法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』日々学んで日々成長世界の面白研究結果 大発表SP

「コルディッツ城からの大脱出を検証」は、第二次世界大戦に捕虜収容所として使われたドイツ東部の古城からの脱出計画を再現する。古い街並みに、小さな城があった。そこから捕虜はさまざまな手段で脱出。たとえばラグビースクラムを組んでいる時に、ひとりが足元の地下倉庫に隠れ、夜間に逃げだす。点呼をごまかすための人形が精巧すぎて、ドイツ側が記念写真を撮影したほどだった。
そして収容所内の図書館でグライダーの設計を学び、脱出しようとした捕虜もいた。閉じこめられていた屋根裏に壁をつくって、その背後で組み立て。骨組みは古城ゆえに放置されていた木材などを利用し、そこにシーツを粥の糊ではりつける。屋根に滑走路をのばし、水を入れた浴槽を重りにしてカタパルト発信する予定だった。しかしグライダー完成直後に終戦。そこで親戚の学者が参加して当時の手順通りに再現、周辺住民が見守る中で見事に当時の柵を越える飛行を成功させた。
全体として牧歌的で、それでいて試行錯誤の面白味も味わいがあり、映像化しても面白そうだと思って調べたら、2005年にTV映画化されていたようだ。

大脱走 コルディッツ収容所 [DVD]

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「盲目女性 オーケストラで演奏する」は、中国のパラリンピック選手が、米国移住後にフルート奏者として夢をかなえる姿を描く。タクトの動きを赤外線カメラでとらえて、足裏に伝える道具を開発。そしてスウェーデンの音楽団に協力してもらい、赤外線カメラの調整ミスなどもありつつ成功をおさめたという。ウー・ジンという女性の名前もふくめて全く知らなかったが、『BS世界のドキュメンタリー』でもとりあげられていた*1
「快適すぎる刑務所は善か悪か」は、ノルウェー南部のハルデン刑務所に取材。更生を目的として囚人の人間性を高めるため、できるかぎり快適な環境を用意している刑務所。料理はビッフェ形式というだけでなく、望めば囚人が料理することもできる。刑務所内でレストランを開いた囚人までいる。元音楽家の囚人は復帰を見すえて、刑務所内のレコーディング室を活用する。
一方、副所長が視察した米国の刑務所は鉄格子によって囚人のプライバシーはなく、刑務所内の職業訓練も単純作業ばかり。つまり更生か懲罰かで対比されているわけだが、米国の刑務所も壁が白く照明は明るく、雰囲気ともども日本に比べれば良好な環境に見えてしまった。思えば同日に放映されたナチス収容所も、日本軍ならば当然のように虐待的な状況に置かれたことだろう……