南極の図書館

ペンギンが寝ていた…。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら を読んだ。


迷っていたのだが、友人に薦められて購入した。


対象年齢は13歳〜30歳くらい。かなり広いと思う。
中学生の娘がいたら買うし、ドラッカーが良く分からないと言っている同僚にも読ませたい。そんな本。


というのも、登場人物の立ち位置がはっきりしていて、ドラッカーのマネジメントから取り上げたい部分もはっきりしているので、内容が非常にシンプルだから。
主人公の「みなみ」はどこかの宗教にはまったかのようにドラッカーを盲信し、佐為の言うままに碁を打つヒカルのように、ドラッカーの教えの通りにマネジメントを行う。


と言うと、ドラッカーを読んだことがある人の何割かはこう思うだろう。

ドラッカーの本はパターンやtipsを集めているわけではなく、むしろ抽象的なので、書いてある通りに動くのは難しいのでは?


もちろん。
ドラッカーの言うとおりに動くということは、とても難易度が高い。
だから、この本が役に立つ。


みなみは「マネジメント」の通りに動こうとして、その度にわからなくなって考える。
最初に詰まるのは「野球部の顧客とは一体誰なんだろう」ということ。
これはすごい難問だ。
しかし、みなみはなんとか自分なりの答えを出し「野球部とは何か」という問いにも答えを出す。
その後は「人の強み」に注目し、「イノベーション」を起こしていく。


つまり、本書は「ドラッカーは抽象的でよくわからない」と思っていた人への、一つの具体例を示す。
もちろん実話ではないが、その分わかりやすく書かれている。


一言で言うと
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を盲信して好き勝手に行動したら、の一例」
という内容だ。



ドラッカーを読んだことが無い人にも、ドラッカーがイマイチ分からないと思っている人にもオススメ。
「あまり読む価値は無かったな」と思う人がいるとすれば、それは自分なりにドラッカーの教えを実践出来ている人くらいかな。
そんな人には「今更」かもしれないが、そうは言いつつも「話題の本」なので、一度読んでみることをオススメする。