“Sign”の“Ruler”

Unicodeのフォントには占星術の記号や小成八卦まで含まれている。この御蔭で小惑星とか使わないなら『外字フォント』による著作権の縛りが無意味になった。ありがたいことだ。実は構想段階だけれどもExcelとSwiss EphemerisでCopyleft占星術ソフトを作ってみたいと考えている。目標としているのはSolar Fireで、前もって様々なデータを作成しておいて、それらを組み合わせて多様な表現を可能としているところは優れていると思う。

ただUnicodeのフォントで採用されている占星術記号のグリフはそんなに美しくなくて20ptくらいで表示してやっと見るに耐えるという印象だ。

           



   


日周運動や年周運動において、北半球の太陽は宝瓶宮から上昇を始め双魚宮、白羊宮、金牛宮双児宮と上昇を続けて夏至巨蟹宮で最も高くなる。そして獅子宮から下降を始めて処女宮天秤宮天蝎宮人馬宮と下降を続けて、冬至の磨羯宮で最も低くなる。

そうすると一番低いところで、宝瓶宮−磨羯宮が同じ高さとなり、順に双魚宮人馬宮、白羊宮−天蝎宮金牛宮天秤宮双児宮処女宮がそれぞれ同じ高さになる。重要な星である月を巨蟹宮、太陽を獅子宮に割り付け、残ったサインに低い順からカルディアンオーダーに従って5惑星を割りつけるとサインとそのルーラーの対応が完成する。

これは十二支でも同じようなことができて、草木も眠る丑刻から太陽を上昇させて、寅、卯、辰、巳と上昇し午刻で南中して高度が最も高くなる。そして未刻から下降を始めて、申、酉、戌、亥と下降を続け、子刻で北中して最も低い高度となる。午に日、未に月を対応させて、低い子−丑に土星を対応させ、その後は順に寅−亥に木星、卯−戌に火星、辰−酉に金星、巳−申に水星を対応させると支合(十二支の六合)の関係が出来上がる。

もっともルーラーとの対応の図において黄道十二宮と十二支は裏表になっていて、これはそのまま月建と月将の関係に対応している。

以前、田宮規雄先生が言っていたことがある

故人となられた田宮規雄先生が『これは六龍さんが言っていたことだが』と前置きした上で、『十二支は言ってみればサインのようなもので、十干は惑星のようなものと考えることができる。四柱推命の干支は、特徴のあるサインにどんな惑星が入っているかをしめしているようなものだ。』と語っていた。話のソースを提示した上での慎重な言い回しであり、田宮先生が知的には誠実であったことを伺わせる。

もっとも西洋占星術で惑星が10個になったのは1781年のハーシェルによる天王星発見以降の話であり、一方、干支は商(殷)代に亀甲獣骨に卜辞と共に日付をしめすために使用が始まっているので、10惑星と十干には3000年近い時の隔たりがある。そういう点では佐藤六龍先生もしくは田宮先生のような慎重な言い回しにならざるを得ないだろう。

ということで、こんな能天気なtweetを見るとなんか癇に障るよね。盗作の人ってこんなもんか。