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法華狼の日記

2016-12-26 上げたのは1日後

[][]「国家権力と密接なカルトと、カルトの二択なら、前者を選びます」「それは二択として成立していないのでは?」「国家権力と密接なカルトは定義としてカルトではない」「あっはい」

大阪大学菊池誠教授が、留意はしつつも、靖国とカルトならば前者を選ぶとツイートしていた。

このツイートへの異論に対して、カルトとの危険を比較して靖国を選ぶとまで断言した。

どちらも拒否するべきという異論*1に対しては同意しつつ、やはりどちらかを選ぶしかない問題だと重ねて主張している。

しかし政治家を選ぶ場合であっても、棄権も選択肢のひとつではあるし、そもそも選挙だけが意思決定の手段ではない。

両方への批判を公言することはいつでもできるし、本来ならばデモや陳情という選択肢もある。

菊池教授のような立場ならメディアを通した発言も可能だろう。


また、どちらも拒否するべきという異論でも指摘されているように、菊池教授はカルトとカルトの二択という奇妙な問題設定をしている。

まず靖国神社とは、意外と新しい宗教のひとつだ。明治時代につくられており、江戸時代末にできた天理教よりも遅い。

天理教(てんりきょう)とは - コトバンク

大和国山辺郡三昧田村 (奈良県天理市) の庄屋前川半七,きぬの長女として生れ,のちに中山善兵衛にとついだ中山みきが天保9 (1838) 年 10月 26日 41歳のとき,天啓により開教した。

靖国神社(やすくにじんじゃ)とは - コトバンク

明治2 (1869) 年,明治維新の殉難者 3588柱を祀るため東京招魂社として創建され,1879年靖国神社と改称した。

もちろん靖国はカルトの性質もいくつかそなえている。

カルト(カルト)とは - コトバンク

祭儀,儀式,崇拝を意味することばが転じて,特定の人物・事物を熱狂的に崇拝,礼賛すること。または,そうした行動をとる集団や教団をさす。

戦前や戦中はいうにおよばず、戦後も遺族や本人の意思を無視した顕彰をおこなっていたり、おおやけに日本の戦争責任を否認するような問題をおこしている。

靖国神社問題(やすくにじんじゃもんだい)とは - コトバンク

2005年ごろからは、靖国神社付属の戦争博物館遊就館(ゆうしゅうかん))の展示が、太平洋戦争の戦争責任はアメリカ側にあるとしていることが、欧米でも報道されるようになり、アメリカ国内からも靖国神社批判の声があがるようになった。

特定人物を崇拝せず農本的な閉鎖生活を目指すヤマギシ会のような事例に比べれば、よりカルトらしいという評価も可能だろう。

ヤマギシ会(やまぎしかい)とは - コトバンク

山岸巳代蔵(みよぞう)(1901―61)の創始による、無所有・共用・共活を行動原理とする日本最大のコミューン運動。


しかし靖国をカルトとして位置づけられないという問題は、「カルト」の定義ともかかわってくる。

カルトと既成宗教を区別する基準に、カルトが既成宗教に対する異端であることと*2、小集団であることがある。

過激で異端的な新興宗教集団をさす。英語圏では正統的キリスト教を「教会」church、その分派を「セクト」sectとよぶのに対し、異端的または異教的小集団を「カルト」とよぶ。

つまり集団が巨大化して国家権力と一体化し、社会への影響力が増していくほど、カルトというあつかいが難しくなってしまう。たとえば遺族の意に反して自衛官を合祀した問題の訴訟において、逆転原告敗訴の最高裁判決が出たが、これは靖国が国家権力と一体化してこその結果だろう*3

他にカルトの定義のひとつとして、正体を隠して布教するという条件が考えられている。これもカルトが正体を隠す必要がないほど強大化すれば、定義から外れていく。

カルト被害を考える会・会報71号

「正体を隠して勧誘する」、「不安をあおる教え込みをする」、「法外な献金や資金提供を要求する」、指導者に絶対服従を要求する」、「精神的・性的に虐待する」、「脱会の自由を認めない」ことを挙げ、これらのいくつかが当てはまればカルトである可能性が高いと述べました。

ちなみに、カルト問題を専門的にとりあげているWEBメディア「やや日刊カルト新聞」の創始者も、国家神道や靖国もカルトだという意見に対して、詳しくないことを明かして、違う気がすると評していた。

社会の異物という観点からのみカルトを批判すると、とりこぼすものが多くなる。

カルトが国策につごうのいい主張をした時、危険視することができなくなってしまう。

風潮に判断をゆだねると、被害者が抑圧されている場合には批判できなくなってしまう。


実際に、幸福の科学関係者*4を情報源とした平和運動への批判を、菊池教授はそのまま紹介して「正義が暴走すると人の不幸を望むようになる」とツイートした。

批判を受けてか現在は削除しているが、批判へのリンクを消してほぼ同内容のツイートをしている。

「やや日刊カルト新聞」の創始者も、アングレーム国際漫画祭に韓国政府が従軍慰安婦問題の出品を推進したことと、カルトが従軍慰安婦問題を否認する展示を企画したことを、「同レベル」あつかいするツイートをしていた*5

漫画祭におけるカルト側の主張は日本政府の主張ではないはずだが、はからずもこのツイートは形式として同一視している。

現在のところ、幸福の科学そのものは思想や陣営の別なくカルト視されていると思っているが、この様子ではその一線を守ることすら危うい。

*1靖国もニセ科学も両方ともカルト。どちらも断固として拒絶すべし - kojitakenの日記

*2:同語反復的だが。

*3:そもそも個人情報が公的機関から一宗教団体へ流されたという問題が前提としてある。誰が靖国に英霊を公表したのか - 法華狼の日記

*4手登根安則氏。id:zu2氏のサイトがくわしい。ず’s - 幸福実現党発の文書

*5:漫画祭の主催者により、戦争犯罪を否認するカルト側の展示は完全に撤去された。韓国側の展示説明は漫画表現を逸脱しているとして一部が撤去されたが、作品展示自体はとどこおりなく終了している。アングレーム国際漫画祭で、日本作品がノミネートされているという情報と、ALL JAPANを称する団体がしめだされたという報道 - 法華狼の日記

ガラクタ童子ガラクタ童子 2016/12/28 21:17 キクマコ氏はどんどんおかしな方向に走って行ってます。
欅坂がナチスの衣装とポーズをしたことが批判されたとき、「SWCにチクったの誰だ?」とばかりに、通報を悪者扱いしてましたし。
キクマコ氏が反オカルトの旗頭と思われるのはもう嫌ですね。

通行人通行人 2016/12/29 18:43 はてブで出てる「反社会性」の要件って要するにこの記事で言うところの「社会の異物」とほぼ同義なのでは…。
そもそもこの問題の建て方なら”実際の”そのカルトの危険性と靖国の危険性を”具体的に”比較検証するのがきくまこさんの言うところの科学性なんじゃないのかなと思いますが。
正しいかはさておききくまこさんはよくそういう思考法使ってませんかね。

凡人69号凡人69号 2017/01/01 11:48 本年も時折お邪魔いたします。

>集団が巨大化して国家権力と一体化し、社会への影響力が増していくほど、カルトというあつかいが難しくなってしまう。

国家神道っていうと、アメリカ共和党政権(特に子ブッシュ政権期)におけるキリスト教福音主義派を思い浮かべてしまいます。

国家神道における靖国神社の立場は、戦時体制が強まるにつれてある意味、国家神道の大元ともいうべき伊勢神宮以上の存在になっていったのではないかと思っています。

凡人69号凡人69号 2017/01/08 12:28 汚い例えで申し訳ないのですが・・・
きくまこ先生が言っていることって、「カレー味のウ○コは食べ物じゃないないけど、ウン○味のカレーライスは食べ物だから、俺はそっちを選ぶよ」と言っているようなものかなァ・・と思ったりしています。
やや日刊カルト新聞で思い出しましたが、「やや日」が昔、労働問題を扱うPOSSEと極左団体との関係をあれこれ書いてましたが、あれ、実際のところどうだったのかなと。極左団体がPOSSEのビラを持って勧誘しただけで結びつきを断定したのだとしたら、ネット界隈によくある『潮』や『第三文明』のグラビアあたりに載っているだけで“創価認定”したり、赤旗の取材を受けただけで“サヨク認定”するレベルじゃないかと思いますが。

ふくだふくだ 2017/01/26 22:07 はじめまして、こんにちは。
いくつかお聞きしたいことがあります。
ブログ主さんが挙げているネット辞典の「カルト」の定義によると、
この世にある、反社会的な行動を取っていない多くの宗教、信仰の形が「カルト」と見なされうると思います。
それは私の信仰も例外ではないです。
「熱狂的に崇拝,礼賛する」か否かで分けている、といわれるのかも知れませんが、
信仰の形を外部の人がそもそも「熱狂的」かどうかと判断できるものなのでしょうか?
ブログ主さんは、この定義について是とされるのですか?

またそもそも、ある信仰の形を「カルト」と呼ぶこと自体を是とされるのですか?
私は文中に出てくる靖国神社の宗教としてのあり方を明確に拒絶しますが、
それでも彼らのことを「カルト」と呼ぼうとは決して思いません。

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