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法華狼の日記

2018-07-11

[][]『チョン・ウチ 時空道士

500年前の朝鮮半島で、幻術で周囲を惑わし民衆を愛する道士チョン・ウチがいた。しかし封印を解かれた妖怪の奸計で、師匠を失い、自身も封印される。

しかし、それらの伝説は誇大妄想な男がカウンセリングで語る主張にすぎない。現代の韓国に、妖怪や仙人や道士などいるはずもない。ないはずだ……


人狼』と同じカン・ドンウォンが主演する、2009年の韓国映画。実在した風水師の田禹治*1をモデルに作られた、ワイヤーアクションVFXを満載した軽快な娯楽活劇。

4th CREATIVE PARTYが担当するVFXのクオリティはそこそこで、たぶん日本の白組より少し劣るが、統一されているので全体として成立しているし、量が多いので満足感はある。

冒頭で回想される妖怪が最もゲームCGっぽい質感で、本編に入ると大規模なオープンセットでそれなりのCG妖怪が戦うという順序がいい。観客の期待度をうまくコントロールしている。


物語は、邦題で「時空道士」とあるように、500年の時を超えて戦うことがポイント。前半40分でたっぷりファンタジー時代劇を楽しませてから、後半90分で現代を舞台にファンタジーアクションを展開する。

復活したチャンウチが現代文明に驚いたりと、アクション以外の見せ場も多いのは、韓国映画らしいサービス過多とは感じる。過去か現代の一方だけを舞台にすれば、ずっと映画としてのまとまりは良かったろう。

しかし、妄想としか思えない伝説が現実化する場面でサプライズがきちんとあるし、わざわざ妄想として提示される動機も示されている。それを中盤で終えず、終盤でも再活用される。

他にも劇中で映画撮影がされていたり、虚構と現実が侵犯しあいながら、娯楽らしくきちんと答えを出して、メタフィクションとしての納得感があった。特に、最後に主人公のたどりついた風景が、虚構を指針とした現実の大切さを象徴している。

チャン・ウチと従者が女好きで、いかにも甘ったるい男女のラブストーリーになりそうなところを、ファンタジー設定でうまく距離をとったことも良かった。姿形を自由に変えられる設定の物語だからこそ、大切なものが他にあると示せすことができる。

*1:全24話で時代劇としてドラマ化もされている。BS朝日 - チョンウチ

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