾り」も無くならないでしょうね。

一読者一読者 2016/03/11 21:30 「無責任の体系」という言葉を久しぶりに思い出しました。

TeruTeru 2016/03/19 21:12 >責任を回避する運命論が公言されているということは、
>まともに責任の所在をたしかめることも、きちんと責任を負わせることもできていないということ。

http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2016-03-16&ch=21&eid=23769&f=3356

NEXT 未来のために▽科学者65歳研究室を出る 広島原爆 残された謎を追って

広島大学・原爆放射線医科学研究所の大瀧慈教授が定年を前に、
原爆には起爆の瞬間(直接居合わせて浴びた)以外にも被爆経路があるのではないかと考え、
投下後に広島に入った陸軍(船舶特別幹部候補生3期)の元隊員達に積極的な調査を行うという話でした。

64人の元隊員生存者の回答を統計処理したところ、
爆心地から1kmを越え2kmのエリアにおいても、
粉塵(ほこり・もや)の記憶と、急性症状や、後のガン既往歴に強い相関が出ていたとの事。

退職に際しての講義で「そのような考え方は市民権を得ているのかと突っ込まれる。
市民権を得てないからこそやるべきだ。
それで何か得られれば研究者冥利に尽きる。
そのことが新しく今救えていない人も救えるようなことにつながるのであれば
それ以上望むことはない。」

さて、班目氏にとっての「研究者冥利」とは、いったい何なのでしょう。

TeruTeru 2016/03/19 21:17 >NEXT 未来のために▽科学者65歳研究室を出る 広島原爆 残された謎を追って

2016年3月17日(木) 午前0:10〜午前0:40(30分)のNHK総合にて放送された番組における、
「研究者」、こと大瀧慈教授の対照的な姿勢を、このコメント欄に書いておきたいと思います。

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