2009-05-17
和歌山・田辺迷いクジラ
和歌山県田辺市新庄町の内ノ浦湾に迷い込んだマッコウクジラを見ようと16日、現地には大勢の観光客や市民らが詰めかけた。市は水産庁などの助言から当面見守る方針で、呼吸数などで衰弱ぶりを調査する一方、観光客らの車の誘導に追われた。
クジラは15日夜から16日朝にかけ、元の場所から約200メートル北の浅瀬に移動。背びれなどに傷があり、一部は血で赤くぬれたまま。市によると、寝返りを打つように体を回転させたためケガをしたらしい。
日中はほとんど移動せず頭部を陸地に向けたままで、湾外に出る気配はみられなかった。市が各専門機関に問い合わせたところ、「1頭で湾に入るということは死に場所を探しているともみられる」との分析もあったという。
現場は多くの観光客が集まり、常時約200人が付近の海岸を埋めた。クジラが潮を噴くたびにどよめきが起こったが、衰弱した様子を見て「ここで休んで、元気に太平洋へ戻ってほしい」などと励ますように見守った。市にはこれまで湾の場所や救助法などについて電話やメールが相次ぎ、電話は同日午後5時半時点で累計78件になった。
和歌山県田辺市新庄町の内之浦湾に迷い込んだマッコウクジラの救出作業は、15日で打ち切られ、海岸で見守っていた市民らは「かわいそうだが、何とかならないのか」と肩を落とした。今後は、市などが24時間態勢で見ていくという。
作業は、朝に約1時間行われたが、クジラが出て行く様子はなく、中止された。水産庁などとも協議したが、新たな対策はなく、打ち切りを決めた。16日以降は、大勢の見物人が訪れると予想され、周辺の交通整理や警備にあたるという。
クジラは、何度も体が横倒しになるなど衰弱しきった様子。前日から観察していたアドベンチャーワールドの石川唯史・広報担当は「頭を常に南に向けており、北にある湾の出口へ導くのは難しい。見守るしかないだろう」と話した。
近くの市立新庄第二小学校の児童らは、校舎から「がんばれ」と声援を送っていた。