楓天棗地

六壬式盤*1を作成するための材料は、正しくはかなり限定されている。方形の地盤には雷撃を受けた棗の木、円形*2の天盤には楓人といって楓*3にできるコブを使用することになっている。楓の樹脂には特有の香りがあり、楓人であるコブの部分にはこの樹脂が通常よりは多く含まれている。

もっとも雷公殺式の残簡によれば、この地盤に雷撃棗、天盤に楓人を使う式盤は上品である。ランクの下がる中品では白檀とかの香りの強いものを使うことになっている。このことから推測すると、楓人を探さなくても楓の木材に楓の樹脂を追加で染み込ませてやれば楓人の代用にはなると思う。

問題は地盤の材料である雷撃棗であるけど、これに関して面白い記事を見つけた。『完全武装ドットコム』という武器やスタンガン等の通販のためのブログサイトがあるのだが、『スタンガンでキノコが育つ』というエントリが上がっていた。どうもキノコの栽培用にスタンガンが使えそうなのだ。

雷のあった年はキノコがよく育つといわれているらしいという噂からキノコに高電圧の電気を当てたところ良く育ったらしいのです。

つまり天然の雷撃棗を探すとか、人工の落雷装置みたいな大げさな装置に頼らなくても、棗の木材にスタンガンあてれば雷撃棗の代用品ができそうなのだ*4。これで式盤の材料の目処が立ったことになる。六壬式盤は雷公式でも使用され、作成のための儀式次第とか、雷公式特有の調伏の儀式とかも雷公殺式の残簡からある程度判っている。本当は永楽大典に目を通したいところだが、永楽大典は簡単にアクセスできる資料ではなさそうだ。

資金を溜めて楓天棗地の正しい式盤を作ってみたいところだ。もし注文生産で販売するとしたら、いくらくらいなら買う人が出るだろう?

*1:栻(ちょく)ともいう。

*2:というか円錐形

*3:“フウ”であって“カエデ”ではない。

*4:もっとも件のエントリは、そういう使用方法は想定外でスタンガンが壊れるからヤメロという趣旨なのだが。