Hatena::ブログ(Diary)

法華狼の日記

2018-04-16

[][]録音データを出してもセクハラを全面否認されるなら、もう映像データがなければジャーナリストは権力を追及できなくない?と一瞬だけ思ったが……

財務次官福田淳一氏がセクハラをはたらいたと新潮に報じられ、音声データも公開されながら*1、全面否認をしているという。

しかし思えば、この国ではホテルの監視カメラという第三者の録画データが残っていても、権力に近ければ逮捕もされず、不起訴処分ですむのだった……

性的被害でTBS元支局長を告発した詩織さん、ホテルの防犯カメラ画像を確認したことを主張 : スポーツ報知

暴行を受けたとされる2015年4月4日の都内ホテルの防犯カメラ画像には、山口氏に抱えられてホテルへ入っていく様子が映っていたと主張している。4月15日に警視庁の捜査員と一緒に確認したという。

「不起訴相当」検察審が議決 元記者の準強姦疑惑:朝日新聞デジタル

東京地検の不起訴(嫌疑不十分)処分について、東京第六検察審査会は22日、「不起訴相当」とする議決を公表した。


それにしても、全面否認する立場ならば辞任しない選択はいいとして、被害者の調査に協力するよう記者クラブに求めるのは、あらゆる意味で最悪というしかない。

財務次官「セクハラ発言の認識はない」 事実関係を否定:朝日新聞デジタル

福田氏は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と事実関係を否定している。辞任しない考えも示した。財務省は外部の弁護士に委託し、調査を続ける方針も発表。記者クラブの加盟各社に対し、各社の女性記者の調査への協力を要請した。

記者クラブが一部メディアの情報独占として機能するだけでなく、その機能を対価に国家権力に利用されるようでは、報道の自由度ランキングが72位まで下がるのも当然だろう。

2018-04-10

[][]「Fact Check 福島」自体の評価はさておいて、あまり周辺が良くないことは気になっていた

原発を危険視する方向性のデマを主として批判していたらしいサイトが、批判を受けて内容の見直しをおこなうと宣言していた。

「Fact Check 福島」へのご批判に応えて – Fact Check 福島 | ファクトチェック 福島

「Fact Check 福島」は福島とその住民に対する不当な攻撃は許しませんが、そのために他の差別を利用する意図は一切ありません。今回、辛氏に批判的な人、とくに排外的な思想をもつ者が、当記事を利用するかたちで攻撃を加速させたこと。そこに加担することになったのは不本意であると同時に、強い反省を抱くものです。

まったく状況を把握していないので、ファクトチェックそのものについては、事実性を判定するだけの簡単な作業ではないという一般論くらいしかいえない。

ただ、見直しにいたらしめた批判へ反発するような人々が、しばしば批判の妥当性を裏づけてしまっていることは、周辺の出来事であっても注意したい。


そのひとりとして、megadeth0907氏を名指しさせてもらう。「女性や在日コリアン差別に加担している」という評価へ反論していたからだ。

私が「女性や在日コリアン差別に加担している」と事実無根のデマを流されてしまった件 - Togetter

たとえば、下記ツイートはどう解釈するべきだろうか。韓国人であることが加害者に知られていることに、何か意味があるかのような主張は陰謀論ではないのか。

はっきり批判されるべきツイートとして、従軍慰安婦問題における強制連行の位置づけについて、ありふれた事実誤認を語っていたこともある。

もともと日本政府は、従軍慰安婦は民間業者がついてきただけだから調査しないと答弁していた。そこで朝日新聞が軍関与を示す資料をスクープしたために、狭義の強制連行へと争点を変えたという経緯がある。

従軍慰安婦の強制連行を狭義にとどめない問題意識は、1990年以前から確実に存在していた - 法華狼の日記

かつて軍関与全体を否定するような主張を政府が行っていたからこそ、1992年の吉見教授による史料発見報道が重大事として受け止められた。

あたかも日本政府が過去から軍関与を認めていたかのように主張して、歴史研究の価値をおとしめるような言説は、約20年前の歴史すら忘却し歪曲しているのだ。

韓国では知名度もなく、朝日検証以前から絶対視されていない吉田証言が*1、あたかも歴史認識の根幹をなしているかのような誤認もしていた。

ちなみに公文書改竄を朝日新聞がスクープした時も、あっさり和田政宗氏の思いこみを信じて朝日新聞を批判してしまっていた。


もちろん人間は全知全能でなく、ある分野ではデマを厳しく批判できても、別の分野ではデマに騙されることは珍しくない。共感できる話題でのみ人権に敏感になりがちなことも、残念ながら普遍的な問題ではある。

ならば別分野における問題は「Fact Check 福島」への評価と切断できるかというと、megadeth0907氏に限っては難しい。わざわざ朝日新聞の原発報道と慰安婦報道を「セット」にしているからだ。

くりかえしになるが、この問題はmegadeth0907氏ひとりに見られるわけではないし、とびぬけて悪質というわけでもない。それでもひとつの具体例として記録はさせてもらう。

*1いいかげん慰安婦募集の新聞広告を持ち出すことはやめるべき - 法華狼の日記で、韓国政府がつくった記念館サイトの、2011年時点の日本語訳を記録している。

2018-04-07

[][][]高畑勲監督と宮崎駿監督が入っていた東映労組について、「サヨク不信」が芽生えると語った田中雄二氏の謎

広告会社で映像プロデューサーをつとめている田中氏が、高畑監督の訃報*1にふれて、下記のようにツイートしていた。

会社側がアニメーターをしめだしたロックアウトを、「アニメを楽しみにしてる子供たちに毎週欠かさず納品してたのは彼ら。サヨク不信はこういう話でも芽生える」などと、なぜか労組の問題であるかのように主張している。

もしアニメーターがストライキをしただけならば、ストライキをせずに納品したアニメーターをたたえる理屈はわからなくもない。虫プロで手塚治虫がおこなって今も批判されているダンピングではあるが*2、個々のアニメーターがダンピングに追いこまれることは批判したくない。ただし、やはり争議によって作業が停滞した責任は企業が負うという原則には変わりない。


もちろん、この田中氏のツイートには複数の批判がよせられており、高畑監督や宮崎監督がTVアニメを落とさず全話に手を入れていた逸話も指摘されている。

ロックアウトの主体がとりちがえられているだけでなく、そもそも「当時」の時系列がずれているという指摘もある*3


TVがアニメの主な媒体となった1960年代に生まれた東映労組は、職場環境の改善はもちろんのこと、かつて東洋のディズニーを目指したころのような作品制作を会社に求めていた。以下、小山昌宏氏の文章を引用していく。

宮崎駿・

大川社長の怒りを買ったのは、以下のような「ビラ」の声明にあった。 

「ディズニーの長編動画は一本つくるのに四年も制作期間をかけているのに、東映動画では一年しかない」「公開日に間に合わすために、徹夜作業が続き、五六年以降百人が職場を離れ、恒常的に六人に一人の入院患者がでている」「賃金は月平均一万二千円、冬のオーバーを買うこともできない」

以後、労働条件は、幾たびの「闘争」によって改善されていく。

大作志向が会社側と一致して、高畑初監督作品『太陽の王子 ホルスの大冒険』に結実したこともある。その制作において、会社の抑制した当初予算よりも拡大させることにも労組は成功した。残念ながら興行的には失敗したが、さまざまな試みがアニメ表現のレベルをひきあげることとなった。

会社が用意した資金は七千万円、だがこの金額では、新しい表現方法、緻密な画面構成もできず、従来の演出の範囲内でしか製作できないことは眼にみえていた。組合は、マスコミ共闘会議、日本映画復興会議の協力を得て、「アニメ表現」の新時代を標榜して譲らなかった。最終的に組合は会社から、一億円(一説では一億五千万円)の製作費を獲得した。観客動員のために、組合員は宣伝のために、日夜奔走した。

そして1971年までに高畑監督や宮崎監督らが退社した一方、赤字となっていた東映動画は新社長体制でリストラをおこなおうとした。あわせて作品本数もしぼられた。それが激しい団交からロックアウトにいたり、1972年までに多くの退職者を出す結果となった。

七二年、東映社長が岡田茂に交代。東映動画社長は、東映勤労部長、登石社長に交代した。いよいよ赤字集積部門の動画部門は、激しい合理化にさらされた。従業員三二〇人のうち、一五〇人が希望退職に応じた。ここからアニメは、手塚治虫が開いたTVリミテッドアニメのもとで、低賃金、重労働、海外下請けが定着し、劇場用アニメは、漫画原作付作品「宇宙戦艦ヤマト」など、集客がよめる人気作品に移った。

つまり、楽しみにしてる子供たちのためにアニメをつくりつづけようとしたのは労組であり、それを赤字として減らそうとしたのが会社という構図もあったのだ。


労働組合は労働者を助けるために、会社との闘争だけではなく、さまざまな仕事の手助けをおこなったりもする。

アニメ業界でも、合同出版から出した『アニメーションの本 動く絵を描く基礎知識と作画の実際』が、実践的な作画の教科書として知られている。

アニメーションの本―動く絵を描く基礎知識と作画の実際

アニメーションの本―動く絵を描く基礎知識と作画の実際

これは映産労においてアニメーターが作画を研究した活動の、成果のひとつであった。以下、五味洋子氏の文章を引く。

WEBアニメスタイル | アニメーション思い出がたり[五味洋子] その80 映産労の講演会

当時は映産労の活動が活発だった時期で、有原誠治さんたちを中心に意欲的な活動が重ねられていました。この「アニメを見る会」もその活動の一環として行われたものです。

 映産労の催しでは別の機会に開かれた大塚康生さんによる動画の講義も印象的なものでした。大塚さんがAプロにいた頃で、私は大塚さんにお会いするのもこの時が初めてでした。

 こうした大塚さんの教えが反映された本に、アニメ6人の会編著の「アニメーションの本—動く絵を描く基礎知識と作画の実際」(合同出版、1978年4月刊行)があります。

ちなみにスタジオジブリで活躍し、『耳をすませば』を監督した近藤喜文氏も、アニメ6人の会に参加したひとりである。


さて、田中氏がどうして最初に引用したような東映労組観をもったのか不思議だった。

そこで簡単に調べてみると、ほぼ元ネタと思われる文章を発見した。『アルプスの少女ハイジ』と同じ1974年に放映された『魔女っ子メグちゃん』の匿名掲示板スレッドだ。

【メグ】魔女っ子メグちゃん【ノン】3

東映と虫プロが関係をもった歴史をめぐるやりとりで、東映労組へ責任を負わせようとする流れがある。特に「>>434」が、表現もふくめて田中氏のツイートに酷似している。

434 :名無しか・・・何もかも皆懐かしい:2008/09/02(火) 10:14:19 ID:???

うーん、よくわからんが。


高畑宮崎らが東映動画労組でストをやってた時でも

東映動画には体制側について毎週アニメ制作を続けていた連中がいた。

「プロレタリアを気取った坊ちゃん連中」と宮崎らを批判している、

タイガーマスクの木村圭市郎のような人もいる。

東映動画労組によって完全に制作機能がストップしたのが、「メグ」の時。

総務が制作進行をすることとなり、同僚のアニメーターから身を隠して

体制側として仕事を進めたのが高橋信也だったらしい。

今でも当時の事を思い出すとウンザリすると東映動画資料集に書いてある。

高橋は名前を伏せて「さすらいの太陽」のキャラデザインをやってたから、

虫プロの連中とはつながりがあったんじゃないかな。

メグの時、東映動画は3つの別会社に下請けを出すというをローテーションを初めて行う。

3社の絵のタッチがあまりにバラバラなので、その調整のために

このとき初めて、作画監督というポストが生まれたと書いてある本もある。

東映動画では、キャラデザインはどの角度からも書ける絵であること

アニメーターなら誰でも似せられる絵である訓練がなされるが、

アトムの角が角度によって違うように、漫画家出身者の多かった虫プロは

キャラデザインの訓練を受けている人が少なかった。

元は劇画出身の荒木伸吾も同じで、癖が強すぎるために模倣が難しかった。

3回の1回のローテーションで、あまりに絵が違い過ぎるという批判は「メグ」で既にあったらしい。

「バビル二世」などで東映動画に出入りしていた荒木が重用されたのは、

東映動画の作風が古いんで、まさに劇画時代の絵ということなんだろうけど。

「ルンルン」で荒木の弟子の姫野のキャラデザインが選ばれた理由はわからんが

(コンペでオモチャメーカーの判断が有力だったとか)

姫野の絵も他人が模倣しずらいので、2クール目に東映動画がブラッシュアップして

等身の低いキャラデザインに作り直された。


こうかな?

下請けと作監といった異動はあるが、ローテーションの数字が同じだ。この文章をあやふやな記憶でまとめると田中氏のような認識になってもおかしくない。

*1高畑勲、死去 - 法華狼の日記

*2:ここでは、虫プロ側がTVアニメの仕事を安く請けたことを指す。アニメーターに対しては、むしろ東映より高給を出していた。手塚治虫のアニメ・ダンピング - 法華狼の日記

*3:厳密には、1960年代の労組立ち上げ時にもロックアウトがおこなわれたが、文脈からして田中氏が指しているのは1970年代のロックアウトのはずだ。ちなみに1960年代のロックアウトでは、月岡貞夫氏が内部への差し入れをおこなったという。東映・動画・手塚・労働・運動・りんたろう - 法華狼の日記

2018-02-24 上げたのは1日後

[][][][]もう柳沼和良氏については、いつ周知されるかという時間の問題ではあった

わざわざ英文を付記*1してツイートしたホロコースト否定論が国外で批判的に報じられ*2、いくつかのアニメ関連企業も声明を出している。

Crunchyroll Parent Ellation Posts Statement About Recovery of an MMO Junkie Director Kazuyoshi Yaginuma - Interest - Anime News Network

Crunchyroll's parent company Ellation posted a statement on Twitter on Friday regarding Anime News Network's recent report about controversial statements made by Recovery of an MMO Junkie anime director Kazuyoshi Yaginuma.

当社作品の監督名義によるSNS上での一連の発言につきまして | Signal-MD

(1) 同氏は、当社の従業員ではないこと

(2) 報じられている一連の発言が同氏自身によるものであったと仮定した場合であっても、一連の発言について、当社は「ネト充のススメ」の監督として発言されたものではないと認識していること

(3) 当社は、反ユダヤ主義を含む、いかなる民族的、歴史的差別又はそれらを支援、助長する活動を一切支持したことはなく、かつ、将来に向けても支持しないこと

当社は、今後も「感動する作品や、楽しめる作品を創り続ける」ことを理念とし、多くの視聴者に感動を与え、また、クライアントに満足していただける作品創りに努めてまいります。


ちなみに、以前からtwitterでの痛々しい発言は知られている人には知られていた。アニメーターとしての作風も、技術先行を嫌う本人の発言に反して、良くも悪くもアーティスティックなところがあった。

あまりにも陰謀論者として深みにはまりすぎていて、社会にはびこる愛国デマを半信半疑ゆえに半分加担するタイプというより、陰謀論が反体制にまでつながって国粋主義者からも切断処理されるタイプだった。著名人でいうとベンジャミン・フルフォード氏が近いだろうか。

過去のツイートの述懐を見ると、入り口は『NHKスペシャル』の「JAPANデビュー」だったそうだが、述懐した時点ではそれを懐疑していた。今件を見ても懐疑したからといって引き返せたわけではなく、さらに懐疑の深みにはまっていたというわけだ。

むしろ『ネト充のススメ』がクセのない穏やかな仕上がりだったことは、以前から柳沼氏を知っている人には意外性をもって受け止められていた感すらあった。


ひとりの演出家やアニメーターとしての参加にとどまらず、作品を統括する監督の立場になったからには、せめてこの機会にきっちり詰められてほしい。

それと同時に、柳沼氏の背景がどうであれ*3、自己の選択の結果として批判されるべきと考えつつ、それを止めるどころか加速させた社会の問題を思っている。

そしてホロコースト否定論という国外問題にまで発展しなければ、このように問題視できなかった社会の問題を思っている。たぶん「JAPANデビュー」への批判だけならば、日本のインターネットでは批判よりも賛同がまさったことだろう。

*1:こちらのはてなブックマークで、id:segawashin氏がグーグル翻訳を用いていると指摘しており、確認するとそのとおりだった。つまり既存の英文の引きうつしではないということ。はてなブックマーク - 【悲報】日本のアニメ監督がナチス礼賛、ホロコーストやアンネの日記は捏造と海外向けにツイートし炎上 : ユルクヤル、外国人から見た世界

*2’Recovery Of An MMO Junkie’ Director Under Fire For Anti-Semitic Tweets

*3:判断力が落ちる状況になったからといって、必ず陰謀論にはまるわけでも、国粋主義者になるわけでもない。間違ったことを選択した人格があることを否定してはならないと思う。

2018-02-13

[][]「在日コリアンがテロリストだなんて言っていません」「OK、グーグル。北朝鮮と同一民族ならスリーパー・セルが隠れやすいと言った学者は誰だ」

タブロイド学者の三浦瑠麗氏*1が、ハフィントンポストにおいて反論するコメントを出していた。

三浦瑠麗氏、ワイドナショーでの発言に批判殺到 三浦氏は「うがった見方」と反論(アップデート)

在日コリアンに対する差別や偏見を助長するというTwitterの反応についても、私は番組中、在日コリアンがテロリストだなんて言っていません。逆にそういう見方を思いついてしまう人こそ差別主義者だと思います。

しかし先日のエントリで注記したとおり、三浦氏はプレジデントにおいてスリーパー・セルの民族を固定して、隠れやすさの根拠としていた。

『ワイドナショー』での三浦瑠麗氏が、スパイではなくテロリストの存在を断言したことが理解できない - 法華狼の日記

核兵器をもつ北朝鮮にどう圧力をかけるか | プレジデントオンライン | PRESIDENT Onlineにおいても、「韓国と北朝鮮は同一民族です。日本にも、朝鮮半島との長く複雑な歴史がありますから、スリーパー・セルをリクルートし、隠しておくことは比較的容易です」とテロリストと民族的出自を直結させる発想を明言していた。


もちろん三浦氏の他の反論もことごとくひどい。社会分断につながる注意喚起の正当性を主張しつつ、注意喚起が混迷を生み出す責任をとりたくないがために、あやふやな根拠と矛盾をつみかさねている。

たとえば「今ちょっと大阪やばいって言われていて」と番組で主張したことについて、「いきなり首都への攻撃だと全面戦争を招きかねないから」という推測を根拠としているが、発言全体の趣旨は「スリーパーセルの危険性があるので北朝鮮に先制使用してはならない」だという。三浦氏のいう趣旨と推測で想定される状況が時系列からして矛盾している。

報復攻撃のリスクを語って先制攻撃を批判するだけならば、朝鮮人民軍のミサイル技術が完成して、完全に迎撃する方法はない*2という周知の事実を指摘すればいいだけ。


また、ハフィントンポストで「イギリスのメディアが、北朝鮮がラジオ放送に暗号を忍ばせて各国のスリーパーセルに指令を出していたと報じる」と語り、自身のブログで「下記(韓国の情報源に基づく英国の記事)では、北朝鮮から、ラジオを使って暗号が流されたことを報道しています」*3と提示している根拠は、リンクを見ると英国のタブロイド紙として知られるデイリーメールだった。

もちろんこの情報源の問題はすでに多くの批判がなされている*4。たとえ今後に新たな別の情報源を出すとしても、タブロイド紙で自説の充分な根拠になると三浦氏が考えたことは間違いない。タブロイド紙でも個別の筆者に信用が左右される記名記事や、そうしたメディアの反応そのものを話題にする文脈ならば使えることもあるが、今回の三浦氏はそうではない。むしろ批判への反論なのだから、通常の会話よりも信頼できる根拠を出すべきところだ。

これから三浦氏のことはタブロイド学者とでも考えるしかない。三浦氏自身も、あやふやな根拠と推測で社会不安をあおるというタブロイド紙らしい商売をしていることであるし。

*1:はてなアカウントはid:LMIURA。「タブロイド学者」については後述。

*2:日米で技術開発はつづけているが、最近の実験でも失敗した。CNN.co.jp : 米軍、ミサイル迎撃実験に失敗 SM3ブロック2Aを使用

*3朝鮮半島をめぐるグレートゲーム - 山猫日記

*4三浦瑠麗氏の「スリーパーセル」発言に含まれた数々の矛盾について - 読む国会等。三浦氏のいう趣旨と推測で想定される状況が矛盾していることも指摘されている。また、転載元のデイリースターはさらに信頼性に欠けるという指摘もある。ウサギさんのツイート: "三浦瑠璃が引用してたデイリースター(デイリーメール紙に転載されてたやつ)てこんなんや。… "