法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

大江健三郎の新作が出る話

あまり大江作品が好きというわけでもないので読むかどうかはわからないが、新潮社から出版されるとのこと。沖縄集団自決問題について『週刊新潮』が報じている内容を思い返し、大江氏の担当編集者がどのような顔で仕事しているのか、少し気になった。 別に、…

今週の『ドラえもん』

動画工房のグロス回でよく動いていたものの、前半は原作からの改変が多すぎて今一つ。 後半は八頭身ドラえもんのキモさを話を壊さない程度で、うまく組み込めていた。 さて、とにかく映画の新予告がすごい。 部屋の中を歩き、騒ぐ演技の豊かさ。のび太だけで…

正当な刑事弁護に対する正当な結果として

http://www.asahi.com/national/update/1128/OSK200711280107.html 元少年弁護人を懲戒せず 光市母子殺害で東京弁護士会2007年11月28日21時33分 東京弁護士会は28日、山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で殺人罪などに問われた元少年(26)=一、二…

「アサヒる」が生まれた状況について簡単にふりかえる

最初に問題となった、「アベする」という「流行語」を紹介する文章を引用する。 コラムニストの石原壮一郎さんは「自分勝手な美学で情報を隠し、国民を混乱させた」と話す。辞任時に体調不良を明らかにしていれば無用な混乱はなく、イメージダウンも防げたの…

「アサヒる」を何に対して使うのか

「アサヒる」という言葉。個人的には朝日新聞の捏造と批判しているつもりで自滅する、という印象がつきまとって離れない。 この言葉が生まれた直後、沖縄県民大会11万人騒動が起こされたことが印象を強固にする。朝日新聞が人数を捏造したという産経新聞の主…

『南京の真実』撮影セットを阿比留記者が紹介

日活に作られた映画第一部セットを、産経の阿比留瑠比記者*1がブログで写真付き紹介していた。 http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/396488/ 映画メイキングの類いが好きなので、映画に対する色々な話はさておき、かなり見ていて楽しくはあった。東京裁判の…

『機動戦士ガンダム00』MISSION-8 無差別報復

〜ガンダムもマイスターもソレスタルビーイングの広告塔でしかない説〜 ガンダムが派手なカラーリングで各機体の設計思想が別々で、マイスターがドラマチックなプロフィールを持つ美男子ぞろい*1なのは、広告塔だから。 広告塔だからコードネームや正体を明…

『電脳コイル』第25話 金沢市はざま交差点

〜しかしラストカットが老婆の顔面ドアップって〜 もう次が最終回だというのに、集合無意識を電脳空間上に作ったとか、ユングだのラカンだのテスラだのに物語が収束するかと思って怖かった。おそらく磯光雄監督の脳内では「いそがしい人は読まない」*1ような…

「“アベする”はアサヒる」が“アサヒる”だったことにしてしまった「KY」な『週刊文春』

今週の『週刊文春』を読んでいたら、独自の流行語特集があった。1位がKYこと「小島よしお」*1だったことはさておいて、トップ10の前後がかなり興味深い順番になっていた。 「アサヒる」という言葉について、日本テレビの報道と合わせ、ここ1週間くらい色々思…

『ぼくのプリンときみのチョコ』 後藤みわこ著

講談社のジュブナイル小説レーベルから出された、おそらく中高生向けの小説。 一昔前のコバルト文庫で見られたような、性の目覚めにとまどう青少年の物語を、性別入れ替えという古典的な設定で表現……などとまとめるには、少しばかり刺激が強い作品だった。 …

『ネオ少年探偵 電送怪人』 芦辺拓著

エンタティーン倶楽部という児童書レーベルから出たミステリ。新書に近い版型で、ややライトノベルに近い印象もある。ネオ少年探偵シリーズでは時間軸で最初の事件にあたる。 以前から古典的な探偵小説、それも江戸川乱歩の子供向けみたいな作品を復権させよ…

水もしたたる良い首相

小“泉”首相の人気を思い返していた時、名前に「水」の意が入る首相は人気を得やすいという法則を思いついた。 たとえば小泉首相の二代前、小“渕”首相も登場当初は内外ともに全く期待されていなかったが、じわじわと人気を高めていったことは記憶している人も…

『機動戦士ガンダム00』のモデル

第6話にて登場した傭兵、アリー・アル・サーシェス。金のために戦うアリーは、主人公刹那が乗るガンダムエクシアを技量で圧倒する。 さらに第7話では刹那を少年時代にテロリストとして育てていたことが判明する。アリーは神の存在を口にして、非戦闘員を殺戮…

『機動戦士ガンダム00』二次創作ケータイ小説

この機会にリンクさせてもらう。正確にはケータイ小説ではなく、掲示板に投稿されたSS*1をケータイサイトでまとめたもの。 『星降る空、地の光』 ガンダムを適当に別個の兵器に置きかえれば現代でも通用するかもしれない、つまりは二次創作として微妙な内容…

『ETV特集』ケータイ小説@2007.jp〜藤原新也・若者たちへのまなざし〜

NHKドキュメンタリーによるケータイ小説の評。作家であり写真家でもある藤原新也氏の目線から、かなり好意的に評価していた。 NHKでは前にも『クローズアップ現代』でケータイ小説を言文一致体ととらえて高評価したことがあった*1。擬音や記号の多用、語彙の…

『金田一少年の事件簿SP』吸血鬼伝説殺人事件

先週から監督とキャラデザイン*1が変更。いかにも『結界師』全国区放映打ち切りを受けた急造作品らしいあわただしさだが、同一原作を短期間に別スタッフが映像化する差違が見て取れて楽しい。 今回は『ワンピース』でシリーズディレクターをつとめた経験もあ…

『機動戦士ガンダム00』MISSION-7 報われぬ魂

〜意外と小悪党臭いアリー〜 アリーと、主人公の刹那。かつての上下関係が示され、第1話アバンタイトル演説が刹那が少年時代の所属組織によるものらしいとわかった。しかし、まだアリーと主人公の関係性は臭わせるにとどまり、結局のところ主人公勢がソレス…

『電脳コイル』第24話 メガネを捨てる子供たち

〜捨てたんじゃなく取り上げられただけだが〜 じっくり時間をかけ、さらにヤサコ*1と妹*2と母*3と多角的にデンスケの消えた後を描写しただけあって、喪失感が相当なもの。その母の会話で、アニメという明らかな架空世界*4において、電脳世界の架空性を語るメ…

ディスコミュニケイションの幸福

飲み会を行っていた夜のこと。ふいに野良猫が迷い込んできた。茶色い縞模様が目をひく、毛並みの良い猫だった。 しかし猫に住みつかれてはたまらない。酔っぱらった男達が、てんでに猫へ空缶を投げつけた。 ところが猫は逃げない。むしろ空缶に向かって突進…

『機動戦士ガンダム00』におけるGN粒子とソレスタルビーイングの立ち位置について

ステルス性能を機体に持たせるGN粒子*1と、電波障害を引き起こすミノフスキー粒子*2の共通性はよく語られるところ。電子機器に異常を引き起こしたり*3、ビーム兵器に応用されているという設定も同じ。 相違点として、ミノフスキー粒子が全勢力に対して平等に…

『電脳コイル』のF臭

第23話で明らかとなった、「電脳メガネ」に使われているアンテナ技術。感想で言及したように、現実に似たような例がある。科学技術でより有名な例では、配線ミスした発電機からモーターが生まれたという逸話もある。 ただし設定の根幹が偶然で生まれたという…

長寿の人が語るのを聞いて思いついてメモ

鬼畜米英と罵った戦前の日本人が、敗戦後すぐにマッカーサーを受け入れたという歴史。日本人の文化的特性や米軍の占領政策に原因を求められることが多い。もちろん個々の説にそれなりの妥当性はあると思う。 鬼畜と思っていたが、実際に目にしたマッカーサー…

趣味が悪い人とか、それを気にする自分とか

趣味の悪さというもの - good2nd 女の子の部屋に行って壁に架けてあるのが動物写真のカレンダーなんかだったら害がなくていいのですが、ラッセンの絵が貼ってあったら僕は「うわ、趣味悪いな」と思わずにはおれないでしょう。 これは図書館ですれちがった真…

『金田一少年の事件簿SP』オペラ座館第三の殺人

蝋燭が消える描写からシャンデリア落下から劇場密室から、全てのトリックが予想通りで子供だましなのは、まだいい。一時間SPで複雑なトリックやプロットを扱うのは難しいだろう。 しかし、毒蜘蛛を入手した経緯や安全に扱った方法が全く語られないままなのは…

『Yes!プリキュア5』第39話 恐怖!デスパライア現る

この作品が始まった当初は、これほど男女の恋愛関係をクローズアップしてくるとは予想していなかった。 以前のプリキュアシリーズはヒロイン同士の関係性に物語が集約されることが多く、男性を意識することがあっても憧れの範疇にとどまっていた。マスコット…

『仮面ライダー電王』第40話 チェンジ・イマジン・ワールド

しばらく前に判明した、時間移動を人の記憶に繋げてタイムパラドックスを回避する設定は巧いと思った。……が、あくまで技巧的な逃げという印象だった*1。 しかし、イマジンが破壊活動へ向かった過去に、必ずといっていいほど謎の人物が待っていた種明かしには…

『機動戦士ガンダム00』MISSION-6 セブンソード

物語としては新パイロットが登場したというだけ。主人公との関係も決着も次回へ持ち越し。 AEUに舞台が移って再び設定や状況の説明に時間がとられ、ドラマが停滞している感が、いかんともしがたい。 挑発的軍事演習を手段としたガンダム技術争奪戦という目的…

『電脳コイル』第23話 かなえられた願い

〜設定の根幹が偶然生まれたという種明かしはどうかと思ったが、わりとこの種の技術は偶然で生まれる例も多いことを知っていたので、私自身が現実味を感じられないというより他の視聴者に現実味を感じてもらえないことが心配などと、無駄に制作側の視点で書…

ニコニコ動画でサイレントマジョリティを考慮して

他にもオースペ氏に対しては複数の批判*1がなされており、今さら逐一反論してもしかたがないとは思うが、一つ引っかかる文章があった。 http://blog.livedoor.jp/oospexxx/archives/51060824.html どろどろとした両国の不満に、引きつった作り笑顔でフタをし…

奴隷に対して休暇を与える、優しい御主人様の話

日本アニメソングを歌った韓国の女性が、ニコニコ動画*1でヘイトスピーチをあびせられた事件*2について、id:buyobuyo氏が批判的に紹介していて気になったエントリ。 http://blog.livedoor.jp/oospexxx/archives/51060824.html *1:利用したことがないので、引…