法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

作業所の焼き菓子の素朴な美味しさに悩む

ダウン症が作った焼き菓子について、食べられないのが一般的な感覚のように主張する匿名記事があった。
はてなブックマーク - お前らダウン症がつくったクッキーとか食えるの?
はてなブックマークでは当然のようにそうではないという反応が多いわけだが、少し外れて素朴な味のおいしさがあるというコメントがいくつか印象に残った。


あくまで私個人の見聞であるが、そういう作業所で食品を作っている知人や、イベントに参加した経験からすると、何となく理由に見当がつく。
そういった焼き菓子やパンなどは、たいてい原価率が高いようなのだ。一般的に食品の原材料費は小売価格の1/3以下におさえるべきらしいが、小売価格の半分以上を原材料費に使っていて、人件費が出ないくらいだったりする。
バターなどを使えない安価な焼き菓子でも、マーガリンや食用油ではなく、少しでも高価な代用バターを用いていたりする。そんなひとりに意見を求められて、少しは原価を抑えるべきと思ったことを伝えても、そうしないと客が来ないという不安を口にされたりした。
そのように技術不足などの埋めあわせに高価な食材を使っているのかもしれないし、はてなブックマークでも指摘されているようにオーガニックの流れがあるかもしれないし、そもそも作業所そのものが商業を度外視しないと成立しづらいためかもしれない。


いずれにせよ、素材の善し悪しがそのまま味に出るような焼き菓子であれば、値段以上の味がすることは珍しい話ではないと感じている。けっこう穀物の味の違いが出るものだし、ふんだんにナッツを入れればそれだけで味がグレードアップする。
売る側が無理している結果なので、そうした美味しさを素直に喜べるかは悩ましいところがある。それでも商品を買って食べてもらうよう願っていることも身近に知っている。興味があれば買いつづけたいし、買って楽しんでほしいというのが素直な気持ちだ。