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2008-09-16

本当の本当に大切なことには、理由があってはいけない

http://d.hatena.ne.jp/inumash/20080915/p1

inumashさんの議論については様々な問題があります。本質的なところでは

http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080404/p1

につきるのですが、あれから全然反省しているようには見えませんね。まあいいでしょう。

何故「自称中立」か?については極めて簡単な解答がだせて、つまりたとえばこれが歴史修正主義の問題だったらどうか考えればいいのです。

南京大虐殺があったというのは自明です。しかし、それに対する否定論に我々はどう対処すればいいのでしょうか。ホロコースト否定論についてはもうはっきりしていて、無視すればいい。なぜなら否定論と議論すること自体が否定論が論として成立していることを認めることになるからです。

http://d.hatena.ne.jp/rna/20080104/p1

で明快に指摘されているとおり、歴史修正主義の目的のひとつは「足止め効果」なのです。

慎重でバランス感覚を大事にするタイプの人ほどこの手の「足止め」にひっかかります。バランス感覚というのはコスト感覚にも通じるもので、「議論の捏造」は議論をトレースするコストを水増しして見せることで、このコスト感覚に訴えるのです。そして「自分が納得するだけのものを得るにはコストがかかりすぎる」という合理的な判断に導けば足止め完了。「自称中立」と言うと自分のバイアスに気付かないマヌケというニュアンスがありますが、そうでなくとも引っかかるのがこの手の「足止め」なのです。

さて、「ホームレスの生存権は自明」を「南京大虐殺は自明」に置き換えてみましょう。もし、「これだけ否定論がはびこる中で南京大虐殺は自明なんて言っても意味が無い。信仰告白にすぎない」と誰かが言ったらどうなるでしょう?そんなの、[自称中立]タグがブクマで貼られるに決まっています。具体的には1月の南京騒動を見ればわかりますよね。だって、否定論にまともに付き合うこと自体が否定論の「足止め効果」に加担することになるのだから。これはid:Apemanさんとかが口を酸っくして何度も言っていることであります。

それと同じ事です。スラヴォイ・ジジェクという人はレイプがなぜ野蛮かということが論題になるような社会は野蛮だと言っていました。生存権が自明かどうかが議論になる社会でどうやって生存権を守っていけば良いのでしょう?

たとえば、inumashさんの大好きな歴史を参照してみましょう。アメリカの公民権運動のきっかけのひとつに、あの有名なローザ・パークスの事件があったわけです。ところで、ローザ・パークスはバスの席を立たなかったとき、彼女は白人と黒人が平等であることを誰にでも明確に説得し得る論拠を持っていたわけでも、あるいは、もし運転手が白人と黒人は平等でないことを論理的に説明すれば、納得して立つ用意があったが、運転手がそれをしなかったから立たなかったわけでもありませんでした。黒人と白人が平等である、それが自明であると信じていれば、自分や社会にとって都合がいいという打算でさえありませんでした。彼女にあったのは、ただ、黒人と白人が平等であるという、その明白な事実にたいする確信であって、それが彼女を席に座りつづけさせたのです。そして、それに続く公民権運動が広範囲な運動になりえたのも、黒人と白人が平等であるという自明性を運動の担い手たちが持ちつづけたからです。彼らに、なぜ黒人と白人が平等であるか理由を言えといえますか?*1

http://d.hatena.ne.jp/toled/20071116/1195221093

 たとえば、死刑制度。よく、中立を装った奴が お節介にも「論点整理」とかってするだろ? 将来の犯罪を抑止できるかとか、冤罪の可能性とか、被害者の感情とか なんとか。

 もちろんサヨクは死刑に反対だ。けどね、こういう「論点」を一々チェックしていって、で、「う〜ん、死刑は廃止した方がいいかもなあ」なんて結論に到達したわけじゃないんだ。

 まず結論ありきだ。死刑には絶対に反対なんだ。死刑のおかげで将来の殺人事件が半減しようが、裁判官が常に正しい判決を出そうが、被害者や遺族が何を言おうが、おかまいなしだ。とにかく死刑はダメなんだ!

 っていうと、おいおい、と思うかもしれないが、これは右翼諸君にしてもそういう感じなんじゃないか? たとえば、犯罪抑止効果。社会学者が出てきて、「え〜ヨーロッパでは……2.96%……20,212人……56%…… 14%……したがいまして……」とかってペラペラ喋りだしたりしたら、正直、ちょっと不安になるよね。でも、そんなことでヘコタレル君らじゃないよな? 別の学者にしゃべらせればいいんじゃん。別の「論点」を前面に押し出せばいいんじゃん。

 本当の本当に大切なことには、理由があってはいけない。「死刑には反対/賛成だ。なぜならば……」なんて言っちゃいけないんだ。だって、その「……」の部分がもし間違ってたら、意見を変えなきゃいけないことになるじゃにゃいか。そんなのはイヤだろ? 俺は、イヤだ。

たとえばこの前、sayokという人がうちのブログのコメント欄で壮絶な討ち死にを果たしましたが、彼が言ったのは「もしナチスの優生学が正しければホロコーストやむなし」でした。まあ、この人は真面目だったのでしょう。そして、ホロコーストがなぜ間違っているのかずっと考えていたのでしょう。そして達した結論が、「(ホロコーストの根拠となった)ナチスの優生学が誤りだから」なのでしょう。では、もしその優生学が正しかったら?もちろんホロコーストはやっていいのです。

現在でも黒人差別はあります。まあ日本では韓国人差別のほうがアクチュアルかもしれません。「韓国人なんか人間じゃない」と思っている人は割と素でいます。でも、そういう人がいたとしても「韓国人が人間である」ことの自明性はゆるぎ無いでそ?「韓国人が人間であることが自明だと思っていない人がいる」とはいえても、「韓国人が人間であることは自明ではない」とはいえない。「韓国人が人間でない」という人が間違っているのは、「韓国人が人間である」からです。それで十分です。いや、「しかし人間であるとは何か、生物学的な意味か社会的な意味か…」みたいな議論をしたがる人がひょっとすると出てくるかもしれない。でもそれは醜悪な議論のための議論です。これは自明です。

いや、もっといえば人権という思想がもとからそうなのです。ロックやルソーは「俺らが発明した人権って概念つかえばこういうメリットがあるから積極的に使っていこうぜ!」なんて話をしていたわけじゃない。ただ、人には人権があるといった。もし、ルソーに、人権なんて道具を発明してあんたうまくやりましたねと言いに行ったら、血気の早いルソーのことです。たちまち殴りかかってくるに違いない*2

あと、これはどうでもいいといえばどうでもいいのですが、ぼくは「自明だから憲法に書いてある」と言っていて「憲法に書いているから自明」とはいっていないのですが、inumashさんにおかれましては後者の意味で取ってますよね明らかに。日本語はちゃんと読んでくださいと申し上げたいのですが、まあ自明だから憲法に書いてあるということはどういうことか。「法の支配」ということです。え、それだけじゃダメ?つまり憲法は人権規定を書かねばならない。なぜなら憲法は人権の保障を目的としているから。何故憲法は人権の保障を目的としなければいけないか。人権は保障されなければならないから。なぜ人権は保障されなければいけないか。人間には人権があるからです。それは自明だからです。たとえば、この自明性が崩れるとどうなるか。人権?まあそれっぽいことも書いとこうということになって、明治憲法みたいなものが出来上がる。

たとえば、あなたは晩御飯にカレーライスをつくると決めました。決めたんです。で、戸棚を開けました。あら、ルーがない。スーパーに買いに行こうかどうか悩みます。どうしようかしら。でもこの悩みって、結局カレーをつくるかどうか自体を悩んでますよね。ルーがなければカレーはつくれないんだから。カレーライスをつくるのをもう決めているんだったら、ルーを買いに行くんです。まぁ、適当にコンビニでルーを買うか、それとも高級スーパー行ってスパイス買って自作しちゃおうかしらとか、あるいは米だけ炊いていっそレトルトカレー買っちゃおうかしらとかそれくらいの選択はもちろんありますが、ルーを買いに行かないという選択にはならないわけです。カレールーを買いに行こうと外に出た。雨が降っていた。…カレーやめてシチューにしようかしら。そもそも、なんでカレーライス食べなきゃいけないんだっけ?わざわざ雨の中買いに行くほどカレー食べるの重要じゃなくない?別にカレーライスだったらいいんですけど、これが人権だったら困るわけです。ホームレス支援?財源が無いよ!見殺しにしよう。生存権?そんなの無いよ。でも生存権が自明だったらこれは救わないわけにはいかない。財源が無いなんて言ってられない。

そんなことよりも、人間が人間らしく再生産される社会を目指すほうが、はるかに重要である。社会がそこにきちんとプライオリティ(優先順位)を設定すれば、自己責任だの財源論だのといったことは、すぐに誰も言い出せなくなる。そんな発言は、その人が人間らしい労働と暮らしの実現を軽視している証だということが明らかになるからだ。

湯浅誠『反貧困』あとがきより)

自明であるということは結局そういうことでしかない。つまり自明性を受け入れるかどうかという一点に帰着するのです。では逆に自明でないということはどういうことか。ホームレスに生存権があるというのならば、俺を説得してみせろ!と前に立ちはだかる人がいる。この人を説得すること可能?いや現実的に。無理でそ。南京大虐殺論争見れば分かるとおり、大抵こういう人は無敵君なのです。いや、自分の信念に忠実だと言って評価してもいい。でもまあinumashさんにおかれましては、結局彼らを説得できず、ホームレスが見殺しになるのは説得できなかった左翼のせいということになる*3

お前がどう思おうが、ホームレスには生存権があるのは自明だよ、が正しい態度です。inumashさんはどう思うの?他の人がどう思ってるかは関係なく。ホームレスの生存権は自明だと思わない?あ、そう。じゃあそれならそれでいいですけど、自称左翼の看板は下ろして欲しいですよね。ポストヒューマンの広報マンか、今からゼロアカに道場破りするなどしてご活躍願えればと思います。

*1:あんまりこういうものの言い方をするのはイヤなんだけど、まさに人権がどのように獲得されていったのかという歴史を考えるとき、「人権は自明だよ」と「人権は文脈だよ」のどちらが過去の歴史に敬意を払っているといえるのか。

*2:よく知らないんですけどinumashさんは人権がどのように獲得されてきたのかという意味や文脈を踏まえて、「ホームレスにも生存権はある」という結論に達したのかな。ぼくは啓蒙主義という言葉を知るずっと前からホームレスは差別しちゃいけないんだと思ってたけど。「人権思想」がそのようにハードルを上げなければ理解できないものだとすれば、逆に支持は広がらないのではないですか?「差別はよくない」たとえばこの一言の自明性が、人権というものに人びとを結び付けてきたのではないですか?

*3:ていうかこういう人説得したければ自分でやればいいと思う。

kyberneteskybernetes 2008/09/16 17:32 この議論って「自身が自明だと受け入れている領域があって、それを別の人が自明だと受け入れていない場合、その領域では議論は成立しない」ということを示していると取って大丈夫なんだよね。

hokusyuhokusyu 2008/09/16 18:59 なんでそんな一般化するの。オーキナモノガタリが崩壊してぇ、チーサナモノガタリが乱立してぇ、みたいなくっだらない話してるわけじゃないの。ホームレスに生存権あるの自明だと思うをだけどあんたはどうなのってこと。

kyberneteskybernetes 2008/09/16 19:22 一般化じゃないよ。その「あんたはどうなの」にそれ以上の遡及ができないのかどうかって話。そもそも物語を持ち出したら憲法の議論じゃなくなるんだから、ここに書かないって。それを言ったらあんたの言う「自明性」も、本当に人権論で扱うに妥当な概念として使ってるかどうかわからない、過度な一般化をしたものかもしれない。こいつつまんねー。

BigHopeClasicBigHopeClasic 2008/09/16 19:44 >ていうかこういう人説得したければ自分でやればいいと思う。

無敵君向けの「説得」が効なくして終わることはすでに証明済みですが、しかし、mojimojiさまがおっしゃるところの「観客席にいるつもりの人々」に当事者性を自覚させる効用は大いにあると思います。その限りにおいて、優秀なロジックを持つ人に「説得」を依頼することの意味は大きいのではないかと思うのです。

「観客席にいるつもりの人」が「俺を観客席から下ろしてくれ」というのは一見すると滑稽かつ無責任であり、頼まれた側がそれを受ける筋合いのものではないことも確かです。
(広告代理店とはその種の仕事を業とするのでしょうが、広告代理店と違い、このようなケースにおいて依頼される側に利益を供与使用とする例はほぼ皆無です)
ですが、無敵君に対していかなる効用がなくとも。「観客席にいるつもりの人々」を「こちら側」に引き込むことができるとするなら、自らの理想達成という観点からは利益を認めうるのではないでしょうか。
少なくとも「観客席にいるつもりの人々」を「あちら側」に落とすことはないでしょう。

PolnstteePolnsttee 2008/09/16 20:45 アメリカの学校行ってたんですが、アメリカ憲法の授業を思い出しました。

>We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty, and the pursuit of Happiness.

独立宣言にこういうところがあるんですが、この「self-evident」の部分を教授がやたらと強調していたのを思い出しました。レイシストがどう振る舞うか、そしてレイシストにどう対するか、ということ話ながら。

mojimojimojimoji 2008/09/16 20:46 >hokusyuさん
リンクは、 http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080404/p1 にしていただけるとありがたい。

>BigHopeClasicさん
「あちら側」って、結構ハードル高いですよ。「自明ではない」って言ってる人って、みんな「自明だとみなさない誰かがいるかもしれない」の話をしてるんであって、自分こそが認めないなんて誰も言ってない。そりゃそうですよね、それを主張することの含意をマジメに考えるならば、そんな主張を「実際に」することは大変に難しいですからね。

hokusyuhokusyu 2008/09/16 20:54 >kybernetesさん
>それ以上の遡及ができないのかどうかって話
する必要ないでしょ。図書館にホームレスがきました。ホームレスに生存権はありますか?ないなら追い出していいけどあるなら支援しなきゃいけない。それだけの話。
 
>BigHopeClasicさん
えーと、それは多分
>>
http://d.hatena.ne.jp/toled/20071116/1195221093
ウヨクとサヨクが論争しているとしよう。そこで行われているのは一対一の対話ではない。
 ウヨクもサヨクも、直接の相手ではなく、「バカ」を意識して語っているのだ。
 サヨクは、教科書に書いてあることを鵜呑みにしたりはしない。けども心配なのだ。ちびっ子たちのことが。
 ネット右翼の諸君も、まさか筑紫哲也の妄言にひっかかったりはしないだろう。だがバカな視聴者がコロッと誘導されてしまうんじゃないか。ということが不安なわけだろ。
 政治的対立は、この「バカ」をめぐる対立である。
 このエントリー自体が なんか「上から目線」で書かれているのには そういう事情もあるので勘弁してくれ。
 だがね。繰り返すが、君だって俺だって、ま、バカでしょ?
 じゃあ本当に本当の「バカ」はどこにいるんだ? 一体どこの誰が「騙されてる」んだ?
<<
っていう問題かと。
 
>Polnstteeさん
非常に良いこと言ってますが、でもアレです。そこを引用すると、けっきょくじんけんなんてきりすときょうの・・・なひとがやってきてしまうのです。まあそういう人は論外でいいんですけど。

なまえなまえ 2008/09/16 22:21 このエントリーのタイトルのもとネタってなんでしたっけ?どうしても思い出せない。

gnorthy033gnorthy033 2008/09/16 23:19 こんな長い文章全部読んでしまった。。
例えば、自分を尊敬しろ。尊敬されるのは自明なことだって理屈はおかしいよね?
残念ながら、自分が他人から尊敬されるかどうかは決まって無いんだよ。

なまえなまえ 2008/09/17 00:19 たとえ無敵君向けの「説得」が効かなくとも、自明と言って疑うのをやめた方が負け。

PolnstteePolnsttee 2008/09/17 00:35 hokusyuさん、すいませんw 私もそれは思いましたw まあ先生もそこの部分はアレだけどってな話をしてました。というか、世界人権宣言に「God」を入れりゃ(説得力が増して)よかったのにとか言ったクラスメートがいたんですが、いやいやそれはきりすときょうといすらむきょうとゆだやきょうにしか通じないでしょ、200年以上前の独立宣言とは違うんだし、世界中の人たちが合意できる内容にしなきゃならないんだから、と先生も言ってました。


>けっきょくじんけんなんてきりすときょうの・・・なひとがやってきてしまうのです。まあそういう人は論外でいいんですけど。


「基本的」人権のそれこそ基本的なものなんて、生きさせろ、殺すな、言わせろ、人として扱え、ちゃんと扱え、程度の話ですからね。このホームレスの話もそうですが。

oredoco3oredoco3 2008/09/17 00:59 >では、もしその優生学が正しかったら?もちろんホロコーストは
>やっていいのです。
優生学が正しいとしても、やってはダメなんじゃないのですか?
優生学が正しくてもやってはダメな理由が、倫理的な理由で、倫理というものは証明が難しいというか、証明できない?ということだと僕は考えてるのですが・・。

ukiukistreetukiukistreet 2008/09/17 01:15 通りすがりですみませんが、oredoco3さんはもう一回読んだほうがいです。そこはホロコーストがいけない理由に「優生学が誤っていたから」という理由付けをし手いる場合の話です。

人権って言う概念をわざわざつくらなきゃ、生かすことを認められないのは、それが自明であることの反証にはならないでしょうか。自明であったものを「自明さ」をどんどん解体するのが議論なんですね。つまり、議論をすればするほど自明さが薄れていくと。

解体を改新、自明性の保存行為を保守と言い換えれば、右翼と左翼が本来の意味から逆転しているというのが、右翼-左翼論争でよく言われることなのか。ふむふむ。

oredoco3oredoco3 2008/09/17 01:37 >ukiukistreetさん
hokusyu氏の考えに私は近いので、反感とかはないのです。もう一度よく読んでみます。

BookMoonBookMoon 2008/09/17 07:16 何というアウフヘーベン……
“自明”の二文字を見ただけでワクワクしてしまった
この議論は間違いなく延びる(結論が)

go@workgo@work 2008/09/17 08:08 正確には、自分にとって自明というより、その社会にとって自明、ということでしょうね。しかし、厳密にはどんな人間であっても、社会を体現する事はできませんから、結局自分にとって自明かどうかになってしまう。
自明さに食い違いがある場合はどうなるのかと言えば、埋まることのない断絶です。自明である人間が社会の多数派になって初めて自明さが担保される。
人権を声高に叫ぶと言うことは、まだ自明ではないと言うことはです。

あだあだ 2008/09/17 09:10 自分の国のホームレスに人権があるのが「自明」な人でも、敵国の兵士やゲリラに人権があることを「自明」とするとはかぎらんね。(もちろん、憲法と同じく国際法ってのはある。)もしかしてホームレスって善良な市民の敵とか思ってる人には全然「自明」じゃないのかもね。

haru-takaharu-taka 2008/09/17 13:25 南京事件の根拠を探したくて僕は図書館をくまなく探したのですが、見つけることが出来ませんでした。『マオ』を読んだのですが、南京事件はあったもの、自明のもの、として書かれているだけで、根拠がありません。疑っている訳ではないのですが、そのような、南京事件があったとする、根拠になった資料を教えて下さい。レポートを書くにあたって、どうしても具体的にその事件の資料を必要としています。具体的資料が欲しいです。宜しくお願いします。

SOSO 2008/09/17 13:56 自明だからこそ、説明できるもんだと思うんだけど・・・・・
納得させることもできないなら自明でもなんでもなくただの強弁じゃん。
理由があってはいけないという主張はそれこそネット右翼≒スターリン、ポルポト、フセイン、ナチス、と全く同じ。
悪いが、その主張じゃあなた達のポジションである左翼の首を絞めるだけだと思います。
ネット右翼のようになりたくないからそっち側にいるんでしょう。

pempem 2008/09/17 16:50 自分が言う「南京事件」が何かを述べずに「根拠」を出せといわれてもハハハハハハハハハ
南京事件をあれこれ論じている資料が掃いて捨てるほどあるのに、それを読まずに「根拠」と言われてもハハハハハハハハ

drpdrp 2008/09/17 21:18 論理を放棄したら終わりだろう。
たとえ個人の中では既に結論ありきで、つじつま合わせの理屈だったとしても、相手とは論理を尽くして語り合わなければ社会に属している意味がない。
イスラエルは正にブログ主の言う状況になっている。反パレスチナの急進派と反戦の穏健派が相手を無視して勝手に自分の信じる道を進んでいる。もちろん、その結果国全体の状況はどんどん悪い方向へ行っている。

hokusyuhokusyu 2008/09/17 22:06 >drpさん
サイードがイスラエルは穏健派も急進派も同じ穴のムジナだと言ってました。イスラエルが酷いのは国際社会がその酷さを放置しすぎてるからであ。

gryphongryphon 2008/09/17 22:17 生命に関する議論なのでそこから連想したのが、アメリカを中心とした人工妊娠中絶に関する賛否の議論なのですが
「お前がどう思おうが、胎児や受精卵には人権があるのは自明だよ」・・・というのは、正しい態度ですかね?
人口妊娠中絶に反対する過激な運動家がアメリカには多数いますがこれも「彼女(彼)にあったのは、ただ、生まれた後の子供と生まれる前の胎児は平等であるという、その明白な事実にたいする確信」があればいいんでしょうか。

hokusyuhokusyu 2008/09/17 22:22 >gryphonさん
>正しい態度ですかね?
普通に正しい態度だと思いますけど。

gryphongryphon 2008/09/17 22:26 >アメリカ憲法
あれはすごいですよね。
” by their Creator with certain unalienable Rights, ”

Creatorが保障する。これが正しさのみなもと。こう言われたら、みな納得するしかない。これ最強。

gryphongryphon 2008/09/17 22:30 というと「胎児、受精卵の人権は議論の余地無い自明なもの」とした、中絶全面禁止のムーブメントが現実社会にもありますが、それをご支持されているのですか?

hokusyuhokusyu 2008/09/17 22:36 >Creatorが保障する。これが正しさのみなもと。こう言われたら、みな納得するしかない。これ最強。
全然違います。

>支持されているのですか?
支持していません。

gryphongryphon 2008/09/18 03:18 Creatorがダメなら「『最高存在』の庇護」が根拠だ、ってテもありますしね。


中絶についてのお考えの明言、ありがとうございました。
まとめると、
”「お前がどう思おうが、胎児や受精卵には人権があるのは自明だよ」とするのは正しい態度である。だが中絶全面禁止のムーブメントは支持しない”ということですね。

ところで前半を言い換えると『「胎児には人権は無いor人権の有無は不明or議論して決めよう」というような態度は正しくない』ということなんでしょうね。もちろんこの問題にも”観客席”は無いでしょうし。

PrincePrince 2008/09/19 09:41 なかなか鋭い、KOを奪いかねないカウンターパンチですね。
もし、胎児に人権があるを議論の前提にするなら、中絶はホームレス排除以上に生存権の侵害だから。

「胎児に人権があるという考えには同意しない」→やっぱり人権だからって、簡単に「自明」とは言えませんね。
「『胎児に人権があるのは自明』は普通に正しい態度」→じゃあわれわれはみな、(方法論はともかく)中絶反対運動を支持し、中絶容認を批判しなきゃ。やらなかったら「観客席」にいることになる。

hokusyuhokusyu 2008/09/19 12:13 はぁ?
自明であることと正しいことは別ですし、
正しい態度と正しいこともまた別ですが。

gryphongryphon 2008/09/19 23:15 「自明であることと正しいことは別」

たいへん含蓄のあるお言葉です。なるほどなるほど。
このエントリを読む読者も、ぜひこの言葉を念頭に置きながら読んでもらいたいですね。

nanasinokaminanasinokami 2008/09/19 23:59 イーガンのHワード(特に大きいほう)を思い出すいい話だなー

hokusyuhokusyu 2008/09/20 00:35 そのとおりです。
それで、あなたはホームレスに生存権があることを正しいと思わないのでしょうか。

nanasinokaminanasinokami 2008/09/20 01:04 胎児に生存権があることを正しいと思わないのに?

gryphongryphon 2008/09/20 01:12 ホームレスの生存権?ありますよ。
もっとも「すべての人権を、『ある』と見なして体系をつくると最大多数が、総合的には暮らしに便利になるがゆえに、『Creatorの保障』や『最高存在の庇護』もひっくるめて”かのやうに”ふるまう」という考え方に賛成ですが。ついでにそれであんまり不自由を感じません。
ルソー君、グッジョブ!て感じで。
「実はCreatorとか最高存在信じて無いんだろ?」と聞かれると、まあウソをつくかゴニョゴニョ言ってごまかすかです。

さてPRINCEさんの指摘も引き継ぎ、『胎児にも人権がある』話を、もう少し詳しくお聞かせください。

『「胎児に人権があるという考え」は自明だけれども、正しくない』というお立場なんですか?

そのへんはどういう違いがあるのか、もう少し詳しく書いていただきたいとお願い申し上げます。

gryphongryphon 2008/09/20 01:22 おっと失礼、正しいか正しくないかですね。
「”「ある」と見なす”」という立場ですから、もとよりそれが「いい」「便利」という意味で「正しい」です。

しかしまあ、私はそういう立場ですけど、
「人権は『自明だ』としても『正しい』と見なさなくてもいい、」というスタンスから、ホームレスの生存権を「正しい」と見なさない…という人がいても、「ああ、それは胎児に対するhokusyuさんのスタンスと同じですね」という受け取りかたになるかも

gryphongryphon 2008/09/20 01:30 連続多数投稿で申し訳ないのですが、私は胎児の人権が「自明」とは正直感じられず、「うーん、議論してみんなで取り決めるしかないんちゃう?」との立場ですが、上からの議論の流れで言うと「白人と黒人の平等を否定する人」と同種だということになるのでしょうか。

hokusyuhokusyu 2008/09/20 01:40 そうですね。「議論して取り決める」ことは正しさを決定しません。
ですので堕胎についても究極的には殴りあうしか無いわけであって、
それはさすがにあんまりと言われるかもしれませんけど、
まあ少なくともそのような問題意識はもつべきだと思います。

mujinmujin 2008/09/21 14:47 わたしは「公理」という言葉を思いだしましたが、公理は恣意的に設定された前提であって、それ自体を証明しうる前提を持っているわけでないんですね。人権思想ってのがそもそもそういうもんで、保守思想家から「なぜお前らに人権があると言いうるのか証明してみろよ」なんて言われても、「おれたちがそう決めたんだから、そうなんだ」としか言いようがない。恣意的に設定されたものだから、当然それを疑うことも可能だし必要なんだけど、近代国家がその公理の上に作られてることを忘れると、あっちでは人権を享受してこっちでは人権を排斥するという一貫性のないちぐはぐな姿勢に陥ってしまう。人権という概念に疑問を投げかけるなら社会や国家が基礎とする価値体系を最底辺から引っくりかえす覚悟が必要なんですけどね。たとえば殺人を禁ずる法律は盲目的な信仰とも言えるこういう恣意性があって初めて作られるものであって、もしその信仰がなければ、殺人を社会的に許容するか、殺人を否定する別の根拠を求めなければならない。殺人否定の根拠なんて探してもおそらく見つかりゃしない。せいぜい社会の誰かにとって損失だから、という程度の理屈しか見いだせないでしょう。当然それは社会の誰かにとって利益だと判断できれば殺人は肯定されるという理屈の裏返しに過ぎないわけです。とはいえ人権思想は信仰に過ぎないわけですから、転宗さえすればどうとでもなってしまうというのもまた不動の事実なわけですね。あえて、そこに居直るというずうずうしさが必要かなーと思ったりします。

猫 2009/02/18 23:27 今更ですが偶然見かけたので…。
mujinさんの意見が一番真っ当でしょうね。
hokusyuさんも同じ事を言っておられるのですが、
相手はそれを理解し難い書き方だと思います。
私個人としても分かり易さではmujinさんの方が分かり易いです。

しかしながら一点だけ…。
>>mujinさん
国家だけに限らず社会としてですが…、
殺人や何かに対する倫理観も、
今と古代では相当違いますよ。
まぁ、古代は物理的に生存する事がまず難しかったので、
他を殺さなければ生き残れなかった事も理由かも知れませんけど…。

ただ、一般的に同胞(同じ集団の仲間)の間での殺しは、
儀式以外はほとんどなかったでしょうが…。

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