法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第47話 生け贄

火星から完全に排除されるかと思われたが、かろうじて降下することは認められたマクギリスと鉄華団。しかしマクギリスが姿を消し、火星での社会的地位も失った鉄華団は、迷走を深めていく。


ひさしぶりな岡田麿里単独脚本。あいかわらず台詞で説明的な単語が多いことに違和感が強くて、たとえば鉄華団なら「犯罪者」ではなく「お尋ね者」あたりの表現を使うのではないだろうか。
しかし鉄華団に命乞いしたジャスレイの醜態を*1、今度はギャラルホルンに対してオルガが見せる展開が味わいぶかい。ラスタルの立場であればオルガの命乞いに耳を傾けるふりをして全員を拿捕するという選択肢が自然だと思うが、あえてオルガと同じように命乞いを蹴らせたのであれば、ドラマとして効果的なことは認める。
鉄華団という疑似家族を壊して火星という足場からも逃げようとする結論と、それすら失敗しそうな結末も、予想を超えた展開であることは事実。ひとり包囲の輪から逃げて余裕の笑みを見せるマクギリスも、ここまできわまっていると斬新ではあるし、見ていて楽しくなってくる。
今は優勢なラスタルが過信によって逆転されても、このまま子供たちが大人に押しつぶされていっても、きちんと描ききれば印象的なドラマにはなるかもしれない。