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法華狼の日記

2017-02-09 上げたのは2日後

[]神奈川県生活保護担当職員が受給者へ攻撃的なグッズをつくっていた問題が、当初の報道よりも大規模だった件

ジャンパーとポロシャツにくわえて、新たに8種類のグッズが作られていたことが発覚したという。

カップ・ペン…新たに8品不適切 「保護なめんな」問題:朝日新聞デジタル

8品目はTシャツ、半袖シャツ、フリースマウスパッド、マグカップ、ボールペンなど。ジャンパーが製作された翌年の2008年から16年に、職員有志が自費で作っていた。

ここまでくだらないことに給料を浪費できる身分なら、なるほど受給者の立場になって考えることなど不可能だったろうな、と皮肉のひとつもいいたくなる。

そうしたグッズ制作に税金を使っていると考えると*1、必ずしも悪意のない不正受給よりもはるかに悪質といえないだろうか。たとえば一時期に芸能人が攻撃された親類の扶養は義務ではないため、本来は形式的な不正ですらなかった。

子供がアルバイトした場合の申告漏れなど、きちんともらえる立場でも手続き不備で不正受給にカテゴライズされるケースも少なくない。ちなみに同じ神奈川県で修学旅行に行くため長女がアルバイトしていた一家が生活保護費を返還するようせまられた事件では、家族側の勝訴で裁判が終わった*2

Tシャツには「生活保護費支給日100回記念」の意味とされる英語と職員の似顔絵もプリントされ、担当期間が8年を超えた職員をねぎらうために作ったという。マウスパッドやマグカップは異動する職員への記念品、ボールペンは出産祝いの返礼の品とされる。

当初は有志が悪ふざけで作ったとされ、それはそれで問題だったが、上層部が直接的に問われるのは管理責任にとどまるという意見もあった。

念のため、グッズ制作を上層部が認識していなくても、生活保護の受給額をしぼろうとする動きはひとつの現場にとどまる問題ではなく、受給者を攻撃するような現場の思想も行政全体が育てていたと解するべきだろう。

しかし数年間にかけて記念品や返礼品として作られたグッズも複数あるとなれば、上層部がまったく知らなかったとも考えにくい。むしろ地位の高い人間が主導して配布していた可能性すら感じられる。


また、こうしたグッズ制作の動機として、発覚した当初は元受給者から攻撃された事件があると報じられていた。

生活保護「なめんな」、上着にプリント 小田原市職員ら:朝日新聞デジタル

小田原市では07年、生活保護費の支給を打ち切られた男が市職員3人を杖やカッターナイフで負傷させる事件があった。市によると、当時の生活保護担当職員らが事件後、不正受給を許さないというメッセージを盛り込み、このジャンパーを作った。その後、担当になった職員らが自費で購入。現在は28人が所有しているという。

もちろん、ひとつの傷害事件から不正受給問題の提議に向かうこと自体が的外れだという批判は当初からあった。甘くみても不正受給への対処にはなりえず、内輪受けの悪ふざけでしかないだろう。

しかし今回に報じられたくらい広くグッズが配られていたとなると、もともとも職員側に差別的な思想が蔓延していて、結果として傷害事件が起きたのではないかと疑いたくもなる*3

*1:もちろん、いったん給料として受け取った金銭をどのように職員が使おうとも自由ではあるべきだ。しかし生活保護費の使用目的の制約と比べて、いささか公正を欠いているとは改めて思わざるを得ない。

*2生活保護家庭の女子高生アルバイト代返還騒動の結末とは | 週刊女性PRIME [シュージョプライム] | YOUのココロ刺激する

*3:さすがにこれは関連性を強く求めすぎとは自覚しているが。

    555    555 2017/02/12 22:15 しんぶん赤旗(2017.02.12 日曜日)では『背後に配慮かけた保護行政』の記事。
「職員欠員の多さ/専門研修もなし」の見出し、「保護行政と異質」「発端の傷害事件」「制度学べぬ体制」小見出し。
記事によると、例の障害事件では市内のアパートで生活保護受給の男性が家主に賃貸契約の更新を断られ、
生活保護支援課は無料定額宿泊施設を紹介するけど男性が入所を断ることに。
その後し、職員がアパートを一回訪問するも男性とは会えず、
アパートの入居契約が切れたため同課は男性を「入居実態不明」と判断し
保護を廃止、アパートには男性の家財道具が取り残されていた。
翌月、保護費が金融機関の口座に振り込まれなかったことにいぶかった男性が同課を訪れ傷害事件を起こしていたとの事。
背景問題では担当職員の欠員や多忙と研修不足を指摘。
社会福祉法では担当世帯の標準数を市部は80世帯と定めるも小田原市では欠員の状態化で1人で1000世帯以上を担当し、
新人が先輩について実務を学ぶだけで、生活保護法を学ぶ研修を行っていなかったとの事。
記事では全生連や生活保護ケースワーカーの発言を載せながら結論では生存権を守る立場での解明を訴える。

      555      555 2017/02/18 16:02 私の友人が違う政治的立場で自治体職員をしているのだが、
彼は仕事で担当する生活保護の受給者が苦情を言ってくる事に疲弊し
「行政に従え」とこぼしていた。

先日のBPOの視聴者からの意見(2017年1月)に
自治体職員と思われる意見が掲載されたが、
報道ならしんぶん赤旗よりも産経新聞に近いものだった。

旧聞に属すがBPOの視聴者からの意見は北九州での水際作戦を問題視した報道でも
「自治体職員としての尊厳を傷つけられた」の意見が掲載されたことがある。

      555      555 2017/02/23 23:21   小田原市の平成27年統計要覧を閲覧すると
   平成26年度は述べ世帯26,634世帯、
    延べ人員34,658人、支給額5,171,505千円。

周 2017/05/20 04:56 2017年5月18日のニュースウォッチ9で事の詳細が語られていました。
http://jcc.jp/news/12242038/

hokke-ookamihokke-ookami 2017/05/20 09:52     555さんへ
紹介ありがとうございます。なるほど、そんな経緯で打ち切られたなら、激昂する人が出てきても当然だろうな、とは思いますね。その経緯においてケースワーカー等のリソース不足が根底にあるという指摘も従業。


周さんへ
紹介ありがとうございます。要約された記事そのものの情報量は少ないですが、「市役所の部署の中で敬遠されている」「携わりたくない職場」、「ジャンパーを見ても他人事ととらえていた」という末尾の問題はなるほど結束力を高める必要がある立場におかれていたのだなという納得感があります。

周 2017/05/20 15:36 2017年5月18日のニュースウォッチ9の「"生活保護なめんな"ジャンパー 弱者叩きはなぜ起きた?」の内容ですが、既出のように傷害事件を切っ掛けとして結束を高める為に作られた事、
以前より生活保護課が配属希望者がほぼいない上に他の部署から「懲役」呼ばわりされるほど敬遠されていた事、加えて自立支援と不正摘発を両立しなければならないケースワーカーの困難さから(当時ジャンパーを着ていた現役職員は「不正受給は数字として出てくるから結果としての見やすさと影響力は大きい。ケースワーカーの業務量の限界を考えると支援と摘発の両立は困難」とインタビューで答えていた)、自立支援よりも不正受給摘発に傾いてしまったという実態が描かれていました。
その解題として釧路市の取り組み(裁縫などの手伝いなどを通じて引きこもりがちな受給者の日常生活のリズムを取り戻す「日常的自立」、公園清掃のボランティアを通じて社会的な繋がりを回復する「社会生活自立」、職業体験を通じて復職させる「経済的自立」という段階を踏んだ自立策+受給者個々人へのフレキシブルな自立策の提供や自立支援の効果を数値化することでケースワーカーのモチベーション維持と生活保護部門のイメージアップを図っている。http://jcc.jp/news/12242084/)が挙げられていて、最後は重負担重福祉政策への転換を語る井手英策氏のコメントで締められていました。

hokke-ookamihokke-ookami 2017/05/20 19:43 くわしい番組説明ありがとうございます。
釧路市の具体的なとりくみも大変に興味深い内容です。ためしに釧路市で検索してみると、すでに複数の報道や論文で高評価されていますね。……むしろ今まで知らなかった私が情けないな。

     555     555 2017/05/20 21:42 行きつけだったメンタルクリニックも民医連関係なのですが、
 予算を割かないから不正受給を口実にした漏給とか
  職員の士気下降につながっていると言っていました。

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