エリザベス

エリザベス [DVD]

エリザベス [DVD]

 16世紀〜17世紀に活躍したイギリス女王エリザベス1世の映画です。今手元に「詳説世界史研究改訂版(山川出版社)」しかないのでこれを見ると、エリザベス1世は二カ所で主に触れられています。1つは宗教改革からのイギリス国教会の成立(統一法)です。これはヘンリ8世の国王至上法を復活させたという部分。もい一カ所は絶対王政期のイギリスです。ここでは特に救貧法、イギリス=ルネサンスアルマダ海戦東インド会社ってとこです。
 この映画はエリザベス1世が異母姉で前王メアリ1世(ブラッディ=メアリ)に幽閉されるところから始まり、最後は国内の反対勢力をまとめ上げるところまでです。内容は主にエリザベスが女王として成長していく様子を、恋愛や国際情勢、イギリス国内の様子などを描いております。
 思ったのは、難しい映画という気がしました。当時の宗教対立が映画全体を通じて大事なのですが、誰がどっちを信仰しているかいまいちわかりずらく、しかも展開も非常に早いので、厳しかったです。登場人物の顔をちゃんと覚えていないと、展開がつかめなくなります。またスペイン(メアリ1世の夫がフェリペ2世)やフランスがカトリック側ということも掴みにくく、スコットランドイングランドと別の国)とフランスの関係も、映画を見ただけではわからない(メアリはアンジュー公の親戚あたり?)。当時のヨーロッパ貴族が国を越えて結婚しまくっていたことも知ってないとわからない。ある程度知識がないとおもしろくないかも。そういう意味では、ヨーロッパ、特にイギリスの映画って感じです。もちろんイギリスの映画なんだけど、ヨーロッパ以外の国ではイマイチ伝わらないだろうなと。まあ映画って文化ですから、内容によってはその国で伝わることが大切なので、他国では伝わらなくてもいいと思います。そんな感じの映画です。
 そういやメアリって誰だったのだろ、wikipediaの解説だと、メアリ=オブ=ギースと書いてあったけど、メアリ=ステュアートっぽいし。たぶんこの辺りは創作かなぁ。まあ400年以上前の話なので、細かい所はどうでもいいか。
 最後のシーンとセリフがよくわからず、聖母マリアの絵の前で話をしていたので、マリアってことなのかな?と思っていたら、どうやら最後のエリザベスのセリフが誤訳だったようです。「処女」じゃなくて「聖母」だったみたい。
 それなら納得!