法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』空飛ぶうす手のじゅうたん/うわさをサキ鳥

前半に原作あり、後半は原作の同種エピソードを発端にしたオリジナル展開。


「空飛ぶうす手のじゅうたん」は、飛行を意味する言葉を発するだけで飛びあがり、コントロールがきかない欠陥道具。それで服をつくって着てしまったしずちゃんを助けようと右往左往……
ほぼ原作通りの展開。先生の言葉をさえぎるため無理にはしゃぐドラえもんの死んだ目が楽しい。オチが主題歌なのも原作通りで、もちろん原作ではリニューアル前の主題歌がつかわれていた。アニメオリジナルは宣伝カーや移動販売車の宣伝文句に困らされるところだけだが、単調でしつこすぎたかな。
コンテ演出は小倉宏文魚眼レンズのように室内を見せたカットなど、おもしろい構図がところどころあった。


「うわさをサキ鳥」は、新鮮な噂話ができるスネ夫*1に対抗して、のび太はロボットの鳥が記録した噂を集めつづける。その無責任な行動が周囲を傷つけ、ついに男女交際を破局させそうに……
ほとんど「レポーターロボット」*2そのままの物語。名前こそ違うが、おみあいに失敗した回数も同じだし、その誠実さに女性が好印象をもつ結末も同じ。違いがあるのは、「サキ鳥」が3羽いることでスネ夫が1羽うばって利用する展開が入ったことと、無理やり聞きだすレポーターと違って噂を流された後が問題になること。
中盤からは、困ったのは取材対象だけで大衆は噂を喜んで聞きつづけた「レポーターロボット」と、噂ばかり追って生活を壊す問題や聞きたくない噂もあることを描いた「うわさをサキ鳥」とで、メディアの問題を違った角度から風刺できていた。

*1:タブレットまで使っている。

*2:リニューアル後に「恋のウワサはやめられない」のタイトルでアニメ化ずみ。『ドラえもん』恋のウワサはやめられない/時間よ動け〜っ!! - 法華狼の日記