法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『双星の陰陽師』第30話のEDを見て、あえて稚拙な表現をつかう技巧の効果を深々と感じる

アニメオリジナルエピソードのクライマックスとして、主人公ふたりが守りつづけていた幼女が自己犠牲にいたる。
STORY | TVアニメ「双星の陰陽師」公式サイト
来歴不明のアニメオリジナルの幼女ということから予期された結末ではあったが、味方組織が主人公たちの意思を確認して犠牲にしない決断をしていたことなど、倫理的な問題にぎりぎりまで注意をはらっていたのは良かったが、それだけだった。
しかしEDに入って、主人公の少女が勝手に作った謎ヒーロー「おはぎまん」の紙芝居がはじまり、ハッピーエンドなストーリーを幼女の声が読みあげることに涙腺が決壊してしまった。どこまでも稚拙な絵空事なのだが、絵本版『アンパンマン』のごとき完璧な理想主義でもあり、これを否定してはならないと感じてしまう。
それと同時に、美麗に描写された完璧すぎる描写より、あえて稚拙に隙をつくった描写のほうが、油断させられて感情をゆさぶられやすいこともあるのだな、と改めて思った。
絵自体もアマチュアが手作りしたように稚拙な絵をあえて作成。公式サイトの各STORY一覧ページのサムネイル画像に使われているくらい、印象的な絵だ。
STORY | TVアニメ「双星の陰陽師」公式サイト